悪夢の余韻
その手の感触が消えない
生暖かい吐息
深夜3時の鴉が啼く
階段を這う
その手の影
暗闇の中浮き上がる骨ばった指の一つ一つが
生き物の様に
音もたてずにここに来る
爪の亀裂に見覚えがある
その執着に憶えあがる
足を捕まえ引きずられる
その先は奈落の底
生ぬるい温度の中その手を振り解く
意識が腐る
愛された記憶はなく
愛されなかった思い出のその淵に
叫んであげたその腕の先は
深夜の淵の白い指
2021年制作「tenacity」によせて
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