7月
7月です。はやいです。
7月になったら絶対読もうと思っていた本『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』
なんでかと言うとこの本の始まりが7月1日からなんです。
どんな本かと言うと、「ふたりの高校生に歌人ふたりが成りかわり、それぞれの七日間を短歌で描きました。」(帯より)という具合に木下龍也さんと岡野大嗣さんの2人が高校生に成りかわりそれぞれの視点で描いた短歌集です。
息を吸うように高校生の日常が描かれていて短歌っていう31文字とは思えないくらい濃密な世界が広がっていて読んでるとその世界に吸い込まれそうになる一冊です。
短歌っていう文化の奥ゆかしさを感じるし、31文字で情景が浮かんでくるのがとにかくすごいなと。
正直いうと、ポカリスエットのCMに描かれるみたいなあの青春ってキラキラ!みたいな世界が大っ嫌いなんです。
キラキラした記憶ってあるとしたら教室の窓から見えた空が異様に眩しく見えた夏休み前とかそんな程度でそれ以外は何か変えようともがいたって変わらないし結局自分って何にでも無いんだなっていう毎日ではないかと。
ここは個人的な考えですが、青春に必要なのはキラキラじゃなくて、どうしようも無い閉塞感と何をしたって変わらない絶望感だと常々思っています。
18歳の夏とか選ばれしものしか体験できないしなんなら殆どが受験だなんだでそんな遊んでらんないし。
この本にはそんなキラキラじゃなくてよくあるようでどこにもなさそうなそんな高校生活が描かれていて読んでると息がしやすい世界です。
まだ1日目。これから1週間彼らの世界を覗き穴から覗いていきたいと思います。
しかも今年はこの本の曜日と現実世界の曜日が全く同じなので1番この世界と近い7月というのにワクワクが隠せなくて朝からテンション高かったのはここだけの秘密。