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雪解けの頃

『許さない。でもずっと待ってるね』

雪の降る展望台で

アナタの頬に触れた。


乾いた“”と共に


アナタの頬は



紅く染まった。



心に積もった“雪”

降り注いだ“雨”

私のをかき消した。

この

届いただろうか。


ヒトはどうせ忘れていく。

生きる為に

己の心を守る為に

自己を肯定する為に

過去を否定しないうちに。


あんなに沢山笑ったのに

あんなに心が踊ったのに

あんなに泣いたのに

あんなに好き“だった”はずなのに。


あの日結んだ“口約束”は

“解けて”

過去に消えていく。


雪が解けた頃に

春の背中を捕まえた頃に

桜のつぼみが膨らむ頃に

菜の花が風に揺れる頃に


過去から巣立って

今日”に立つ。


雲が抜けて


今日はいい空だよ


返事は要らない



あの日の約束は



展望台に



置いてきたから。


花が笑っている


“スイートピー”

    

 春の風に揺れていた


そうね


アナタの花言葉も


〖あなたの愛の伝え方〗

(2022/03/21)






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