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Interview 21

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-地域で活躍する芸工大卒業生の姿- 地域で活動する東北芸術工科大学の卒業生・在学生はどんな方法で、 社会に学びを活かしているのでしょうか。 本校の総合美術コース学生21人がインタ…
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#インタビュー

ゴミに向けられた、それぞれの思い

ゴミに向けられた、それぞれの思い

私は、「白の橋」(しろのはし)という学生プロジェクトの参加者にインタビューを伺った。インタビューに応じてくれたのは。東北芸術工科大学 芸術学部 美術科 日本画コース1年(2021年度入学)の勝又愛乃(かつまたあいみ)さんと、同学、学部、学科、同
コース3年(2019年度入学)の江守彩夏(えもりさいか)さんである。

「白の橋」とは、芸術作品を制作、オンライン公開し、販売する活動である。活動のそれら

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そっと寄り添い合う

そっと寄り添い合う



画⾯いっぱいに広がる美味しそうなパスタ。
ナスの焼き⽬、トマトのぷっくりとした形、⾒ているだけでお腹が空く。これはクレヨンで描かれたものだ。柔らかで鮮やかな⾊の中にある⽩⾊が、より美味しそうに魅せる。
絵を描いたのは東北芸術⼯科⼤学芸術学部美術科総合美術コース 3 年の増⽊英莉さんである。
⾷べ物を描く際は実際に⾷べたものを描くというこだわりを持っているのだ。

──吸収して、外へ

紙を持

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自分なりの和菓子を伝えたい

自分なりの和菓子を伝えたい

田中 美海さん(メディアコンテンツデザイン学科情報計画コース2010年卒業)現在は山形市双葉町で『和菓子甘果』を経営している。

店内を覗くと、背の高いカウンターに身を近づけ、私たちに笑顔で挨拶をする一人の女性。田中美海(よしみ)さんは、製造から販売を一人で行う『和菓子甘果』のオーナーで、東北芸術工科大学(以下、芸工大と略す)を卒業している。

田中さんは大学卒業後、和菓子職人を目指して修行をし、

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ろうそくで灯す飯舘の輪

ろうそくで灯す飯舘の輪

──飯舘村でものを作る楽しさと魅力を発信する。

東日本大震災で村全域が避難区域になるなど、原発被害で厳しい現実に見舞われた飯舘村。そこで復興の一助として「地域おこし協力隊」として移住しキャンドル制作を行う「工房マートル」をオープンさせた、東北芸術工科大学(以下芸工大) プロダクトデザイン学科卒・大槻美友さんに活動に至った理由から現在までを迫る。

工房マートル(大槻美友人さん) 
Faceboo

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実践から知る「強み」

実践から知る「強み」

大学に入った当初から地域で何か活動をしたい、貢献したいという思いがあり、チャレンジしたいと思った、と語る高野奈美さん。(美術科総合美術コース4年生)

高野さんはできることは率先して行い、先輩後輩関係なく皆から頼られる存在だ。

一見「チャレンジ」と聞くと不安を感じ、ハードルが高く感じる人が多い。では実際に活動をしている人はどの様なことを意識して実践に繋げていったのだろうか。

きっかけは東北妖怪

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花を咲かせるために 〜大学での学びとは〜

花を咲かせるために 〜大学での学びとは〜

私は小学生の時の「総合的な学習の時間」で紅花染めをした。初めての素材や技法にドキドキしていたことを覚えている。その際講師として来校されたのが、今回インタビューをした竹越友美さんだ。約10年ぶりにも関わらず私を覚えていてくださり、とても嬉しかった。

竹越さんは、東北芸術工科大学 芸術学部 美術科 テキスタイルコース(以下芸工大)を平成22年度に卒業。その後、山形大学 地域教育文化研究科 修士課程

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思いやりは1つじゃない

思いやりは1つじゃない



———活動概要

普段から頼りにされていて接しやすい雰囲気を持つ熊田敏秀さん。周りからは 「くまちゃん」と呼ばれ親しまれている。熊田さんが所属し指揮を取る    「Art in Life」は、有賀三夏先生ご指導のもと、「人生に芸術をどう使おうか?」というテーマを掲げ、アートが持つ力を利他的に社会と繋げる実践活動を行なっている東北芸術工科大学の学生有志団体である。「芸術思考」という他者や社会に貢

