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【つくるとわかる #5 ことばと色】 を開催しました!

9月8日(日)、東京は杉並区 阿佐ヶ谷で、「つくるとわかる #5 ことばと色」を開催しました。ことばの役割を色から、色の役割をことばから捉えるワークショップ。当日の様子を写真と共にお届けします!


今回の会場は、高田屋米店さんのおとなり

つくるとわかる シリーズについて

まずは、つくるとわかる とは?

生活の選択肢の一つにアートがある社会を構想し、先天的な能力や資本、経験と離れた空間で、アートとの接続機会を設計するユニットです。
「革命的なひらめきも、腑に落ちるうなずきも、つくることの先にある。」をコンセプトに活動しています。

鑑賞・製作・批評が同じ地平に拓かれるための方法として、対話や「つくる」に焦点を当てたワークショップ、技術を通して新たな視点と感覚に出会える場を生み出し、「鑑賞・製作・批評」の3つのスコープからアートに触れられる方向性の拡充を行っていきます。

一方向的な鑑賞から、参加への移行。社会階層に囚われない、アートを介した対話の尊重。
手を動かしてアートとつながる。抽象的だった「わかる」に、感情が伴う。「つくるとわかる」は、従来のプラットフォームや既存の尺度にとらわれず、人々とアートの間の交差点を拡げていきます。


つくるとわかる #5 ことばと色を開催しました!


今回のワークショップの舞台は、宮崎を飛び出し、東京・阿佐ヶ谷の高田屋米店さんのお隣。ドア周り以外に垂直がない、築96年の場所。今回のワークショップには、10-70代の12名が参加してくれました。

当日の阿佐ヶ谷の街は、お祭り一色


色から時間を考える

グループに分かれて着席し、ワークショップスタート!
まずは肩慣らしの2問。投影された写真から、時間を予想していきます。
1問目はカラーの写真3枚。空の色や街並みの色合いなど、「写真でわかること」をベースに、時系列順で並べ替えていきます。

とにかく話してみる

2問目は、色の情報がほとんどない白黒写真。「見たことがある光景」を思い出しながら、順番を考えていきます。言葉が持つ情報と、色が教えてくれることの手触りを掴んでいきます。

難関の2問目、白黒写真

肩慣らしが終わったらところで、いよいよ本編のスタートです!

ことばを「色」でほどく

今回は、「ことばと色」を考えるために、今泉礼奈さんの次の3句をテーマにして、ワークショップを行いました。

スカートの裾しぼりつつ夏の川
おでん揺れるエレベーターに入るとき
ケーキ詰めて箱やはらかし冬夕焼け

天の川銀河発電所 Born after 1968 現代俳句ガイドブック』- 佐藤文香 編著

まずは、グループで一句ずつ選び、その俳句から想起される3色を考えていきます。この俳句でのスカートって何色だろう、おでんの辛子はこの色、冬の夕焼けの青は少し淡いかも。
色を組み合わせてストーリーを表現する、名詞を表現できる色とバックボーンを探る。グループによって、色の組み合わせ方にも違いが出ていました。

冬の夕焼けの青はどんな色?

年代によって「ことば」に対するイメージが違ったり、人によって表現から連想する情景が異なったりと、色の名前だけでは「色の意味」まで共有するのは難しい。選んだ色と、「色の意味」を説明し合うことで、グループ内の世界観を擦り合わせていきます。

アートハントに出かけよう!

「色」のから俳句を捉えたあとは、阿佐ヶ谷の様々な場所で、俳句の情景やイメージを探していきます。彩度が高いハレの風景と、裏路地の日常が混和した街の表情を、俳句のスコープから覗いて、写真に収めます。

阿佐ヶ谷のまちに出かけよう

フィードバックとふりかえり

アートハントを終えた後は、会場に戻って各グループでふりかえり。提出する写真を選んでいきます。説明によって、なぜ選んだか?が腑におちる写真も多く、俳句という「ことば」と街の色を見て、初めて生まれる発見が多くありました。

このグループでは
どうしたら名詞を再現できるか?に
取り組んでいました

色でことばを捉えてみる、ことばから街を捉える。俳句から連想する情景を、手のひらに収めてみる。想像で描く景色を、写真と説明でつくってみる。
ペアやグループで考えるワークが主だった分、ふりかえりでは、「自分はどう捉えたか?」に注目してみました。

自分のことをふりかえるクロージング

まとめ

写真や絵画は、そこに写される色と形に、多くの情報を担わせることができます。海から太陽が覗いている写真があるとします。これは夕日かもしれないし、朝日かもしれません。それを説明できるのが「ことば」であり、一方で「ことば」によって限定されたものをひらくことができるのが、「色」「かたち」なのではないでしょうか。

色によって何かを説明したいとき、わたしたちは色に意味を担わせています。色に対する記憶やイメージが隣の人とは僅かに違うとき、「ことば」でその隙間を縫い合わせていく必要があります。俳句の捉え方を色で共有したい、色を共有したいから言葉で説明しなくてはいけない。このとき、色を介して「ことばでことばを説明する」が無意識のうちに行われていきます。
その動作を経て見た街並みと、これまで見てきた阿佐ヶ谷の街並みを比べたとき、すこしだけ何かが違って見えたら、面白いですよね。

「つくるとわかる」では、今後も「つくる」「わかる」に主眼を置いた企画を通して、住む場所や、得意不得意に左右されずに、誰もがアートエンジンを駆動できる機会を設計していきます。

今回は、株式会社novactさんに、会場の提供及び運営のサポートをしていただきました。ありがとうございました。
こちらの高田屋米店さんの隣の空間のハードを維持し、空間のソフトを動かす取り組みがこれから行われていきます。最新の動向は、株式会社novactさんのInstagramからご覧ください。

また、つくるとわかるの過去のワークショップの様子や今後のイベントの予定は、こちらのnoteにてシェアしていきます。次回は宮崎にて開催予定。おたのしみに!


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