【料理】秋の味覚、『栗』を初めて茹でてみたが…?【博打】
いよいよ秋がやってきた。
スーパーには続々と秋の味覚が並び始めて……いるような気もする。
並んでいる商品を見ていると、その中に調理前の栗があった。
まあ今やいつでもパック入りの剥き栗が食べられる世の中だし、特段秋になったからといって食べるものでもなくなった感はある『栗』。
自分は旅行に行ったときなんかに『焼き栗』の出店なんかを見たときは、なんだか無性に買いたい気持ちになっちゃうのだが、思えば自分で栗を調理しようと思ったことはなかった。
……これも良い機会だ。試してみよう。
そんなわけで、こちらがスーパーに売っていた栗である。
そこら辺のパック剥き栗とは違い、とても大きくて食い出がありそうだ。
だがお値段もなかなかのもので600円くらいした。普通に高い。
(焼き栗が高いのは仕方なかったんだな…)
ところで焼き栗しか知らなかった自分にとって衝撃だったのだが、栗は茹でたり蒸したりすることもあるらしい。
というわけで、今回は初めての『ゆで栗』に挑戦しようと思う。
……まあ挑戦もなにも、塩を入れたお湯で煮るだけらしいが。
そして塩が無いことが発覚する。
まあそもそもアジシオでいいのかという疑問はあるが、今は朝の4時。
買い物とか絶対行きたくない。
なんかないかな……
あ、塩がなくなったからということで買ってきた岩塩があった。
……もうこれでいいか。
どこぞのレシピで1Lの水に対して9gの塩と言っていたのでそれに従う。
何やらゆで栗はこの工程によって塩味がほんのりつくことで、甘みが増すという。
スイカに塩をかけるのと同じ理屈らしい。
茹でられる栗たち。
そういえばちょっと不思議なのは、さっき水に浸けていたときは6個ほどが沈んでいて他は全部浮いていたのだが、煮えた塩水の中では明らかに沈んでいる数が増えていることだ。
塩分が濃い死海は人が浮くというが、この塩水もそれと同じように、浮く数は増えても沈む数が増えるわけがないと思ったのだが……。
まあいいか。
さて、途中で5個ほどお湯から上げて、これは焼き栗にしてみる。
なんと焼き栗はちょっと切れ目を入れてオーブンで焼くだけらしい。
ゆで栗との比較用に作っておこう。
さてさて、そんなこんなで40分煮た。
もうこの時点で面倒くさがりな自分は二度とやらんわという気分になってきているわけだが、もう少し頑張ろう。(noteの記事にするために)
茹で上がった栗を取り出して、包丁で切っていく。
このニトリかなにかで買った新生活1000円セットの中に入っていた包丁を使い続けてもう3年になるが、いい加減まともな包丁に新調したほうが良いかも。
今回はどうにか腕力で切り開く。
おお……!
なんだか黄色くて美味しそう!!
じゃあこれをスプーンで取り出していくぞ!!
面倒くささをこらえつつ、スプーンで掘り出していく。
ゆで栗はホクホクしていてとても柔らかく、まるで焼き芋みたいな印象だ。
んじゃさっそく一口。
(ハムッ……)
うん、おいしい!!
食べる面倒さは凄まじいが、普通にホクホクしていて甘みもある。
いやまてよ? そういえば塩味はどこへ……?
……まあいいか。
そうだ、焼き栗とも比較してみよう。
焼き栗はどんな感じだったかというと、なんだかちょっと加熱が足りてない感があった。
なので追加で加熱もしたが、甘みもなく、ホクホク感もなく、正直言ってこれは失敗である。
やっぱりオーブントースターじゃ駄目なのか……?
ちょっと残念な気分になりつつ、スプーンで茹で栗をほじくる作業へ戻ることにする。
・・・・・・
いや〜……
面倒だねこれは。
さっき「おいしい」と言っておいて何だが、ここまでの面倒さと釣り合っている美味しさかといえば正直そんなことはない。
……そして皆さんにはしっかりと伝えねばならないことがある。
『栗には当たり外れがある』ということを。
いや食べられない栗が多すぎるんだが……?
そして思い出す。
水に浸けた際に6個しか沈んでいなかったことを。
こういう浮き沈みで思い出すのは、お米作りにおける種籾の塩水選だ。
塩水選は明治に開発された方法で、良質な種籾を選別する際に用いられる。
そして塩水選において、浮いてる種籾はNGなのだ。(サクナヒメ知識)
それと同様に、栗においても浮いているものは問題があるらしい。
先程のアレな茹で栗のように、中に空洞があったり、乾燥により状態が悪化していたり、デンプンが少なくて甘くないものが浮いてくるのだ。
つまり、20個中6個しかまともな栗はなかったってこと……?
かつてシャインマスカットについて述べた記事の中で、自分は果物のギャンブル性がホントに勘弁して欲しいと言った。
しかし栗もまた同じようなギャンブル性を帯びていたのだ。
今回の栗で言えば、まともなものは20個中6個だから、良品は3割。
というか1袋600円だったから、つまりは栗1個が100円ってこと!?
あはは……
(もう二度と買わんぞ…!!)
そんなわけで、自分は栗を自ら調理することから卒業します。
そしてありがとう、『甘栗むいちゃいました』を作ってくれているクラシエフーズ。
自分でやってみて、栗の調理がいかに手間がかかるかを実感したよ……。
自分でできることは大事だ。
しかし時には人に任せることもまた大事なのだ。
だから栗に関してはプロに任せよう。
煮るのも焼くのも剥くのも、正直自分には耐えられない手間だ。
果物を越えてそうなギャンブル性もまた然り。
残念な結果ではあったが、これも学びだ。
秋はまだ始まったばかり。
めげずに挑戦して、肥えていきたいと思う……!