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#60 老後のダイエット*理性が働かなくなった時にどんな言葉が残るのか

月盛です。
朝方に見た夢はとてもほんわかとした幸せな感じの・・・しかし内容は全然覚えていなかったけれど一日がいい感じで始まったのはたしかです。
良かった。

6:20

玄米スープ・冷奴・めかぶ・かに玉あんかけ・ミニトマト
226カロリー

玄米スープは昆布と梅干しを入れて煎じていたけれど梅干しが無くなって、ヒマラヤ塩を入れてみました。
凄く合っていて美味しい~。

父は「身体にいい」と聞くと試したがる人でしたが、用意をするのはいつも母ですから何かが始まると母は眉間にしわをよせて「・・・」でも黙ってちゃんと準備をしていました。
人参の擂りおろしが良いと聞くと何処からか大量の人参を調達してきて「これ」と母に押し付けるように渡していました。
そして毎朝小さなそばちょこのような器にこんもりと赤い人参が出てくるのです。
そこに塩をパラパラと振り掛けるのは自分でするのですが、しょっぱくしたくないのか慎重に掛けては食べまた掛けては食べて首を傾げてまた掛けるというもどかしさです。
最後まで気に入った配分にならずに人参を食べきった時は少し不機嫌に新聞をバサバサと音をたてて畳んだりしていました。
おかげで私はその青臭い匂いですっかり人参が嫌いになりました。
今日、スープにパラパラと塩を入れている時に、ふいに父の指先を思い出しました。
そのせいか私は一度塩を振り掛けたら味が無かろうがしょっぱくなろうが二度目は無いときっぱりした気持ちになりました(笑)

12:50

雑穀ご飯・目玉焼き・ウインナー・茄子ポン酢漬け・ほうれん草のポタージュ・ミニトマト
700カロリー

父は物静かな人でしたが時々出てくる言葉に「どこからその考え?」と思うようなことがたくさんありました。
ある日母が「子供たちも大きくなってきたから皆で出掛けたりするのに車の免許があればいいね」と父に話しかけました。
バイクでの移動だった父は「どうせお前たちにいいように使われるだけだから免許は取らない 俺は困らない」と答えました。
母は私の方は見ずにさっさと台所に行ってしまいました。
父は詩人でしたが本の中の父親や家族は暖かく小さな喜びを見つけて寄り添うように描かれていました。
読者からの手紙には「こんな優しいご両親に囲まれて幸せなご家庭ですね」などと書かれていて私の中には反発心が大きくなるばかりでした。
それなのにこの頃、父の靴を履くときのちょっと斜めの背中とか風邪のときの額にあてた手の影とかを思い出します。
思うのはしゃくですが、なぜかちゃんと守られているような気もするのです。


18:30

温野菜玉ねぎピーマンレタス・キウイ・マンゴーラッシー・ミニトマト
347カロリー

間食     牛乳    110カロリー
合計     1383カロリー     
歩数      278歩

体重     63,8キロ
体脂肪率   41,0%

父は晩年にはすっかり色々な事を忘れてしまい少し困ったおじいさんになりました。
自転車で出て行き隣町の田んぼの小屋で寝てしまい大捜索になったり、スーパーで知らない人について行ったりで目が離せなくなっていきました。
私はとうに忘れられて「どなたさんだか親切にしていただいて・・」と頭を下げられましたが、母の事だけは最後まで忘れずに目の前で文句を言っていました(笑)

施設でもそうだったのですが、段々皆さん言葉が無くなりお話されなくなります。
最後どんな言葉が残るのか・・・「ありがとう」と「ばかやろう」では随分違いますよね。
理性が働かなくなった時に優しい笑顔と優しい言葉に残ってほしいです。

それではまた!

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