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制作日記:描けなくなった絵
ペン画を10年間描いてきて、11年目の今に思う事。
自分が孤独であると訴えているような作品が多かった。
制作活動を2013年から始めた時は、何を描きたいか良く分かっていなかったかもしれない。
その前に数年「絵」を描けなかった期間があり、制作を再開したきっかけが生きがいにしようと思っていた仕事が出来なくなったからだ。
絵を描けなくなったのも精神的な事情
絵を再開したのも挫折感から抜け出したいという、精神的な事情
「描けるだけで嬉しい」
しかし、ペン画での制作をはじめて数年経つと「嬉しい」だけでは描けなくなってくる。
個性的な作家方々との展示は〈個性〉を見せつけられる。
筆が持てないまでの公募展経験は過去の事。
現役の作家作品と自分の作品に【個性】と【技術の違い】を改めて痛感。
自分の止まっていた時間を悔むほど作品の差に当てられ、内心焦る日々でした。
「もう描けなくなるのは嫌だ」
未来まで制作活動をするのに〈描きたいもの〉が必要だ。
〈描きたいもの〉=〈目標〉と言って良い。
そこで浮かんだのが【倒木】
初個展で浮かんだ一枚の絵から始まる【自身の孤独感の表現】
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はじめての【孤独感】の表現
ここ最近、再び「木霊」や「倒木」を描こうとしている。
なので、孤独感への、価値観の変化を見直したい。
内に秘めた孤独感
~2023年までの「倒木」の作品を集めた詩画集「孤独の樹海」
昨年の夏、執筆中に「倒木」「流木」「木霊」の作品を見返してみると共通することがあった。
【内に秘めた孤独感の吐露】
「素直になれない」
「他人の顔色を伺ってしまう」
「流される事に諦めを感じている」
「トラウマから生まれるストレス」
今思うと、自分を大事にすれば避けられる事ではあるし、勇気を出しさえすれば越えられない壁ではないはずだった。
だが当時は「その事」が分からなかった。
「価値観が変わった、今の自分だからわかる事」
しかし、内に秘めた孤独感をエネルギーにして、10年間も描いてこれたのは、我ながら凄い事だし大変な事だと思う。
「自身の孤独感の表現」=それが当時の私の個性
それしか描けない
信じて疑わず、思い浮かぶたびに手を動かしていた。
その熱量が届いたのか、私の元から旅立ってくれた作品もある。
しかし、描いても描いても「満たされない」焦燥感で寝込むことも間々あったのは事実。
「何が足りない」「何がいけない」
そんな心の声に耳を傾ける間もなく、3回目の個展の年に父の在宅介護が始まり、翌年にコロナ過に突入した。
家族の介護は経験があっても容易ではない。
ましてや社会的に閉鎖的な生活が推奨された時期、孤立感が高まる。
悩みながら忙しく生活する日々。
制作の時間はあっという間に無くなり、感情を吐露する場所もなくなった。「私の声は届かない」
そんなジレンマを抱えながら怒涛の日々を過ごすことになる。
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精神的に焦燥感に駆られて描いた作品。
当時を思い出して、ちょっと辛い。
何かを訴える事は、自分に非がないと思っていれば、制限なく溢れてくるものだ。
・・これは、個人的な実体験と考えですけどね。
父が入院して残るのは、自分に対する失望感で生きる日々。
「自分は思ったほど何もできない」
在宅介護を経験し自分に対してあきれ果てた時には、描くイメージが少しずつ浮かばなくなってきた。
そして、父が亡くなり「制作の時間」がとれるようになった2023年。
「絵が描けるようになったのに、何も浮かばない」
頭の中が真っ白になってしまった。
「このままではいけない」
イメージのきっかけになればと制作したのが冒頭の詩画集「孤独の樹海」
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何かを大事に抱えて物思いにふける姿は
、当時の自分をそのまま描いたのだなと思い出させますね
自分の「個性」だと思っていた【孤独感の表現】が消えた焦燥感。
生活も制作も、先が見えなくなった時に「価値観の変化」がやってきました。
孤独感の変化
孤独感の表現が出来なくなり、詩画集を制作。
そして、自身の将来も分からなくなり「価値観の変化」が訪れる。
セッションを受け、リリ色彩心理を学び自身の過去を振り返り(自分を認める事)で変化を受け入れ、受け入れる事での変化は生活でも制作でも大きな変化を見せた。
・今までの価値観を俯瞰し修正できるようになる
