[SIer]祖父の葬儀に参加できない

父方の祖父と母方の祖父が亡くなった時の事はよく覚えています。
どちらとも、私が実家から離れて、働き始めてから亡くなりました。

まずは父方の祖父が亡くなりました。
その時は入社2年目くらいでした。年末年始にシステム変更作業を予定しており、私は年末年始は実家に帰らずに、出勤を予定していました。
会社に入って初めて年末年始を会社で働く事を予定しておりました。

祖父が亡くなったのは、12月の本当の末でした。
会社に年末休日出社をして仕事をしている時に、実家から電話がありました。
私はまだ、新人に毛が生えたようなものでしたので、先輩に相談をしたら、年末年始の作業は任せておけと言われて、私は急遽帰宅する事になりました。
雪が降っており、会社からアパートまで帰宅するのが大変だったことを覚えています。それから急いで切符を購入して、実家に帰りました。
先輩のおかげで、お通夜および葬式に参加する事が出来ました。

問題は、母方の祖父が亡くなった時の事です。
私は、管理職の一つ手前の立場でした。一般職です。
自分が担当しているシステムがトラブルを起こしており、1月以上トラブルが続いている様な状況でした。
このシステムですが、かなり大きなシステムで、グローバルで利用をしており、システムトラブルの影響は世界中にでている様なシステムです。
システムトラブルの影響もとても大きいもので、お客様の現地法人の社長から、お客様の社長にクレームが入るような状況です。
(お客様のIT部門の方から、社内的にもかなりやばい状態になっていると、私だけにこっそりとメールを転送していただき、やばい内容のメールを見せていただきました。)

お客様のIT部門のこのシステムの担当者は大変な状態になっており、夜中および土日も、現地からクレームの電話が携帯にかかってくる様な状況です。
グローバルなシステムですので、利用者側との時差があります。時差があるので、クレームのある時間は仕方がありませんが、あの英語力と対応力は凄いと思いました。

私は、平日だけではなく、土日も出社してトラブル対応をしていました。
私の会社で実際に対応に当たっているのは私です。他の部門にもこのシステムトラブルで迷惑をかけて対応に当たっていただいた方は沢山いますが、根本的な領域の対応は私だけが対応にあたっていました。
お客様のIT部門にもかなり詳しい方(I●Mとかの会社より技術力が高い方)が数名いらっしゃって、その方たちと連携して対応に当たっていました。

プロジェクトマネージャであるはずの上司は、特に手伝ってくれません。
しかも上司はこのトラブル中に、このプロジェクトとは関係の無い長期出張に行くと言い始め、出張に行ってしまいました(行かなくても良いような出張内容です)。

そんな中、母方の祖父が亡くなりました。

無くなったのは、水曜日ぐらいだったと思います。実家から電話をもらいました。お通夜が金曜日で葬儀が土曜日という事を伝えられました。
私は、上司が出張でいなかったので、担当役員に祖父が亡くなった事を伝えました。担当役員は私に、「で、どうするの?」しか言いません。会社の規程では特別休暇でお休みが取れる事になっています。
しかし、担当役員は「休んでいい」とは言ってくれません。
上司に連絡をしましたが、メールを無視されました。担当役員からも、上司に急遽出張から戻ってきて私の代わりにシステムトラブル対応をするようになどの指示もありません。
何もしてくれません。本当に何にもしてくれません。

私はどうする事もできませんでした。
祖父は亡くなったのです。ですが、システムトラブル中なので、お休みをいただく事が認められません。

担当役員は相変わらず、「で、どうするの?」しかいいません。
私は、「金曜日のお通夜への参加はあきらめます。ですが土曜日の葬式だけは参加させてください。」と言いました。
金曜日の出社の際に、喪服を会社にもって出社しました。最終の電車に乗る事を想定していました。時間が無いので、一度自分の部屋に帰宅できるとは思っていませんでしたので、会社から直接実家に向かう事を想定していました。ちなみに、土曜日の始発では葬式に間に合いません。

金曜日ですが、定時になると担当役員はさっさと帰っていきました。私はシステム障害対応をしており、残業をしていました。
最終の電車までに駅に行かなくてはいけないけれど、帰りたいけれど帰れない様な状態になっていました。
19時頃に、お客様から電話がありました。
お客様はIT部門の方で、システムトラブルが起きたシステムのシステム管理者の方です。
電話で会話をした際に、お客様から、「この週末はどのような対応をするのか?土日の作業について話をしたい。」と言われました。私は、お客様に「祖父が今週無くなって、お通夜に参加出来ていない。今日の最終の電車に乗って、明日の葬式だけは参加をしたい。どうにか許して欲しい。今日の最終の電車に乗らないと、明日の葬儀に間に合わないので、もうそろそろ帰らせて欲しい。」という事を伝えました。お客様からは、「なぜそれを早く言わないのか?君の会社は君の事情を配慮してくれるような会社で無いと思うよ。私に一番に相談をしてほしかった。週末はこちらでどうにかするから、早く帰れ。」と言われました。

私の上司や担当役員は、私の祖父が亡くなったにも関わらず何もサポートをしてくれませんでしたが、お客様がサポートしてくれました。
私は、お客様から帰れと言われて、急いで喪服を持って、駅に移動をしました。その時は、金曜日という事もあって早く帰る人が多く、私の部門では私が最終退室者でした。
何とか地元に帰る最終の電車にギリギリ間に合う事が出来ました。

私は、土曜日のお葬式に参加する事が出来ました。
日曜日には、すぐに東京に戻ってきました。

私は祖父が亡くなった事で、本来は会社規定でもらえる特別休暇は利用できませんでした。普通に土日に地元に帰り葬儀に参加しただけです。
ですが、この土日を休むことができたのは、お客様のおかげです。私の上司および担当役員は何もしてくれませんでした。

月曜日出社した際も、上司も担当役員も、私の祖父が亡くなった事については何も言ってくれませんでした。本当に私の事はどうでもいいのだと思いました。
ちなみに、上司は出張が楽しかったという事を言っていました。また出張期間中、メールの調子が悪くてメールは見れていないと言っていました。

糞が。

私は、月曜日にお客様に電話をして、お礼を伝えました。また、おかげで何とかギリギリ地元に帰る最終電車に間に合って、葬儀に参加できたことを伝えました。
お客様からは、何か問題がある時は早く相談をしてほしいという事を言われました。

この経験をして、上司および担当役員は糞だと思いました。
結局は自分がかわいくて、何も判断してくれないし、部下の事も考えてくれません。部下がどんな犠牲になっても、自分に影響がなければどうでもいいのでしょう。本当に信用ができない人たちだと思いました。
その時の私は管理職ではなく、一般職です。一般職なのに、責任をすべて押し付けるというのは、あまりにもひどい対応だと思いませんか?
システムトラブルの対応ができる人、お客様とまともに対象システムで語れる人がいないのは理解していますが、この時の対応は一生忘れられません。

会社は、働く人を助けてくれません。
信用してはいけません。

会社のために尽くしても何も良い事はありません。

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