【つながる旅行記#131】ナマケグマとおしょろ丸と、『とりかへばや物語』
では前回に引き続き、北海道大学総合博物館の展示を見ていこう。
階段を上った先には、果たしてどんなものが待って……
!?
優しいような、悲しみを伝えているような、そんな目をしたクマがいた。
でもヒグマじゃないな。
なんだこれは……?
ナマケグマというらしい。
ああ、確かにそんな雰囲気があるような……。
ナマケグマは英語でSloth Bearというらしいが、Slothはあの動物のナマケモノのことを指す。wikipediaによると、ナマケモノみたいに爪で木にぶら下がるからこの名がついたとかなんとか。(このデカさでぶら下がる…!?)
そしてどうやら札幌の円山動物園に国内唯一のナマケグマのゴマキが居たらしいが、2015年に死んでしまったようだ。
……ん?
じゃあこれってもしかして……?
ナマケグマは語ってくれない。
しかし死亡から1年あれば剥製化できる可能性はありそうな気も……?
さて、こちらは水産学部。
北海道といえば海産物なイメージなので、なかなか重要な学部になりそうだ。
水産学部にはおしょろ丸という練習船があるらしい。
……そうか、魚の養殖とかだけじゃなく、学生が船に乗るのか。
海の男を作るための場所でもあるんだなぁ……。
海洋大国日本を支える重要な学部である。
そして展示は農学部へ。
あ、ジオラマ発見!!
素晴らしいジオラマなのに、自分の写真が下手すぎて何がなにやら。
……あ、昆虫の展示もある。
しかしこれはnoteに載せるべきなのかどうか……。
……うん、とりあえず控えておこう。
説明すると、沢山の昆虫標本があったのだが、凄まじくデカくて長いゾウムシとか、とんでもないデカさのコオロギみたいなものとかが展示してある。
昆虫好きな子供はテンションMAXかもしれない。
でも虫嫌いは発狂するかもしれない。
おや? 何だか気になる解説が……
なんとトリカヘチャタテという昆虫は、メスがペニスのようなものを持ち、それをオスに挿すらしい。
この発見は北海道大学や慶應義塾大学のグループによるものだ。
しかし、性別が無かったり途中で変わったりする生物は聞いたことがあれど、こんなバージョンも存在するのか……。
ちなみに名前の由来は「とりかへばや物語」という古典からだそうだ。
「とりかへばや」とは、「取り替えたいなあ…」みたいな意味である。
一体何を取り替えたいのか、とりかへばや物語を少し解説すると……
いやはや、「男女が入れ替わる話です」で済ませられるところを、そこそこしっかり電子書籍で読み込んでしまった。
皆さんも是非「とりかへばや物語」を読んでみて欲しい。
いや、子供はちょっとまずいか……?
でも源氏物語も読ませるんだからこれもアリ……?
まあとにかく宰相中将がヤバい。
でもこれくらい女性を求めまくるのが普通の男なのか?
それにしても見境がないというかなんというか……。
ちなみに自分が読んだのは、250円どころかKindle Unlimitedにも対応している以下の本だ。
人物の関係図を頻繁に挟んでわかりやすくしてくれていたり、巻末にある章ごとの簡単な要約や、異性装を扱った古典作品まとめなどもあって素晴らしい。すごく良い本だった。
……と、なんと最後にnoteのリンクを発見。
著者の方、めっちゃnoteやってる人だった。
ちなみに、新海誠が『君の名は。』を作る際に参考にした書籍の一つとして、この『とりかへばや物語』も挙げられている。(ぶっちゃけ『入れ替わる』って部分しか参考にしてないんじゃないかと思わなくもないが)
そしてよく、「トランスジェンダーがこんな昔にも云々…」という感じで語られる「とりかへばや物語」だが……うーん、それはどうだろう?
話としては、最終的にまた兄弟で入れ替わっているし、その後それぞれで子供も作っているのだから、なんかちょっと違う気もする。
いや、そういうトランスジェンダーもありえるのか……?
まあ母親違うのに入れ替わりがバレないとかどんだけ顔似とんねんという話だし、そもそもフィクションではあるのだけれども。
しかしまさか、昆虫をきっかけに古典を読み、ジェンダーについて考えることになるとは思わなかった。
これからも学んでいこう。
・・・
・・・
いや博物館を巡ってるんだったわ。
まあ、たまに盛大に脱線するのがこの旅行記だからね……。
そんなこんなで、北大博物館はまさかのパート3に突入するのだった。
次回へ続く……!