ストレスフリーな生活を送るために行動心理士が『八正道』を語る📕Part4『正語(しょうご)』
前回お伝えした正思惟は”考え”、今回お伝えするのは”言葉”である。
嘘偽りなく、傷つけることなく、正しい言葉を使うことだ。正思惟と同じようにカルマの法則がそこには在るので、他者に対して使った言葉で後悔したり、罪悪感を感じたりすることで知られている。
・不妄語(ふもうご)・・・嘘を付かない
・不綺語(ふきご)・・・つまらないことや、お世辞が過ぎることを言わない
・不両舌(ふりょうぜつ)・・・仲違いさせることを言わない。人間関係を悪化させることを言わない。
・不悪口(ふあくご)・・・粗野であったり乱暴な言葉を使わない
言葉の管理ができない人のことを、お釈迦様は『口の中に両刃の斧が在る』と説かれたらしい。人の”舌”を斧に喩えたと言われている。
『言葉を制御しないと、自分も他人も破壊してしまう』ということだ。
日本のことわざにも、『口は災いの元』がある。
だったら、正しい言葉を語らなくてはいけないし、語ればいいだろう。しかし、大きな問題がある。正しい言葉とは何か?
お釈迦様が定めた【おしゃべり六箇条】
お釈迦様は、自分がどんな立場で人々に語っているかということについて、以下のように説明してる。
人が人に語る場合は、耳触りのいい優しい言葉を語るべきだ、という考えがる。
この考えに基づいて、
『釈尊(お釈迦様の別呼称)は必ず他人に耳触りのいいやさしい言葉のみを語りますか?』と聞かれたお釈迦様は、「そんな決まりはありません。時と場合によります」と答えられた。それから、言葉を発するときのお釈迦様の考え(方針・ポリシー)を詳しく語られた。
①耳触りが悪い、事実でもない。聴く人の役にも立たない言葉は語りません。
②耳触りがよいが、事実ではない、聴く人の役にも立たない言葉は語りません。
③耳触りが悪いが、事実です。しかし相手の役に立たないならば、語りません。
④耳触りがよいし、事実でもある。しかし相手の役に立たないならば、語りません。
⑤耳触りが悪いが、事実です。そして聴いたならば相手の役に立ちます。
そのような言葉を時と場合を見計らって語ります。
⑥耳触りがよく事実でもあります。聴く相手の役に立ちます。
そのような言葉を時と場合を見計らって語ります
要するに、聴く相手がよい気持になるか、気分が悪くなるかは、お釈迦様は気にしない。
たとえ聞きづらくても、人の役に立つ言葉を時と場合を見て語る。ここが”ミソ”だ。しかし、人の役に立つのだからといって、事実ではない言葉は決して語らない。
ポイントは、
言葉を通して与える情報が受け手の役に立つか否かを絶対的な基準とすべきである。
このような時代だからこそ、自身を見直す機会としたい。