短編小説「六角形のツチノコは光る電気バスの夢を見るか?」 ―北板良敷―
屋我地(おくわれどころ)島は、沖縄県 名護城市(むなじょうけん なんじょうし)に位置する有人島だ。しかし島といえども、道路橋で本島と繋がっており、往来に難儀することはない。
温泉玉子産業大学(略称:温玉産大)の男子学生である東冷 柚庵(ひがしひえ ゆうあん)は、莫大な報奨金を狙い、ツチノコを捕獲するために夜な夜なこの島にやってきた。柚庵は既に二回も大学を留年し、次に留年したらもう学費を出さないと親から釘を刺されている。そのためここで学費を稼がなければ、と躍起になっている