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【元教師の視点】子どもが「学校に行きたくない」と言ったらまず確認する4つのチェックポイント

みなさんご存知かとは思いますが、日本における義務教育の不登校児童・生徒の数は、超増加傾向にあります。

過去最多を更新し続け、10年前に比べて中学校においては、5倍、小学校においては2.2倍という数字もあります。

私が中学校で担任をしていた頃も、35人学級で不登校が1~2人なら少ない方、3人が平均、4人いたら多いと感じるというのが実感でした。

クラスに3人ということは、つまり、不登校は「左利き」と同様の確立で存在している、ということです。我が子がある日、「学校に行きたくない」と言ってもなんら不思議はないのです。

我が子が「学校に行きたくない」と言ったら

「学校に行きたくない」。ある朝、子どもがそう言ったとき、親としてどんな対応をすればいいのでしょうか。

風邪かな?疲れてるのかな?と、まずは体調を気にするかもしれません。でも、多くの子どもたちを見てきた経験から言えるのは、「学校に行きたくない」という言葉の裏には、 単なる体調不良だけでなく、心のサインが隠れていることが多い 、ということです。

「友達にからかわれた」「授業がわからなくなってきた」「発表で失敗するのが怖い」——こうした小さな不安が積み重なり、ある日ぽつりと「行きたくない」と口にする。これが、よく目にした不登校の始まりパターンです。

とはいえ、親がすぐに「学校に行きなさい!」と叱るのも、「休んでいいよ」と安易に受け入れるのも、どちらもリスクがあります。なぜなら、一口に不登校と言っても、その原因や程度など千差万別であり、ケースごとにふさわしい対応は全く異なるからです。最も大切なのは、子どもが「なぜ学校に行きたくないのか?」その原因を冷静に見極めることです。初動を誤ると、余計に不登校を長引かせたり、あるいは、子どもの怠惰を助長する結果になりかねません。

そこでこの記事では、元教師の視点から 「子どもが学校に行きたくないと言ったときにチェックすべきポイント」 を解説します。もしかすると、見過ごしていたサインに気づくきっかけになるかもしれません。


不登校対応のためのチェックポイント

❶身体面のチェック

まずは、身体面(体調面)のチェックを行います。子どもは口で説明することが下手な分、体調の変化は、非常に重要な手掛かりとなります。例えば、以下をチェックしてみてください。

✅ どんな身体的不調を訴えているか?
✅ 休日にも同じ症状があるか?
✅ 朝と夜で体調が極端に違うか?
✅ 食欲はあるか?
✅ 夜は眠れているか?

ここで一番まずい対応は、腹痛、頭痛、発熱などの体調不良があった場合に、体が元気になりさえすれば何も問題ない、とたかをくくってしまうことです。

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