#Book Review1「今日、誰のために生きる?」ひすいこたろう×SHOGEN
あらすじ
日本で出会った1枚のペンキアートに感銘を受け、その日にアフリカ行きを決めて会社を退職。
ペンキアートが生まれた場所であるアフリカのブンジュ村で絵を学ぶ生活をすることに決めた著者のSHOGENさん。
ブンジュ村に住む人たちの感性や生き方、暮らし方は、
「まず自分を大切に、自分自身を愛で満たしてあげること」
「感謝を伝えること」
180°異なるアフリカでの暮らしに最初は戸惑いながらも、村で毎日過ごすうちに「なぜ自分は生まれて来たのか?」という問いの答えに辿り着きます。
また、驚くべきことにブンジュ村の文化は元々日本の祖先から受け継いだものだというのです。
「古来の日本人は土を踏みしめる足の感覚や、水をすくう手の形すら愛していた」「日本人は心の豊かさと、揺るがない心の安定を持っていた民族だ」
その中で、仲間と協力して生きることを最も大切にしていた日本人の心を知ります。
「問題は解決するために起きているのではなく、話し合うために起きている」
日本の神様たちは言葉を使って気持ちを伝えあい、信頼できる関係を作り、愛おしさでもって世界をつくっていたそう。
古事記の中にも「和平」という「平和」の語源が載っているように、平和を何よりも大切に育ててきた民族なのです。
SHOGENさんは、村長をはじめとする村人たちから「人の生き方の本質」を学び、帰国後は「日本人のすばらしさ」「幸せを感じる生き方とは」などのテーマを元に企業や学校へ向けて講演活動やワークショップを行っています。
ピックアップ
この本の中で面白いところは、何といってもブンジュ村での日本では考えられないような暮らしぶりです。
朝起きると、「おはよう。今日は誰のために生きる?」と声を掛け合う村人たち。
「今日は空を見上げられた?」
「お腹いっぱいになったら歌って踊ろうよ」
ひとつ行動をとってもそこに意味見出して、大切に大切に扱っている様子が、優しい言葉とともに描かれています。
また、喧嘩をすると一緒に海へ夕焼けを見に行って仲直りする文化があります。
オレンジ色の美しい夕焼けと海の境界線を見て、
「俺達には命がある、生きることができるんだから、もう終わりにしよう」と、手を取り合います。
圧倒的な自然を前にすると大抵の小さなことは許せてしまう人間の心理を突いた方法です。
まとめ
この本全体を通して、「周りを喜ばせるにはまず自分が歓喜している」ことが重要なのだと気付かされました。
自分の幸せ(My happy)=みんなの幸せ(Our happy)が成り立つことで、本来以上の力が発揮できると。
そのために、仕事上においてもまずは自分のゴールと会社のゴールをそれぞれ認識すること、そしてその2つが近くなっていくことで発揮できるパワーも大きくなっていくのではないかと思います。
普段自然に囲まれた生活ではないので、まるで自分がアフリカの村に入り込んだかのような臨場感を味わうことができる本でした。
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