【私の読書2】豊臣家の人々
『豊臣家の人々』司馬遼太郎
戦国~安土桃山時代に天下統一を成し遂げた豊臣秀吉を身内に持ったことにより、その運命を大きく変えられた豊臣家の一族を描いた短編集となっています。
<豊臣秀吉の経歴>
豊臣秀吉は身分の低い家柄の出身で、織田信長亡き後、たったの8年で天下統一を成し遂げます。
急速に天下人として成り上がっていったのは、秀吉にカリスマ性があったかと思いますが、一族も環境の変化についていくのが大変で、それに伴い各人の運命も変わっていきました。
この本を読んで興味深かったのは、個人的に好きな人物でもある、
豊臣秀吉の弟 豊臣秀長について描いた『第六話 大和大納言』です。
弟 秀長は温厚な性格だったと言われていて、この作品でも描かれている通り、「兄でもある秀吉の影になりなさい」と忠告を受け、生涯を通して秀吉を支え続けた点・秀吉の政策に異を唱え制御出来た点など、彼の天下統一に貢献していきました。
温厚な性格だからか、諸大名は何か秀吉に頼み事をする前に
先ずは秀長に相談をするケースが後を絶たなかったと言われています。
しかし秀長は、秀吉の天下統一を成し遂げた直後に病でこの世を去ります。
秀長が亡くなった事により秀吉の暴走に歯止めが効かなくなり、豊臣家の衰退が早まったとも言われていて、それだけこの一族の中で重要な存在でした。
『豊臣家の人々』では、この一族の影の部分にフォーカスを当てた、
とても面白く興味深く読める作品となっています。
歴史が好きな方はゼヒ読んでみて下さい。