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希望から未来へ、独立と平和は勝ちとるもの、ボスバトルが近い、かと。

日米同盟を機能させようとするならば、アメリカの「強い日本派」を増やすよう働きかけるとともに、日本自身がアジア太平洋の平和と安全のために一定の役割を果たすことが必要

出典:『知りたくないではすまされない』

さて、先日の米議会での岸田さんの演説、やはり「政治は連続性が肝要」とのことをあらためて思い出させてくれました。

概要・全文はこちらの(最近発信力が高まりつつある)外務省のポストからも辿れますが、以下の官邸HPの記事では動画も一緒に確認できるようです。

あと、ショートバージョンでも様子が紹介されていますね(今の時代は本当に便利です)。

まずは、岸田さんが安倍さんの「希望の同盟へ」との演説を取り上げられているのに、なんとも言えない哀切さを感じてしまいました。

安倍さん、岸田さんのお二人ともに奥様への深い尊敬と愛情を表現されていて、また、岸田さんが安倍さん、安倍さんは祖父の岸さんと、それぞれ先達の故人をあげられたり、それぞれのアメリカとのプライベートな関わりも述べられていたりと、、

この辺りはアメリカ人にウケるテンプレートでもあるんだろうなぁ、スピーチ草稿の担当はもしかして同じ方なのかなとか思いながら、安倍さんの「希望の同盟へ(テキスト)」もあらためて拝見、、動画もまだ残っていますね(今後も消さないでほしいです)。

で、せっかくなので、お二人の演説の中で気になった部分をざっと比較してみようかな、と(翻訳ベースですが)。

 戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に、歩みを刻みました。自らの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない。これらの点についての思いは、歴代総理と全く変わるものではありません。
 アジアの発展にどこまでも寄与し、地域の平和と、繁栄のため、力を惜しんではならない。自らに言い聞かせ、歩んできました。この歩みを、私は、誇りに思います。
 焦土と化した日本に、子ども達の飲むミルク、身につけるセーターが、毎月毎月、米国の市民から届きました。山羊も、2,036頭、やってきました。
 米国が自らの市場を開け放ち、世界経済に自由を求めて育てた戦後経済システムによって、最も早くから、最大の便益を得たのは、日本です。

出典:「米国連邦議会上下両院合同会議における安倍総理大臣演説
「希望の同盟へ」」
(「外務省HP」2015年4月30日)

 米国は、経済力、外交力、軍事力、技術力を通じて、戦後の国際秩序を形づくりました。自由と民主主義を擁護し、日本を含む各国の安定と繁栄を促しました。そして必要なときには、より良い世界へのコミットメントを果たすために、尊い犠牲も払ってきました。
 およそ人類は、権威主義的な国家に抑圧されるような、つまり、追跡され、監視され、自己の内心の表現を否定されるような生き方はしたくない。米国の政策はそのような前提に基づいていました。

出典:「米国連邦議会上下両院合同会議における岸田内閣総理大臣演説
「未来に向けて~我々のグローバル・パートナーシップ~」」
(「首相官邸HP」2024年4月11日)

9年の時を経て、安倍さん、岸田さんでのニュアンスの差分として大きいと感じたのが、まずは「米国に対する贖罪の気持ち」の有無。時代背景もあるでしょうけど、安倍さんの時は敗戦国としての目線から抜け切れていないのが、岸田さんはあくまでも「アメリカと対等の立場」に立脚しているところから始めていると感じました。

 親愛なる、同僚の皆様、戦後世界の平和と安全は、アメリカのリーダーシップなくして、ありえませんでした。
 省みて私が心から良かったと思うのは、かつての日本が、明確な道を選んだことです。その道こそは、冒頭、祖父の言葉にあったとおり、米国と組み、西側世界の一員となる選択にほかなりませんでした。
 日本は、米国、そして志を共にする民主主義諸国とともに、最後には冷戦に勝利しました
 この道が、日本を成長させ、繁栄させました。そして今も、この道しかありません

出典:「米国連邦議会上下両院合同会議における安倍総理大臣演説
「希望の同盟へ」」
(「外務省HP」2015年4月30日)

