【夏】思った以上の富岳風穴の冷気に魅せられる【青木ヶ原樹海】
前回は富士登山に行けなかった悲しみを樹海に向けることにした。
さてさて、富岳風穴へ向かって歩き出したわけだが、ここに来るにあたって用意したものがある。
『温湿度計』だ。
こちらの温湿度計は5秒毎に周囲の気温と湿度を測ってくれるらしい。
……まあ事前に我が家の温湿度計たちと比較した結果、暖かい場所から冷たい場所に移したときの気温・湿度の反映にはそこそこ時間がかかることが判明しているのだが、ないよりはマシということで。
(しかし一人暮らしなのに温湿度計を4つも持っている自分だが、また新たな温湿度計が加わるとは……)
さて、風穴への道はしっかり整備されているが、一応ここも青木ヶ原樹海である。
土壌的に成長が遅くなるからなのか、単に若いだけなのかは不明だが、周囲の木は確かに細い気がする。
こうやって木を見上げる瞬間がなんだか好きだ。
久々の自然にテンションは上がりまくりである。
そんなこんなで歩いていくと、森の中にチケット売り場が見えた。
(まさか青木ヶ原樹海の中にこんなものがあるとは)
今回は富岳風穴と鳴沢氷穴の2つを見たいので、共通券を購入。
そういえば、樹海に入ってからはちょっとだけ涼しくなった。(26℃)
やはり樹木が陽の光をそこそこ遮ってくれるからなのだろう。
そしていよいよ富岳風穴の入口へ到着。
一体どれくらい涼しいのだろうか?
思えばこんな感じで洞窟に入っていくのも久しぶりだなと思いつつ階段を降りていく。
……!?
すると、とある段数で明確に冷気を感じるようになった。
しかもなんだか想像以上にめっちゃ涼しい!!
昔の人はこの現象に遭遇したとき、一体何を思ったのだろうか。
なにせ洞窟に入ろうとしたら、日陰とかそういうレベルじゃない冷気が突然襲ってくるのだ。
これに対して昔は、入ってはいけない境界や、異世界の入口めいたものを感じていたのやも……!?
進んでいくと、『氷の池』があった。
昭和初期までこのあたりの氷を関東に出荷していたそうだ。(普通に溶けそう)
……正直もう池と言えるほどのスケール感はないが、氷が形として残っているのだから本当にこの中は気温が低いのだろう。
ただ、思っていたより極寒というわけでもない。
かつて紋別でマイナス20℃を体験したときは防寒具がないとアウトだわこれと思ったものだが、ここは半袖短パンでも問題ない。(現にそういう人は多い)
なお、洞窟内はかなりの天井の低さを感じる場所もあるので、帽子などを被りつつ警戒しながら進んだほうがいい。
岩に当たると痛いぞ!!
進んでいくと天然冷蔵庫ゾーンが登場。
ではここで何を冷やしていたかといえば、蚕の卵である。
蚕の卵を冷やすことになんの意味があるんだよと思ってしまった自分だが、どうもこうやって冷所に保管することで羽化の時期をずらすことが可能なようで、通常では年1~2回しか飼えない蚕を年3~4回飼育することが可能になったようだ。
実はかつての農家にとって蚕は救世主だったというのは親からもよく聞かされている。
こんな工夫があってこその日本の養蚕業だったんだなあ……!
そういえば展示に熱中しすぎて一切気温の確認をしていなかった。
どうやら現在の気温は16.7℃のようだ。
とはいえこれはリュックに吊り下げているので、自分の体温の影響をかなり受けていると思われる。
洞窟内は0℃になると公式サイトには書いてあるし、実際洞窟内にちゃんと氷が残っているのだから、気温はちゃんと一桁レベルなのだろう。
そんなわけで、富岳風穴の入口へと戻ってきた。
温湿度計は14℃を示している。
夏とは思えない快適さを提供してくれる素晴らしい場所だった。
洞窟を出ると、外の世界の明るさにちょっと感動。
で、盛大にメガネが曇る。
あぁ、紋別のマイナス20℃の部屋を出たときもこうだったな……。
そして一瞬で暑い世界に逆戻りである。
儚い避暑だったね……
苔と露出した根っこが織りなす樹海の風景。
以前登山バスから見たときは久石譲的な音楽が流れ出しそうな印象だったが、今回はちょっと違うような気もする。
この辺りにはさほど薄暗い感じがないからだろう。
やっぱり樹海は良いな。
そんなわけで、富岳風穴を見終わった。
次はここから青木ヶ原樹海のルートを通って鳴沢氷穴へと向かおう。
一体どんな体験が出来るのか楽しみだ。
次回へ続く……!