制作日記:複雑な油絵の話
想像する事
色をイメージできるようになってから油絵・水彩を再開して約半年。
2013年間から制作してきたペン画はそのままに、柔らかい線を表現できる鉛筆画も制作するようになりました。
10年ほぼペン画一本だったので、これほど制作手段が増えると何から制作してよいか悩むこともあります。
「浮かんだイメージに合う画材を使おう」
イメージが浮かんでくれたことに感謝しています。
昨年の2023年はイメージが浮かばなく苦労したので・・
私にとってのイメージ・・想像する事。
ここで忘れないように、イメージの段階を残しておこうと思うのです。
「ほかの作家さんには当たり前の事かも・・」
とも思うのですが、感覚的な事を残しておきたいし・・
「絵を描くまえって、そんな感じなんだ」
そんな感じで読んでもらえれば良いかなと思います。
先ずですね・・ほぼ私は瞑想に近いんですよ。
ふわっと、頭の上に浮かぶ。
漫画の吹き出しの様な感じで浮かぶんですね。
そして、吹き出しから頭の中に移動させる。
メモ書きでざっと描き出す。
そして、目を閉じて息を吸い込む。
そうするとぼんやりとしたイメージに〈フォーカス〉するように意識を集中
細かい部分や〈色〉や表情が見えてくるのでメモする。
そんな感じで、制作できるように
なった・・最近。
なにか、画材や方向性に疑問がでてきたら上の動作を繰り返す。
迷ったら、作品とにらめっこしてまた考える。
〈どんな事を伝えたくて、これが浮かんだのか〉
〈伝えるにはどんな表現を色を選択するか〉
色については今年から再開したので、イメージを固めるのと同時に現実で表現できるように絵具や筆などの混色や扱い方を考える作業もあります。
最近ではYouTubeなどで制作動画が見れるので参考に。
参考にするがそのまま同じ絵が描きたいわけではないので
〈表現したい事〉〈自分のできる事〉をすり合わせて制作を進める。
言葉にするとなかなか面倒な作業だし効率が悪い作業かも知れないですね。
しかし、自分の頭の中のモノを表すので自分で手を動かすしかない。
なので、〈悩んで、考える〉
誰かにイメージを伝えて描いてもらったとしても、それは〈誰かのモノ〉で自分のイメージではない作品になる。
個人的に、「ちょっと違うかな」とも思うのです。
〈言葉〉は目印であり〈考え〉は個々それぞれで統一はできない。
「自分の事は自分でする」身の回りの生活と一緒。
〈自分のイメージは、自分で表現したい〉
なのでそこまでに至る道の長さは苦ではない。
挫折したり、自分から辞めたことでそのすべてを反故にしたことがある。
「苦労の先の達成感」
「表現できた時の恍惚感」
反対に「表現を辞めた喪失感」も身に染みて心に刻まれてます。
なので、後悔するより苦労した方がずっと良い。
自分にとってイメージや感覚は大切なものになっている。
できれば失いたくない幸福な時間。
私にとって制作は、やっと取り戻した〈楽しい感情〉記憶なのです。
「自分の楽しいと思えた事」
「美しいと思えた気持ちとイメージ」
「言葉にできない何か」
そんな私のイメージ〈絵〉に共感していただけたら嬉しいです。
油絵の複雑な事情
油絵を再開して約6ヶ月。
しかし、実際はペン画より展示経験も多いし年数も長い。
高校時代の美術部で油絵をはじめて知ってから、何もなく続けていたら20年以上の経験が積めた。
美大には通っていないが、画材店で作家のお客様から経験と歴史と画材の扱い方を会話の中で勉強したので〈経験を学んだ〉と言った方が良い。
公募展の在籍経験もある
会友経験もある
公募展での美術館展示経験は8年ほど
県展に入選したこともある
しかし、数十年前にすべて辞めたので0(ゼロ)になってしまった。
仕事のストレスで身体を壊した
公募展との方向性の違い
最たる理由は、家族間の〈深い後悔〉
「絵と向き合い過ぎた事で、失ったものが大き過ぎた」
「もう、辞めよう」
〈経験〉すべてを捨てる、制作していた自分を忘れる。
それから数年、いろいろあって制作を再開。
2013年にペン画で〈絵を描く事〉を再開する事に際して、〈卯月螢〉として0から始める。
そんなこんなで入り混じる、複雑な心境。
それから10年が経ち、色彩心理を学び〈色と感情〉を取り戻し
また油絵と向き合う今現在。
知識としての〈色〉の制作ではなく、浮かんだイメージを手繰り寄せる制作。
「感情的な〈色〉の制作」
ペン画以外に数回ほど油絵で制作したけれど、知識的な制作と感情的な制作がここまで感覚的に違うなんて思わなかった。
「色」をイメージできる反面、辛い事もたまにある。
〈色〉によっては過去の自分を思い出したりしてしまう。
これが、なかなか結構辛い。
自分の好きだった〈色〉と再会、そして〈辛い過去〉と対話。
感情は過去の蓄積なので仕方ないとは思うのだけれど・・
思い出したくもないし、会いたくもない
そんな複雑な感情を抱く時がままある。
なので油絵で浮かんだイメージは、自身との話し合いが長い。
「あの頃は、目を背けて悪かった」
「今はもう大丈夫、背けるほど自分が立派じゃない事を知っている」
弱いこと知っている。
「とりあえずこのイメージ〈気持ち〉について話し合おう」
油絵の制作はどの画材よりも、不思議と時間経過が早い気がします。
今年はいろいろ制作について悩む事が多い。
しかし、後悔の無いように思いついたイメージを一つ一つ大事に描いていきたい。
複雑ですが、そんな気持ちです。
色から過去の自分を振り返った記録
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