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絵とエッセイ⑮自由迷子

「自由に表現したい」
絵を描き、文章を制作しながらいつも思う事。
しかし、【自由】と【表現】はかくも難しい。

絵の下絵を描きながら数年前に見たインパクトのある作品を思い出したり、文章を書きながら「上手い表現だな」と思った人の文面を思い出す。
ひと段落して振り返ると〈その作家さんをなぞったもの〉になっていて何回かやり直す。
自分の作品ではない。
「オリジナリティーがない」なんて、生意気にも思ったりする。

オリジナリティーとは、考え方や行動の仕方などにおいて、世間並みでない独自の新しさ、または独自の考え方や活動をしていく能力の事を言うらしい。
「それは、個性的という事だろうか?」

オリジナリティとは言うけれど、何をオリジナルとするのだろうか?
自分の思いついた事、考えた事を指すのだろうか?
ならば、頭で考えている事をコピーして具現化できたら簡単で最高だ。

AIが出てきた昨今、「自分の言葉」を演算して他者に分かりやすく、受け入れやすく具現化できる機能は素晴らしい。
綺麗な映像や迫力のある風景、幻想的な空間や奇想天外な出来事の視覚化。
人間にできない事をやってくれる万能な器具。
とても素晴らしい表現のツール。

しかし、YouTubeやInstagramで流れてくるリールで見かけるモノは見た事のある顔だったり、動きが正確過ぎてぎこちなかったりする。
なので、AIが作ったのかとすぐわかる画像もある。
YouTubeで見たのは【巨大生物が捕獲される】映像。一瞬、目を疑う様なリアルな映像で凄いなと感嘆した。しかし、逆にAIと分かってしまうのも不思議だ。
髪の毛の動きなど思うと納得する。
数千本も自由に動くのだ、それを誰にもわかりやすく視覚化するのは難しかろうと。
しかし、綺麗な女の人のイラストパターンは視覚的に(可愛いな)と率直に思える。
眼が大きい、口が小さい、凹凸のあるスタイル、可愛い仕草。
これが総合的に可愛いということなのかと納得する。
他人に理解してもらうには【共通して認識できる形】が必要なのかな?
でも世間並みでない独自の新しさではないから、オリジナルとは言わないのかな。
「オリジナリティーって何だろうな?自由って何だろうな?」
という悩みは尽きない。

頭の中を表す手段として、視覚化と表現がある。
【言葉】で情報を集めて視覚化する事と【言葉】で想像して表現する
この違いは何だろう。
どちらも目の前にない事を表現するのは一緒だと思うのだが印象が違うように思う。
「視覚化」と「表現」の違いとは何か?
視覚化とは、目に見えない抽象的な事象や関係性を、見てわかるような形にして示すこと。表現とは、心に思うこと、感じることを、色・音・言語・所作などの形によって、表し出すこと。その、表した形。

「見て分かるような形にして示す事」と「形によって表し出す事」
視覚化とは「形にあるモノを分かりやすいように形にするもの」
表現は「形になってないものを形にする事」
大まかな解釈だがそんな感じだろう。

【形にする】という事は同じなのに、なかなか微妙な違いがある。

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