 米国は、自由こそが人類にとっての酸素のようなものだと信じていました。
 この世界は、米国が引き続き、国際問題においてそのような中心的な役割を果たし続けることを必要としています
 しかし、私は今日、一部の米国国民の心の内で、世界における自国のあるべき役割について、自己疑念を持たれていることを感じています。
 この自己疑念は、世界が歴史の転換点を迎えるのと時を同じくして生じているようです。ポスト冷戦期は既に過ぎ去り、私たちは今、人類史の次の時代を決定づける分かれ目にいます。
 米国が何世代にもわたり築いてきた国際秩序は今、新たな挑戦に直面しています。そしてそれは、私たちとは全く異なる価値観や原則を持つ主体からの挑戦です。
 自由と民主主義は現在、世界中で脅威にさらされています

出典:「米国連邦議会上下両院合同会議における岸田内閣総理大臣演説
「未来に向けて~我々のグローバル・パートナーシップ~」」
(「首相官邸HP」2024年4月11日)

お二人ともに「自由と民主主義」は日本にとって、世界にとって必須であり、それはアメリカ抜きには維持できないと話されてますが、岸田さんは「全く異なる価値観や原則を持つ主体から挑戦されている」とまで突っ込んで言及されています。

これは、この9年で世界が劇的に変わっている、「力による現状変更は認めない」との大前提をあらためて再確認、そしてアメリカにもその認識を提示した感じでしょう、、安倍さんの時はまだここまでの状況ではなかったとの裏返しでもありますが、頼もしさとともに、事態が切迫しているとの危機感も覚えました。

 私たちは、アジア太平洋地域の平和と安全のため、米国の「リバランス」を支持します。徹頭徹尾支持するということを、ここに明言します。
 日本は豪州、インドと、戦略的な関係を深めました。ASEANの国々や韓国と、多面にわたる協力を深めていきます。
 日米同盟を基軸とし、これらの仲間が加わると、私たちの地域は格段に安定します。

 国家安全保障に加え、人間の安全保障を確かにしなくてはならないというのが、日本の不動の信念です。
 人間一人ひとりに、教育の機会を保障し、医療を提供し、自立する機会を与えなければなりません。紛争下、常に傷ついたのは、女性でした。わたしたちの時代にこそ、女性の人権が侵されない世の中を実現しなくてはいけません。
 自衛隊員が積み重ねてきた実績と、援助関係者たちがたゆまず続けた努力と、その両方の蓄積は、いまやわたしたちに、新しい自己像を与えてくれました。

出典:「米国連邦議会上下両院合同会議における安倍総理大臣演説
「希望の同盟へ」」
(「外務省HP」2015年4月30日)

 日本の近隣諸国に目を向けると、現在の中国の対外的な姿勢や軍事動向は、日本の平和と安全だけでなく、国際社会全体の平和と安定にとっても、これまでにない最大の戦略的な挑戦をもたらしています。
 中国からのこのような挑戦が続く中で、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序や、平和を守るというコミットメントは、引き続き決定的な課題であり続けます。

 このような現実の中で、日米同盟の抑止力の信頼性と強靱(きょうじん)性を維持するために、日米間の緊密な連携がこれまで以上に求められています。
 新しい形の抑圧が、世界で見られるようになっています。デジタル技術を通じた自由の抑圧も行われています。ソーシャルメディアは検閲され、監視され、そしてコントロールされています。
 経済的威圧や、いわゆる「債務の罠」外交と呼ばれる、国家の経済的依存を悪用し、武器化する事例が増加しています。
 このように急速に変化する困難に直面し、私たちは、私たちが共有する価値をいかに守り続けるのでしょうか

出典:「米国連邦議会上下両院合同会議における岸田内閣総理大臣演説
「未来に向けて~我々のグローバル・パートナーシップ~」」
(「首相官邸HP」2024年4月11日)

9年前に、安倍さんが「アメリカの負担を考慮した上で、日本自身の改革と同時に普遍的価値観を共有できる仲間作りをする」と意思表示、そして今現在に岸田さんは「日本の改革の道筋をつけ、また価値観を共有できる仲間も揃いつつあるから、次はボスバトル(対共産主義・全体主義勢力)」と、中国(共産中国)の具体名をあげて、アメリカに覚悟を突き付けた感じでしょうか(北朝鮮やロシアの名前もですが)。

そして実際、共産中国からも病的かつ過剰なまでの反応が続けざまにあったことからも、相当に痛いところを突いたことが見て取れるかな、と。フィリピンもこちらに手繰り寄せてますしね。そういった意味では、この演説に先駆けて出された「日米首脳共同声明」からの一連の動きが、頼もしくあります。

