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【読書メモ】『魂の在処』(著:中山雅史 / 時見宗和)
(磐田で)ともに一時代を過ごした中山雅史氏は「相棒の早すぎる旅立ちに悔しさしかありません。思い出は語り尽くせぬほど色々あります。強面のトトの表情に恐怖を感じていた方も多いかもしれません。ただ私には、メチャクチャ優しすぎる瞳の印象しかありません。ストライカーとしての素晴らしい技術を盗むことはできませんでしたが、ストライカーとしての気持ちの持ち方、ゴールに向かう姿勢、それはしっかりと今でも心に刻まれています。偉大なストライカーとプレーできたことは僕の財産として輝いています。心よりご冥福をお祈り申し上げます。最高のストライカー、トト・スキラッチ Ti Amo」と当時を振り返り、「相棒」の早すぎる死を悼んだ。
(「スポニチアネックス)2024年9月18日)
少し前になりますか、イタリアのスキラッチ選手が亡くなったとのニュースがありました。まだ59歳との若さ、ガンだったとの事ですが、寂しくなるなぁ、なんて思いながら、ジュビロ磐田でもプレイされてたよな、そういや、なんて『魂の在処』との一冊を思い出しながら。
批判がなければ成長はない
確か献本でいただいた一冊、“ゴン中山”の愛称で親しまれた中山雅史さんの言葉を集めた内容、といった所でしょうか。私の世代(アラフィフ)ですと“カズ”とともに、彼らの全盛期とJリーグ草莽期を重ねてみる人も多いのではないでしょうか。
Jリーグ以前から、何事に対してもそのガムシャラでひたすらに前向きなプレイスタイルが印象的な中山さんでしたが、、こちらはそんな彼にまつわるトピックが30本ほどまとまっています。文の長短がなんとも極端ですので、あちこちに発表されたものを集めたものかと思われます。
ただその内容は、いかにも中山さんらしいエピソードがてんこ盛りで興味深く。本人の言葉もあれば、時には周囲の人々の言葉もありますが、共通しているのは「常に全力で、前向き」であること。
(プロフェッショナルとは)サッカーに対する真摯な姿勢を見てもらい、共感してもらい、応援してもらうこと
その“魂”の全てをサッカーに捧げ、それをさらけ出している、理屈ではなくただ、人の心奥を揺さぶるような存在だと思います。
中山には自分が試合に出られなくてもチームをまとめる力がある
Jリーグが始まってから30年が過ぎ、、速さやテクニック、身体能力を比べればいくらでも巧い選手は出てきています、チームとしての戦略も比べようもないほど変わっていて、育成環境もプレイ環境も、スポーツとしての知名度も、、それこそ比べようもない位に恵まれるようになっていると、思います。
それでも、彼(とその世代)が持つ“魂の輝き”はまだまだ色褪せることなく、今は監督などの指導者として次世代に伝えて行ってるのではないでしょうか(カズが未だ現役なのも驚きですが)。
そして今は2026年大会に向けての最終予選真っ最中、3戦3勝で首位をキープと好調をキープしています、今のチームは多種多彩、才能豊かなメンバーが集まっていますが、今度こそ「決勝トーナメントでの勝利」をはたせるよう、頑張ってほしいなぁ、なんて思いながら。