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「からだ」という不思議な世界(スコトーマとRAS)

今、苫米地 英人 著  オーセンティック・コーチング を読んでいるが
その中のスコトーマ(心理的盲点)について、とても大きな気づきを得たので備忘録として残しておきたい。

あなたもこのような画像を見たことがあると思う。

その画像は白黒で、黒色の部分に焦点を当てると、ろうそくの燭台または王冠をかぶった王様に見えたりする。
一方、白色の部分に焦点を当てて見ると、人が向き合っているように見えるというものだ。

目の前にはそれがあるのに、見る人によって見え方が違うということだ。
これをスコトーマ(心理的盲点)という。

このあと、「スコトーマ バスケットボール」(又は、Invisible Gorillaでも)で検索すると出てくる心理的実験のことを書かれているが、本の中ではこの実験の詳細が書かれていなかった。

そこで私は実際に検索してみて動画を見てみた。
(著作権に抵触するかもしれないので、ここにその動画のURLは載せない)
「スコトーマ バスケットボール」又は、「Invisible Gorilla」で検索すると出てくる。

画像があまり良くなく、しかも外国語だったので正確には把握できていないかもしれないが大体次のような内容だ。

白いTシャツと黒いTシャツの男女がバスケットボールのパスをする。
白いTシャツのチームは何回パスをするかと最初に言って始まる動画だ。

すると人は白Tシャツのパスに食い入るように見る。
そして動画が終わった後に、パスした数が発表され、正解して安堵する。

すると
「ところでゴリラの着ぐるみが出て来たがあなたは気が付きましたか?」と問われる。

バスケットボールのパスに集中していたから、ゴリラの着ぐるみが通ったのを見逃した人が多数いたという心理的実験だ。

「白Tシャツの人のパス」だけに注目したため、他のものは見えているのに見ていなかったということだ。

この話はここで終わっていたが、私はその後、この続編のような動画をたまたま見た。

今度は最初からゴリラも意識して見たために見逃さなかった。
どうだ、やったぞ。

そう思っていたら、「途中で黒色の人が画面から抜けて、更に終わりころにはバックのカーテンの色が変わったが、それに気が付いたか?」と問われた。
私はそれに全く気が付かなかった。

人間の生活に思い込みや錯覚が大きく影響していることを証明するこの実験は、
いかに人は思い込みで見ているのかを知らされ、自分の「見えている、分かっている」は曖昧なことだと思い知らされた。

スコトーマはなぜ発生するのか。

私たちの脳の基底部にはRAS(Reticular Activating System)という情報のフィルターのようなもの(網様体賦活系)がある。
RASは本来、脳を活性化させるもの。

スコトーマはRASによるものだ。
と言うと、RASによって見えなくなっていると誤解されてしまうが、正しくはRASによって「見えなく」させているのではなく、「重要なものを活性化させている」だけなのだ。

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本来、人がモノを見るとき、網膜に映ったものはすべて取り込んでいます。
ただし、その時の重要度によって何が見えるかが変わってきます。
要は、意識と無意識の間に介入し、選択的に見せるシステムがRASなのです。
***苫米地英人 著 オーセンティック・コーチング から***


つまり、このシステムは、重要な情報以外は見ることができないということではない。
私たちは全てのものを見ていて、RASは見ているものの中で、「重要なものを活性化している」だけで、つまり、重要な物だけを意識に上げ、重要でないものは意識下にして活性化していないだけなのだ。


ところで私は、最近になってスコトーマという言葉・現象を知ったのだが、無意識にスコトーマの良い点を会社で活用していたのだと気が付いた。

どういうことかと言うと、私は経理の最終チェックの段階で、勘定科目、税区分、部門、これらが抜けていないかを再度目視でチェックしている。

私は一度にこの3つをチェックしていくよりも、まずは勘定科目だけに注意を払って伝票をチェックし、それが終わったら税区分だけを注目して同じ伝票をチェックし、最後に部門だけを注目してチェックしていった方が、私の場合は正確に早くできることを発見し、それをこれまでしてきた。

これはつまり、スコトーマをうまく活用してきたのだと今回、この本を読んで気が付き、心が震えた。

スコトーマという現象も言葉も知らない数十年前から私はスコトーマを良い方に活用していたのだと分かり、驚いた。

一度に多くの物に注意を払えないのは自分だけの特性なのかと思っていたが、これは「スコトーマ」という現象でRASが働いているからだと知り、腑に落ちた。


普段、何気なくしている行動は「からだ」という不思議な世界で繰り広げられている。
その原理をまた一つ知ることができ、学ぶ楽しさを感じている。




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山田ゆり
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