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【読書メモ】『武器としての決断思考』(著:瀧本哲史)
民主政治は、論理的にあり得る政治形態としては「最善」と言えませんが、実在し得る政治形態の中では「もっともまし」です。それにもかかわらず、今なお民主政治よりも良い政治形態を追求できると確信している、または、本当はウソと知りながらもそのように標榜する人たちがいる
(「素朴な疑問vs東大」2022年10月25日)
記事内でも引用されていますが、イギリスの元首相・チャーチルの「民主政治は最悪の政治形態といわれてきた。他に試みられたあらゆる形態を除けば」という箴言は今の時代でこそ、あらためて知っておくべきではないかと。
なんて考えながら思い出したのが『武器としての決断思考』との一冊。著者の瀧本哲史さんは、2019年に47歳の若さでお亡くなりになっています。東大を卒業されて、亡くなる直前まで京大の産官学連携センターで客員准教授を務められていた方との事。
正解ではなく、「いまの最善解」を導き出す
初見は10年ほど前、図書館の新刊棚にあったのをサラッと。おりおりに挟まれている演習を省けば小一時間ほどで読めるとは思います。
成功体験のみを正解としてしがみつくのはハイリスクかなぁ、、と。また実体験から得た知識も大事ですが、それを時代時代で適合させていくには、なんてことも考えてみたくなります。
情報に接したら、それが本当かどうかをまず疑ってください
基礎学問が歴史学な身としてはこれはスルッと入ってきました。まず疑うこと、そして根拠を元に咀嚼し、自分の言葉で発酵させて、定着させる事、これは文理問わずに「学問であれば最初に求められること」と思いますが、最近はどうなのでしょうか、、息子にきいてみようかな。
さすがに「疑問=反抗」と短絡的にとらえるような大学教員はおいそれとは存在しないと思いたいところですが。そういった意味で「武器」と定義しているのは非常に興味深いです、ディベートは大事だなと。そして、専門バカは生き残れないとはコレもなかなかに深いです。
なお、個人的には不可逆的な政体はダメだと思います。そういった意味でも「民主政治は、他に試みられたあらゆる形態を除けば、最悪の政治形態である」とは確かにそうで、言い換えれば「永遠のベータ版」とも言えましょうか。
なお、全体主義、共産主義、独裁制など、その思想構造的に単一の価値観しか受容できないとの排他性にまみれた政治形態はこの先も到底許容できるものではないですね。
不思議と、それらを標榜する方々は「寛容性とか多様性、マイノリティを大事に!」なんて言う方が多いのですが、その時点で自己矛盾していることに気づかないのかなぁ、というのもまた、不思議に感じています。
なんのかんのと「広く会議を興し、万機公論に決すべし」を大事にしたいなぁ、とか思いながら。あとそろそろ『2020年6月30日にまたここで会おう』も読まないとかなぁ、息子の目にもつきやすいようリビングに並べておくかな、とかも考えながら。
余談ですが、人の営みなんてコレの積み重ねではないかな、とも。
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