映画『ラストマイル』
火野正平さん、ありがとうございました。
宇野祥平さんとの親子役は、脇役贔屓の映画ファンとしては最高にワクワクし、萌えに萌えました。
他に火野正平さんの作品で思い出されるのは「そこのみにて光輝く」です。ちょい役でありながらストーリーを底支えする深みがあり、とても素敵でした。出演作品、また色々見ますね。
さて、「ラストマイル」の感想。
ちょうど今 あちこちで告知がさかんだ。「ブラックフライデー」というワードを目や耳にするたび、この作品を思い出す。ベルトコンベアを思い出す。
「ブラックフライデー」って何なのさ。
どんな事象にも、捉え方によって光と影という2つの側面があるし、全ては繋がっているんだ、そんなことを考える作品だった。
物流業界における「ラストマイル」とは、荷物が顧客のもとに到着する前の最終段階を意味するらしい。
私は重い荷物以外はなるべく自分で買いに出る意識ではいるが、夫のポチった荷物をよく受け取る。配達してくれる人に部屋番号と顔を認識されている程だ。毎回お礼の気持ちをしっかり伝えて受け取っている。
タイトルが「ラストマイル」だ。見終えた後に 火野正平&宇野祥平親子、安藤玉恵親子のあのシーンが強く印象深く残ることこそが、作品のメッセージなのだろう。
どんな荷物にも消費者の思いがあり、どんな荷物にも注文から仕分け、梱包、運搬、配送と多くの人の思いがあるのだ。
そして「シェアード・ユニバース」。私も、映画館へ足を運ぼうと思ったのは星野源のラジオでの告知があったからだ。
両ドラマの登場人物が出るたびに気持ちが高ぶったし、主軸をジャマしない良き塩梅でもあった。
鑑賞後に読み漁った制作秘話の記事などを見ると「映画を作る!」から始まり「女性が主人公のノンストップサスペンション」「ビールとポップコーンに合う映画」「シェアード・ユニバース」などが企画段階からあったようだ。
それを知った上で咀嚼すると、「やりたかった事」と「伝えたかった事」が見事に実現されていて、かなり素晴らしい作品だった。
でも、正直なところ 私はゴチゴチャしてしまっていたように見えた。もったいない、というやつだ。
新井順子✕塚原あゆ子✕野木亜紀子、2時間ではもったいない。詰め込み過ぎたのではないか。
「テーマ」を推察するに、犯人は誰か、動機は何か、は今回重要ではなかったと思う。でもそこが消化不良だった。
加えて本筋の演者全員が素晴らしかっただけに、そこをもっとじっくり見たかったし余韻にも浸りたかった。米津玄師の歌ももっと感じたかった。
個人的には 連続ドラマでじっくりやるか、2時間ならシェアード・ユニバースを無くすか、が良かったのに(プンスカプン)!!と感じたのだ。
と、ここまで書いてきて思った。
もしや、敢えての消化不良なのか。敢えての詰め込みなのか。
そもそもこれだけ多くの素晴らしい役者が演じる登場人物、一度では味わい切れるわけがないのだ。そのくせテンポは早い。
2度、3度と映画館へ足を運ばせるためなのか。
そうなのか?
ならば 再び作り手に踊らされ、もう一度見に行ってしまえばいいのだろうか。
公式サイトの満島ひかり&岡田将生のコメントを読み、また見たくなっている。
うぅ…