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心も真夏から秋へ【音声と文章】

山田ゆり
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ガタンゴトン、ガタンゴトン。ガタンゴトン、ガタンゴトン。
ブーン。
ゴトンゴトン、ゴトンゴトン。ザー。

始発の電車が通り、やがて陸橋を駆け抜ける音が遠くに聞こえる。

そうか、もうそんな時間か。

四方八方に開け放した窓からは虫の音が競うように聞こえる。
今朝は東側の軍団の勝ちかな。

赤ちゃんが泣きだし、あやすお母さんの声が聞こえる。


遠くで山鳩が、ホッホーホホーッと鳴いている。
私が小学生の頃、家で鳩を飼っていた事を思い出す。

貧乏だったあの頃、鶏・豚など食用の生き物を両親は飼っていたが
なぜ食べられもしない鳩を飼っていたのかは知らない。

ホッホーホホーッ。ホッホーホホーッ。
あの頃の私はその声を聴きながら布団の中でうとうとしていた。



ひんやりした風が白いカーテンを揺らす。



あの頃に戻りたい。

ふっと、そんなことを想う。
何も心配することもなく布団の中にいつまでもいられた幼少期に戻りたい。


お母さんの作ったお味噌汁が飲みたい。
鮭やホッケなど、必ず食卓には焼き魚がテーブルの上に上がっていた。
お母さんの作った、砂糖がたくさん入ったライスカレーが食べたい。



今も十分幸せなのに昔を懐かしんでしまうのは、季節と一緒に心も真夏から秋に移り変わったからかもしれない。





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山田ゆり
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