 いまや私たちが掲げるバナーは、「国際協調主義にもとづく、積極的平和主義」という旗です。
 繰り返しましょう、「国際協調主義にもとづく、積極的平和主義」こそは、日本の将来を導く旗印となります。
 テロリズム、感染症、自然災害や、気候変動――。日米同盟は、これら新たな問題に対し、ともに立ち向かう時代を迎えました。
 日米同盟は、米国史全体の、4分の1以上に及ぶ期間続いた堅牢さを備え、深い信頼と、友情に結ばれた同盟です。
 自由世界第一、第二の民主主義大国を結ぶ同盟に、この先とも、新たな理由付けは全く無用です。それは常に、法の支配、人権、そして自由を尊ぶ、価値観を共にする結びつきです。

 2011年3月11日、日本に、いちばん暗い夜がきました。日本の東北地方を、地震と津波、原発の事故が襲ったのです。
 そして、そのときでした。米軍は、未曾有の規模で救難作戦を展開してくれました。本当にたくさんの米国人の皆さんが、東北の子供たちに、支援の手を差し伸べてくれました
 私たちには、トモダチがいました。
 被災した人々と、一緒に涙を流してくれた。そしてなにものにもかえられない、大切なものを与えてくれた。
 ――希望、です。

出典:「米国連邦議会上下両院合同会議における安倍総理大臣演説
「希望の同盟へ」」
(「外務省HP」2015年4月30日)

 ほぼ独力で国際秩序を維持してきた米国。そこで孤独感や疲弊を感じている米国の国民の皆様に、私は語りかけたいのです。そのような希望を一人双肩に背負うことがいかなる重荷であるのか、私は理解しています。
 世界は米国のリーダーシップを当てにしていますが、米国は、助けもなく、たった一人で、国際秩序を守ることを強いられる理由はありません
 もちろん、米国のリーダーシップは必要不可欠です。
 もしも米国の支援がなかったら、モスクワからの猛襲を受けたウクライナの希望は、どれほど前についえ去ってしまっていたことでしょう。
 もしも米国の存在がなかったら、インド太平洋地域はどれほど前に、より厳しい現実にさいなまれていたことでしょう。
 皆様、米国の最も親しい友人、トモダチとして、日本国民は、自由の存続を確かなものにするために米国と共にあります。それは、日米両国の国民にとどまらず、全ての人々のためにであります。
 私は、これを米国への強い愛着から述べているのではありません。私は理想主義者であると同時に、現実主義者です。自由、民主主義、法の支配を守る。これは、日本の国益です。
 日本国民は、これらの価値に完全にコミットしています。人権が抑圧された社会、政治的な自己決定権が否定された社会、デジタル技術で毎日が監視下にある社会を、私は我々の子供たちに残したくありません。
 皆様も同じく感じておられますよね。これらの価値を守ることは、日米両国、そして世界中の未来世代のための大義であり、利益でもあるのです。
 今この瞬間も、任務を遂行する自衛隊と米軍の隊員たちは、侵略を抑止し、平和を確かなものとするため、足並みをそろえて努力してくれています
 私は隊員たちを賞賛し、感謝し、そして、隊員たちが両国から感謝されていることが、私たちの総意であると知っています。

出典:「米国連邦議会上下両院合同会議における岸田内閣総理大臣演説
「未来に向けて~我々のグローバル・パートナーシップ~」」
(「首相官邸HP」2024年4月11日)

9年前、安倍さんが変革すると宣言した「日本の国家安全保障戦略」、そして周辺の「普遍的価値観を共有できる国々との連帯」は、「自由と繁栄の弧」から始まり、「セキュリティ・ダイヤモンド」、「クアッド」、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」等々へと昇華、拡大していっています。

また先日の「重要経済安保情報保護・活用法案」の策定で、「AUKUS(オーカス)」や「Five eyes(ファイブアイズ)」への参加の道筋をつけれるようにもなり、日本の国家安全保障戦略が、本当に劇的に前に進み始めています。

ここに危機感を覚えたのか、さっそくにアッチサイドのオールドメディア群が反応していますね、、共産中国や日本共産党、立憲民主党、公明党(創価学会)あたりに使嗾されてそうで、哀れにも見てしまいますが。

まぁ、毎日(TBS)とか、オウム真理教(現アレフ)の太鼓持ちしたことの反省を未だにしてないしなぁ、、毎日(TBS)は昔からテロリズムに親和的ですよね、イスラエルで一般人20名以上を無差別に虐殺した重信房子氏も好意的にとらえてましたし、確かその娘さんも重用してたような、、なんで放送免許維持できてるんだろ、不思議です。

