来るもの拒まず お見合い【音声と文章】
山田ゆり
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高卒で入社したのり子の勤務先は毎年人事異動があり、都会から男性社員が異動してきた。
行動範囲が狭いのり子だったが、その都会的雰囲気の男性達を何人も見るうちに、理想の男性像はどんどんレベルアップしていった。
のり子が20代前半の頃、ご近所の方で着物販売の会社に勤めている方がいた。その方はのり子の母親と同じくらいの年代の女性で、時々、お見合いの話を持って来た。
毎日仕事が面白くて結婚なんて全く興味がないのり子だったが、お見合いの話が来た時は、全てお受けしていた。
お見合いをお断りしたら「あそこのゆりさんは、いい気になっている。」と言われるかもしれないと思ったからである。
また、のり子は「来るもの拒まず」の精神だったから、お見合い話は毎回、お受けしていた。
しかし、数人とお見合いをしてみたが、全く結婚相手として見ることはできなかった。
のり子は会社で都会的雰囲気のする男性陣を多く見ている。
姿かたちがシュッとしていて大人に見えた。服装も派手ではないが流行も取り入れていて、手入れの行き届いた格好をしていた。
また、趣味をいくつか持っていてスポーツもされている方が多かった。
それに比べて地元の男性とのお見合いは退屈だった。
服装は自分の良さを引きだたせるような工夫が全くされていない。
ただ単に、スラックスとポロシャツという格好だった。
お見合いした夜に、中に入って下さったおば様から電話が入る。
のり子は「一度会っただけでは分からない。」とお答えすると「では、今度、二人であってみて」と提案され、喫茶店でお話をしてその後ドライブという流れにいつもなっていた。
お見合いの相手に休日何をしているかと聞くと、ただぼんやり過ごしていると言う。将来、どうなりたい?と聞いても特に考えていないと言う。
会社できびきびと働き話も面白い、そんな男性陣を何人も見ているのり子は、お見合い相手に対して何も魅力を感じることはできなかった。
だからお見合いは、お見合いを含めて2回だけ会ってそれで終わるケースがほとんどだった。
ある時またそのおば様からお見合いの話が来た。
来るもの拒まずののり子はいつも通りお見合いをした。
残念ながら相手はやはりいつもと同じレベルの方だった。
特に好きなことはない、本は読まない、休日はテレビを見て、漫画を見てそれで終わり。
のり子には男性は好きなスポーツがあるものだという偏見があり、聞いてみると取り立ててスポーツはしていないし、ごひいきの選手もいないという。
何かを勉強していることもない。
夜におば様から電話が来て「少しだけ会っただけでは分からない」といつもの言葉を言った。
少ししておば様から電話が来た。
のり子の結婚相手の基準には全く当てはまらない人だったからお断りしようかなと思った。
しかし、優柔不断なのり子はやはり「一度会っただけでは分からないものだ。もしかして会っているうちにその人の好さが分かるかもしれない」そう思い、もう一度会った。
2度目に会った夜におば様から電話が来た。おば様に「どう?」と聞かれた。
のり子は「一度や二度会っただけではその人がどんな人か分からない」とお答えした。
のり子はどうしようかと迷った。
人は一度や二度会っただけでは分からないものだ。
会っているうちにその人の好さが分かってくるかもしれないと思った。
のり子はもう一度会いますとお答えした。
すると「もう一回会う場合、キメザケをするという条件がある」とおっしゃった。
のり子は「キメザケ」の意味が分からなかったが、会わないうちは分からないから、相手に会う条件である「キメザケ」を承諾した。
そして、お見合いを含めて四度目にその方にお会いする日がやってきた。
その日は先方のお宅に招待された。
通された座敷を見てのり子は驚いた。
長くなりましたので、続きは次回にいたします。
※今回はこちらのnoteの続きです。
↓
https://note.com/tukuda/n/nfc902c3368dd?from=notice
※note毎日連続投稿1800日をコミット中! 1790日目。
※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。
どちらでも数分で楽しめます。#ad
~来るもの拒まず お見合い~
未来を知るためにネガティブな過去を洗い出す
行動範囲が狭いのり子だったが、その都会的雰囲気の男性達を何人も見るうちに、理想の男性像はどんどんレベルアップしていった。
のり子が20代前半の頃、ご近所の方で着物販売の会社に勤めている方がいた。その方はのり子の母親と同じくらいの年代の女性で、時々、お見合いの話を持って来た。
毎日仕事が面白くて結婚なんて全く興味がないのり子だったが、お見合いの話が来た時は、全てお受けしていた。
お見合いをお断りしたら「あそこのゆりさんは、いい気になっている。」と言われるかもしれないと思ったからである。
また、のり子は「来るもの拒まず」の精神だったから、お見合い話は毎回、お受けしていた。
しかし、数人とお見合いをしてみたが、全く結婚相手として見ることはできなかった。
のり子は会社で都会的雰囲気のする男性陣を多く見ている。
姿かたちがシュッとしていて大人に見えた。服装も派手ではないが流行も取り入れていて、手入れの行き届いた格好をしていた。
また、趣味をいくつか持っていてスポーツもされている方が多かった。
それに比べて地元の男性とのお見合いは退屈だった。
服装は自分の良さを引きだたせるような工夫が全くされていない。
ただ単に、スラックスとポロシャツという格好だった。
お見合いした夜に、中に入って下さったおば様から電話が入る。
のり子は「一度会っただけでは分からない。」とお答えすると「では、今度、二人であってみて」と提案され、喫茶店でお話をしてその後ドライブという流れにいつもなっていた。
お見合いの相手に休日何をしているかと聞くと、ただぼんやり過ごしていると言う。将来、どうなりたい?と聞いても特に考えていないと言う。
会社できびきびと働き話も面白い、そんな男性陣を何人も見ているのり子は、お見合い相手に対して何も魅力を感じることはできなかった。
だからお見合いは、お見合いを含めて2回だけ会ってそれで終わるケースがほとんどだった。
ある時またそのおば様からお見合いの話が来た。
来るもの拒まずののり子はいつも通りお見合いをした。
残念ながら相手はやはりいつもと同じレベルの方だった。
特に好きなことはない、本は読まない、休日はテレビを見て、漫画を見てそれで終わり。
のり子には男性は好きなスポーツがあるものだという偏見があり、聞いてみると取り立ててスポーツはしていないし、ごひいきの選手もいないという。
何かを勉強していることもない。
夜におば様から電話が来て「少しだけ会っただけでは分からない」といつもの言葉を言った。
少ししておば様から電話が来た。
のり子の結婚相手の基準には全く当てはまらない人だったからお断りしようかなと思った。
しかし、優柔不断なのり子はやはり「一度会っただけでは分からないものだ。もしかして会っているうちにその人の好さが分かるかもしれない」そう思い、もう一度会った。
2度目に会った夜におば様から電話が来た。おば様に「どう?」と聞かれた。
のり子は「一度や二度会っただけではその人がどんな人か分からない」とお答えした。
のり子はどうしようかと迷った。
人は一度や二度会っただけでは分からないものだ。
会っているうちにその人の好さが分かってくるかもしれないと思った。
のり子はもう一度会いますとお答えした。
すると「もう一回会う場合、キメザケをするという条件がある」とおっしゃった。
のり子は「キメザケ」の意味が分からなかったが、会わないうちは分からないから、相手に会う条件である「キメザケ」を承諾した。
そして、お見合いを含めて四度目にその方にお会いする日がやってきた。
その日は先方のお宅に招待された。
通された座敷を見てのり子は驚いた。
長くなりましたので、続きは次回にいたします。
※今回はこちらのnoteの続きです。
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