認知症状が出始める前に良い行動習慣を身につける
月盛です。
朝のニュースで、これからの老人の3割強に認知症状出る可能性があると報告されていました。
老人の入口にいる自分には嫌なニュースです。
前職が介護施設でしたので、利用者さんのほとんどが認知症状で苦しんでおられました。
ご本人はもちろんですがご家族さんの困惑も大きく、色々な説明をさせて頂きました。
認知症の予防は?
食べ物、運動とか医学的な事を含めて様々な意見が発表になっています。
何十人とお世話させて頂きましたが傾向を出すのは難しいです。
確実なデータとしては「習慣化している行動しか残らない」ということです。
どんなに外で立派にふるまってこられた方も、それは理性が発動されての事で、認知症になってしまうと普段の習慣になっている自分が残ります。
理性とか建前とかは消えていきます。
極端な例ですが「先生」と呼ばれる方々は普段の欲望を理性で抑えている方が多く、認知症状が進んでくると抑えていた気持ちがどっと出てきます。
模範となる気持ちが大きかった分、無茶をするようになります。
「こんな父ではなかったのに・・・」とご家族さんはがっかりとされます。
「今まで立派に役職や家長を務めてきた証拠です。労わっていきましょう」
決して前も今もその方の嘘では無く、潜在意識とかが混ざってしまうのです。
そうなんです、認知症状が出始めてしまうと新しい事を習得するのは至難の業です。
「お薬を食事の後に服薬する」これを定着させるのにも何か月もかかります。
食事の時間の管理が出来なくなってきて食事の後という概念が無くなってくると、こんな簡単な事の意味が通じなくなります。
枕元に食事の時間や注意事項を書いて貼りだしていても、それを気にする習慣が無いとすべてゼロなんです。
なので一番の予防は「良い行動習慣を身につける」です。
毎日習慣化していた行動は意味とかは関係なく残るようです。
≪例として≫
*Aさん:(専業主婦)奇麗好きで食事が終わったらすぐに片づけて洗います。 もう何十年もそうしてきたのでしょう。 ちょっと目を離すと水を求めて目についためだかの水槽でも食器を洗ってしまいます。 これは水槽では洗わないっていう常識よりすぐ洗うっていう習慣が勝っています。 テーブルの上も奇麗にするのでふきんや調味料も近くの靴箱にしまいます。
こういうふうに良い習慣でもご家族さんを困らせますが、とりあえず悪い習慣だけでも無くしていくように努力は必要かと思います。
*Bさん:(学者)よく廊下にうずくまっていて訪問客を待っています。 通りかかった女性が大丈夫ですか?と声をかけると突然抱き着き押し倒します。 もちろん職員がさりげなく阻止しますので未遂に終わりますが、最初の頃は私達もまだ理解していなくて・・引き剝がすのに苦労しました。 病院でも毎日懲りずにやっていたそうです。
*Cさん:食事中でも、娯楽中でも床になんでもポイポイと物を投げます。 ゴミ箱を近くに置いてもゴミ箱の意味は入りません。職員が根気よく教えまして、たまたまゴミ箱が目に入れば入れれるようになりました。10回に1回ぐらいでしょうか(笑)
まだまだ上げればきりがありません。
長くなりすぎました。
(定点観察はまたにします)
それではまた明日!