・制作では「モノクロ」のイメージに「色彩」が着くようになる
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色彩を思いだしてからイメージで制作した最初の作品
色彩で描けるようになってから、すこし心に引っかかる事がある。
夢中で油絵や水彩画を描く中で一つ消えたもの。
自身の「個性」であった【孤独感の表現】
「倒木」のイメージも「流木」も「木霊」も浮かばない・・
新しい制作の中で「トルソー」や「蝶」や「花」と新しいものを制作。
・何ものでもないこれからの変化への期待【トルソー】
・再生やリスタート「蝶」
・心を開くイメージでの「花」
そんなテーマが思い浮かんで描いていた頃に、夏が来た。
季節の中で一番に過去を振り返る季節。
そこで生まれた詩画集「胡蝶の夢」
人生で一番辛かった時期と自分に自信が持てなくなったころを価値観が変わった自分の視点で振り返り制作したもの。
「悲しみ」や「後悔」
自身の価値観の幼さを悔いた作品や文で構成された作品。
「孤独の樹海」と大きく違う事は【他人に語るように描いている事】
(吐露)ではなく(語る)
同じ表現でもだいぶ視点が変化していると思う。
新しい価値観と「語る」という表現の変化
とても前向きなリスタートとしての新しいテーマ。
しかし、新しいテーマを決める中で寂しい事は昔のテーマと向き合えない事。
自分なりに納得して描かなくなったのではなく【いつの間にか浮かばなくなった】そのテーマ。
辛く悲しい日々を吐露していた作品でも、自分の個性と信じて制作してきた「木霊」「流木」「倒木」それが描けなくなったことは自身の10年の制作を無くしてしまったように、「寂しいな」と思う事がありました。
「胡蝶の夢」を掲載してから新たな作品を模索する日々。
今まで「描いてみよう」と意識してこなかった表情を、水彩画で制作。
孤独感の表現で自分の感情を見て制作してきたので、【表】に出す表情はそんなに意識して考えては来なかった。
色彩心理を勉強して「色も感情の表現」であるなら、人間の感情表現でもある「表情」を描いてみたいと思った。
「【花言葉】で自身の気持ちと思う表情を描いてみよう」
その制作の中で壁に合ったったのが、【赤色】
色彩心理でつまずいた色は、制作でも上手くいかない。
「【赤】で自身の考えを言葉として視覚化しよう」と気持ちを言葉で視覚化し、どうして苦手なのか、今現在の価値観で分析してみた。
私が書くエッセイは、言葉にできない事を表現した「作品」を改めて俯瞰して「言葉」として視覚化する目的で書いたもの。
自身の考えや気持ちを自身の言葉で表現したい、そんな思いで書き始めたものだったので「イメージのきっかけになれば」と縋る思いで執筆した。
おかげさまで、描けた一枚の赤い絵。
あらためて私の描く作品は「心象画」であると実感した制作でした。
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今の自分が描ける赤い絵の1枚目
外に語りだす孤独感
「赤と向き合い過ぎたので、緑の補充」
前回の制作日記で書いたように、現在は「日々、緑」
自分が癒される為に緑を描いていましたが、最近は意味合いが少し変化してきた。
「緑」は「自然」
「自然は木々」・・今なら違う視点で「木霊」を描けるかも。
描けなくなった絵を再び違う形で描いてみよう、と思うようになりました。
自分の傷を開いて見せるのではなく、心の傷が治っていく過程を表現しよう。そこで、助けになるのはやはり「色彩」です。
心の傷に気が付くのは、外からの色々な刺激と自身の意思と変化。
個々違うかもしれないけれど私はそんな感覚です。
形の違う意志と変化「色彩」は色とりどりの心の表現と交流(混色)
SNSで掲載する時にハッシュタグに悩みましたが【#生命力#色彩】を付ける事にしました。
「ここに来るまでに長く孤独感を抱えていましたが、価値観が変化して日々を考え、孤独感と向き合ってきたからこそ視野の変化を実感できる」
その変化の心の風景を、「自分なりの心象画」を制作していきたいと思っています。
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水を多めに含ませて滲みで枝を表現。
意図したようにならない感情をイメージ。
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どう変化するか、まだ分からない。
長くなりましたが、お読みいただきありがとうございます。
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