夏目漱石「こころ」 感想
「こころを読んで感想を書け」という学校の課題である。
感想を書けだの、短歌を作れだの、聞いた瞬間には「だる」って思うものほど、「先生が考えたこともないことを提出してギャフンと言わせてやろう」と燃えてしまう。
(死に近づきつつある父を国もとに控えながら、この私がどうすることもできないように)私は人間をはかないものに感じた。人間のどうすることもできない持って生まれた軽薄を、はかないものに感じた。
私は近しい人を亡くした経験がまだない。強いて言えば、小2の頃に性別も知らない兄姉が流産したことを聞いたくらいだ。
頭では人生は短いものだと、はかないものだとわかっているのだ。でも私は失ったことがないからだろうか、やはり長くしぶといものに感じてしまう。だって今までの17年間は、私にとってあまりにも長く感じたのだ。兄姉の過ごせなかった17年間が。
失ったものは取り戻すことはできない。これから先、どれだけ医療が発達しても蘇生術はお目にかかれないだろう。ならば失ってしまう前に、後悔する前に。
そして兄姉ができなかったことを、私が代わりに。おこがましいだろうか。
◯●◯
兄姉とは書いたが、勝手に兄だと思っている。こういう勘は当たると思うし、自分が女子にしては男っぽすぎる。母の胎内に、兄の要素が残っていたのではないか、という考えだ。
どう? 合ってるかい、どこかにいるきょうだい。