映画「カラオケ行こ!」
映画館で観てからまだそれ程時間が経っていない気がする。Netflixで見つけ、また観てしまった。
あの子が歌う「紅」がまた聴きたくて。
綾野剛は好きな俳優の一人ではあるが、原作は知らなかったし、タイトルに惹かれなかった為スルーしていた作品だった。
が、以前やっていたX(旧Twitter)で同じ不登校児の母であるフォロワーさんが「思春期の息子がいる人にお勧め」と書いていた。
更に、調べてみたら「監督:山下敦弘、脚本:野木亜紀子、音楽:世武裕子」と。おお!!これは観なければ!!となり映画館での鑑賞に至った。
そしたらまさかの、X JAPAN(旧X)の紅を歌う綾野剛ときた。
バンドブームが私の青春そのものだった上に、大人になって頑張って働き、栄転で上京し、初めて渋谷のTSUTAYAで「大人買い」したのがXのライブDVDBOXなのだ。
まだ大切に保管している。
ストーリーも、映画で扱われやすいキラキラの運動部ではなく、合唱部男子。そしてヤクザ。なかなか良き。
合唱部もヤクザも、メンバーがバランス良く完璧な配役。これまた良き。
ヤクザの怖い部分も描きつつ、ベースはほっこり。そしてクスリと笑えて、なぜか涙も出る。
この感じ、沖田修一監督の「キツツキと雨」を思い出した。壮大な話ではないのに忘れられない、噛めば噛むほどの甘噛刺さり感。
たぶん、「キツツキと雨」のように、人生で何度も観たくなるような作品になると思う。
齋藤潤、今後が楽しみだ。鈴鹿央士や奥平大兼のように、どんな役もやれそうな素敵な俳優になれる逸材だと感じている。
あと、芳根京子のピアノも褒めたい。私は、楽器を本当はひいてないっていのがバレバレな作品が苦手なのだ。Wikipediaによると、特技はピアノとフルート、吹奏楽部に所属の経験もあるららしい。
どうりでしっくり来ていたはずだ。今まで私が見た作品の中で一番はまり役だった。
最後に、聡実が狂児に出会ったように、息子にも今後いい出会いがあるといいなと思った。
そして、傘を買い替えたいと言われる事があったら、理由は聞かずに買い替えてやろうと思った。