そういえば、(毎日・TBSに限った話ではないですが)クロスオーナーシップを欧米同様に制限しないのは何故なんですかね、、出羽守さん?、とか是非伺ってみたいですねぇ、、閑話休題。

さて今回の一連の流れ、安倍さん、麻生さんが種を蒔き、菅(すが)さんが耕して、岸田さんが育み、結実させようとしています。ここまで来るのにおおよそ20年、やはり民主政体下での政治は一朝一夕では成らないと、あらためて。

なんというか、根拠のない思い付きでの即断・即決・即実行なんてのは現実的ではない、それこそ独裁政体下ではないのだから、、と、最近騒々しい極右・極左団体(日本保守党、日本第一党、れいわ新撰組など)を眺めながら。

あと個人的に、お二人ともに「トモダチ」との表現を連環させているのが、なんともエモい、、やはり安部さん、早すぎましたよ。そういや、岸田さんの暗殺未遂事件も遅々として進んでいないようで、、なんでしょうね、真面目に最大限の注意をしてほしいです、いやマジで。

 米国が世界に与える最良の資産、それは、昔も、今も、将来も、希望であった、希望である、希望でなくてはなりません。
 米国国民を代表する皆様。私たちの同盟を、「希望の同盟」と呼びましょう。アメリカと日本、力を合わせ、世界をもっとはるかに良い場所にしていこうではありませんか。
 希望の同盟――。一緒でなら、きっとできます。

出典:「米国連邦議会上下両院合同会議における安倍総理大臣演説
「希望の同盟へ」」
(「外務省HP」2015年4月30日)

 日本が米国の最も近い同盟国としての役割をどれほど真剣に受け止めているか。このことを、皆様に知っていただきたいと思います。
 私たちは共に大きな責任を担っています。日米両国は、平和にとって、自由にとって、そして繁栄にとって、必要不可欠な存在です。そう私は信じます。
 信念というきずなで結ばれ、私は、日本の堅固な同盟と不朽の友好をここに誓います。
 「未来のためのグローバル・パートナー」。今日、私たち日本は、米国のグローバル・パートナーであり、この先もそうであり続けます。

出典:「米国連邦議会上下両院合同会議における岸田内閣総理大臣演説
「未来に向けて~我々のグローバル・パートナーシップ~」」
(「首相官邸HP」2024年4月11日)

希望から共に歩む未来へ、少なくとも「私は理想主義者であると同時に、現実主義者です。自由、民主主義、法の支配を守る。これは、日本の国益です。」と言い切れる総理でよかった、と私は感じました。

独立と平和は与えられるものではなく、勝ち取るもの

出典:『知りたくないではすまされない』

江崎道朗さんが2018年に著された『知りたくないではすまされない』からの一節、そしてこうも仰っています、「日米安保をまっとうに機能させるなら”強い日本派”を増やすべき」だが、「ただ、日本に強くなってほしい派は必ずしも親日派でもない」と、、平和と独立は、自分自身が汗をかいて勝ち取っていく、そして維持していくもの、とあらためて感じます。

そういえば少し前に「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の概念が岸田政権からは消されている!なんて「流言飛語(情報災害)」が出回っていましたが、今年の3月1日付で「自由で開かれたインド太平洋」との表題で特集ページが組まれてます、外務省HPにて。また官邸にもまとめサイトがあるようですね、、こちらはここ数年間のトピックをまとめてくれています。

さて、こんな扇動をしていた方々、なぜか自称保守も結構散見されたのを疑問に感じたのを覚えているのですが、、今でも、なんでしょうか、少し気にしておこうかな。。

個人的には外務省ページの「外交政策 > 自由で開かれたインド太平洋 > 演説」の項目で、始まりの政策としてリンクが張られている「二つの海の交わり(Confluence of the Two Seas)」がやはり白眉だと、、安倍さんは今の日本外交の基軸を作ったのだよなぁ、、この前段となる麻生さんが外相時代にまとめられた「自由と繁栄の弧」からの連なりも感じながら、と、あらためて。

個人的にはやはり、岸田さんは安倍さんの遺志を継いでいるし、体現もされておられると感じています。なんなら、安倍さん以上の胆力をもって。

正直、岸田さんの就任当初は(安倍さんがご存命であったこともあり)、第3次安倍政権に向けての息抜き的な立場、、位の感覚でみていました、スイマセン。

党内に後進が育ってきているのであれば、恐らくは次は禅譲することも視野に入れているのではないかな、ややもすると、安倍さんと同じ災禍に遭うことも織り込んでいるのではないか、との危機感と共に、、個人的にはもう4-5年の継続を期待したいところではあります。

