【Report】4/21 TUFキックオフイベント@UoCを開催しました!
こんにちは!TUFメンバーの松丸里歩です。普段はコミュニティコーディネーターとして、地域における循環のco-designにいそしんでいます。
さて、Tokyo Urban Farmingのキックオフイベントが、4月21日にUoCにて開催されました。カタリストの方々が現地で約20名、オンラインでは130名ほどの参加者が集まりました!
カタリストたちは「マンダラ」と呼ばれる円形のスペースにソーシャルディスタンスを保ちながら集まり、それぞれの活動内容やTokyo Urban Farmingの今後について語り合いました。
最初は、UoCサステナビリティフィールドディレクター・TUF発起人の「ヒデさん」こと近藤ヒデノリからのご挨拶。
「まずは深呼吸をしましょう。Tokyoに食べられる森が広がっている様子を想像してみてください」
その言葉にしたがって、一度みんなで深呼吸。「ティンシャ」と呼ばれる仏教楽器のベルが、ヒデさんの手元でチーンと上品な音を響かせます。
一呼吸したところで、UoCとTUFの概要を説明し、パートナーへバトンを渡します。(Tokyo Urban Farmingの詳細は公式Webサイトをチェック!)
TUFは「私たちみんなの、活動の集合体」
まずバトンを受け取ったのは、JR東日本・東京感動線の服部さん。TUFに期待していることとして「OUR(私たち、みんなの)」というキーワードを挙げます。
「Tokyo Urban Farmingの真ん中に"OUR"があるのが気に入っています。国家制度だと土地は誰かに所有されているけど、実は『東京』は誰のものでもなくて、私たちみんなの活動の集合体だと思うんです」
「I(私)中心」の世界から、「We(私たち)中心」のクリエイティブな未来に私たちは向かっているようです。
今だからこそ見直される、「都市の緑」の存在
東京の農地は日を追うごとに減り続けています。しかし世界では都市の緑の価値が見直されていると、TUFパートナー・プロトリーフの加能さんは言います。ビルの屋上に2階建ての(!)公園ができたり、グローバル企業のオフィスビル周辺に植物園が作られたりと、都市の風景として植物の存在が重視されているほか、観葉植物で室内の空気がきれいになるという研究結果も出ているそうです。
"謎ルール"をテクノロジーとコミュニティで越えていく
さて、イベントの後半は「アーバンファーミングをもっと楽しく、美しく、あたりまえにするには?」というテーマでの全体ディスカッションです。
TUFパートナーであり、IoTを駆使した「食の民主化」を目指すプランティオの芹澤さんは、「アーバンファーミングを実装するにあたって、日本は"謎ルール"がすごく多いんです」と切り出します。
アーバンファーミングの視察のために、2012年にオランダを訪れた芹澤さん。当時のオランダではすでにアーバンファーミングが都市生活に溶け込んでおり、コンポストステーション(地域のみんなでコンポストを作るための生ゴミ回収スポット)もあったそうです。
しかし、日本の公共の場でコンポストを設置したり、ビルの屋上にガーデンを作ったりするとなると、まだ前例が少ないために行政の受け入れ体制が整っていません。その結果、既存のルールに当てはめて検討することになり、一見ハードルの低そうなことが"謎"に足止めを食らうことも多々あるんだとか。
そんな行政側の課題について認めつつ、港区議の横尾さんは「最初ははみ出していくしかない」と言います。海外で先行事例があっても、日本で前例がないと行政は認めづらいもの。民間のセクターでじわじわと実績を積み重ねていけば、行政にも伝わります。
遠い道のりのように思えますが、「行政は横並びである」と説明する横尾さん。例えば、プランティオが"謎ルール"をクリアした渋谷区での事例のおかげで、港区や他の地域ではスムーズに類似事例を拡げていける可能性があります。
土いじりを「カッコよく」
エシカルなライフスタイルを発信するメディア「ELEMINIST」編集者の伊集さんは「エシカルなものをいかにおしゃれに、カッコよく見せるか」を重視。アーバンファーミングがいかにイケているか、サステナビリティやエシカルに感度が高いZ世代も巻き込んで発信できるといいのでは、と提案します。
自身がZ世代であり、エシカルな暮らしを実践するTUFメンバーの井上さんも「SDGsの普及も含め、エシカルやサステナブルについてのインプットが増えている今、実践が求められている。DIYやサウナのように、楽しいブームになればいい」と共感していました。
Z世代を中心に、世の中の「カッコいい」定義そのものが、より持続可能性を重視した方向へとシフトしているようです。
自社農場で育てた野菜をふるまうレストラン・WE ARE THE FARMの古森さんによると、「オーガニック」の捉え方にもその変化が表れているそう。これまでは「健康、安全」という目線で選ぶ人が多かったのが、ヨーロッパなどでは「環境にやさしい」「カッコいい」という基準で選ぶ人が増えており、日本にもその風潮が生まれてきています。
それに加えて、「環境に対する意識を高めるには、それぞれの地域の『自分たちらしいスタイル』も大事にしいきたい」と話すのは、表参道でコミュニティコンポストを運営する4Natureの平間さん。
例えば平間さんと筆者(松丸)が参加しているイニシアチブ「530(ごみぜろ)」は原宿・キャットストリートのお店の方々と循環型の地域づくりに取り組んでいますが、「自分の好きなことを楽しみ続けるために、自分たちの縄張りであるキャットストリートの環境を守る」というステートメントを掲げており、これもキャットストリートらしい「カッコよさ」があるように思います。
「食べる」要素を通じて、食のリテラシーを高める
「『食べられる』こともキーワードでは?」と切り出したのは、東京感動線の服部さん。
「新大久保にオープンしたフードラボ『KDC』でハーブや野菜を育てていますが、ある時ルッコラが成長しすぎて花が咲いてしまいました。
もう食べられないだろうと思っていたら、シェフが「この花が美味しいんですよ」と教えてくれたんです。自分の食に対するリテラシーが高まった体験でした。」
ただの緑化ではなく「食べる」という要素があるとワクワクするし、生活者の食のリテラシーの向上にもつながりそうですね。
ヒデさんによると、「Food Not Lawns(ただの芝生じゃなくて、食べられる緑を街に増やそう)」という国際的なムーブメントもあるそうです。
道端にも、実は食べられる野草が生えていることも。食のリテラシーを高めれば、サバイバル力も身につきますね。(むやみに食べるのは要注意?)
あらゆる分野からアーバンファーミングに関わるカタリストが集まり、やってみたいことの「妄想」も膨らみました。それぞれの持ち味を生かして、何ができるか?今後のTokyo Urban Farmingの展開が楽しみです!
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【お知らせ】
明日4月24日(土)高輪ゲートウェイ駅にて、Tokyo Urban Farmingを一緒に進めているJR東日本 東京感動線が「駅からFARMing」第一弾として、カゴメ、プロトリーフと連携してトマト苗・トマト栽培に適した土を無料配布します!
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