ただ現状、後進といっても、上川さん、高市さんくらいしか思いつきませんが、、個人的には松本洋平さんに期待しているのですが、もう10年くらいはかかるかな、主要大臣の経験値が必須だと思いますし、特に、外相、防衛相辺りは。

なお、個人的には参議院議員を自民党総裁にとの点は最初から対象外にしています(決まり上はさておき)。これは自身が解散のリスクを背負わない時点で総理たる覚悟が不足していると思いますし、もっと言えば「使いようによっては、独裁政体への呼び水にもなりかねない危険性を孕んでいる」とも見ているからです。

衆院が参院議員を指名することも可能だ。だが、参院議員が首相になれば、衆院の解散権を参院議員が持つことになる。参院は解散がないのに、参院議員が、国民が選んだ衆院議員を任期途中で首にする解散権を行使できるのはおかしい、というのが通説だ。

出典:「【知ってる?参議院】首相 戦後31人、参院議員からはゼロ」
(『西日本新聞』2019年6月26日)

話を戻して、、ちなみに私が今回の岸田さんの演説で一番面白かったのは、こちらのくだりです。

私は今日、一部の米国国民の心の内で、世界における自国のあるべき役割について、自己疑念を持たれていることを感じています。

出典:「米国連邦議会上下両院合同会議における岸田内閣総理大臣演説
「未来に向けて~我々のグローバル・パートナーシップ~」」
(「首相官邸HP」2024年4月11日)

ようは「他人事みたいに、全体主義、共産主義を標榜するファシスト共とイチャコラして(大往生で自分たちだけ)逃げ切ろうとしてるんじゃねーぞ、老害ども、あ?」を、(目が笑っていない)笑顔でもの凄く(ビブラートではなく)オブラートに包んで丁寧に物申した形でしょうか、イギリス人や京都人とか、腹抱えて笑ってそう(個人の見解です)。

この自己疑念は、世界が歴史の転換点を迎えるのと時を同じくして生じているようです。ポスト冷戦期は既に過ぎ去り、私たちは今、人類史の次の時代を決定づける分かれ目にいます。

出典:「米国連邦議会上下両院合同会議における岸田内閣総理大臣演説
「未来に向けて~我々のグローバル・パートナーシップ~」」
(「首相官邸HP」2024年4月11日)

そして今回の演説、文章に落とした際の言葉遣いはさておき、文意の趣旨は岸田さんご自身でも検討・裁可されているでしょうから、後世、今現在の争乱が落ち着いてから見たら歴史の転換点として語り継がれる演説にもなりうるのではないか、と思いつつ、オチはこんな感じで。

ティターンズは、地球の重力に魂を引かれた人々で、地球の論理だけで革命を進めようとしているのだ。しかし、それは改革ではない。
地球に住む人と宇宙に住む人という階級だけを作り、その緊張感の中で、特定の人々だけが、利益を得る社会構造を作るだけである。
それでは、中世である。人に成長するなと言うに等しい。

ティターンズは、このような時でさえも、戦闘を仕掛けてくるのだ。この暴虐な行為は、かつての地球連邦軍から膨れ上がった組織が、逆らう者はすべて悪と称して、掃討しようという意思を持っている証明である。これこそ悪であり、人類を衰退させていくと言い切れる。

ティターンズは、この議会に自分たちの味方となる議員たちがいるにも拘らず、私ひとりの口を封じるために地球連邦府の象徴である議事堂まで破壊しようとしているのです!

出典:『機動戦士Zガンダム 第四部 ザビ家再臨』

「ティターンズ」を「ファシスト(左右問わずの全体主義者、共産主義者)」、「地球の論理」を「ファシズム、コミュニズム(全体主義、共産主義)」と読み替えると、ねえ、、と、以下のポストを拝見したこともあり、思い出してしまいました。

個人的に、フィクションであるからこそ、キャラクターたちの生き様や主義主張に理解できる部分があるのは確かですが、それでも、逆襲のシャアでのアクシズ落としはただのテロ行為だし、ハサウェイの最期も小説版のまま名も無きテロリストらしく銃殺刑でよいとの見立てです。

それにしても1986年(昭和61年)の時点でのこの仕込み、しかも小中学生向けのコンテンツ(アニメの中ではもっとコンパクトな言い回しになっているとはいえ)で、、富野由悠季監督、やっぱ凄い方だなぁ。

なんて、テロリストやファシストに主張などさせない、名前なども与えてはいけないと、あらためて感じながら。

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