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捨てられる遺骨をアートに変える

捨てられる遺骨をアートに変える

──「白の橋」プロジェクトとは。

愛護センターで生を終えた動物たちの遺骨は、どうなるか知っているだろうか。愛護センターで殺処分または施設内死亡となってしまった犬や猫の遺骨は、一般廃棄物つまり”ゴミ”として処分されてしまう。そんな中、「人間と共生してきた犬猫をゴミにしたくない」という思いから、東北芸術工科大学 美術科 日本画コースと有志の学生が集い、動物の遺骨を「骨絵の具」として利用し、絵画作品の

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ケーキの味に思いを込めて

ケーキの味に思いを込めて

洋菓子店「九二四四」公式ホームページ

―ケーキ屋という道に進もうと思ったきっかけ
2001年に東北芸術工科大学 情報デザイン学科を卒業し、現在、仙台市で洋菓子店「九二四四」を経営している橋浦邦義さんは、在学中にやりたいことを見つけられないまま卒業し、仙台に戻ってきた。そんな時、ケーキ屋を経営していた叔父さんからアルバイトの誘いがあり、それがきっかけで洋菓子の世界を知ることになった。

ーケーキを

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美容室から始まるアートと地域の繋がり

美容室から始まるアートと地域の繋がり

「芸術地域連携企画Daz」

 年内の展示を目指し活動する「芸術地域連携企画Daz(ダズ)」。
 その代表の総合美術コース3年永沢ほのかさんと、副代表日本画コース3年宮古真奈さんに活動内容やそれぞれの企画にかける思いを聞いた。(以下、苗字表記)

–「Dazの活動内容について」 Dazとは、代表の永沢さんが美容室『Kuria.』のオーナー(滝本義貴さん)より「芸工大生に展示用の絵を描いてもらえない

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音楽と絵画が繋ぐもの

音楽と絵画が繋ぐもの

お気に入りの色だという、赤青黄の鮮やかなネックホルダーを首から提げている。東北芸術工科大学(以下、「芸工大」)の洋画コースの卒業生であり、現在、総合美術コースの副手として勤務しながらアーティストとしても活動している飯尾淳太さん(以下「飯尾さん」)にお話を伺った。

音楽と絵画を融合させるという独特のコンセプトを持つ作品には、様々な素材を使用する飯尾さんのこだわりや地域との関わりが反映されている。

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大学生活有効活用術!〜七ヶ浜町ものづくりワークショップ〜

大学生活有効活用術!〜七ヶ浜町ものづくりワークショップ〜

大学生にしかできないこと、それはなんだろうか。その問いに、大学生を振り返ってではなく、今まさに大学生として活動しているその声を聞いてみたいと思った。

今回お話を伺ったのは東北芸術工科大学(以下芸工大)美術科総合美術コースに所属する3年生の菅原未来(すがわらみく)さん。いつも元気で笑いの絶えない彼女に今回は少し真面目な問いを投げかける。真剣に答える様子はいつもと違った一面を見せてくれたが、それでも

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アートを通じた新庄市との結びつき

アートを通じた新庄市との結びつき

 山形県の北東にある新庄市は、神室連峰の美しい山塊が連なる雪深い地域である。そんな自然豊かな地域を舞台に、アートを生かした活動を行う美大生がいる。東北芸術工科大学、芸術学部、美術科、総合美術コースに所属する3年生の樋渡響輝さんは、小さい頃から新庄市で開かれた「新庄まつり」に参加し、囃子や山車を作っていた。そんな彼は現在、アートを活用して人と関わる場の作り方について学びながら、地元である新庄市で展覧

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映像という表現の需要増える

映像という表現の需要増える

 「世の中が変化していく中で、映像という表現の需要が増えた。」そう答えるのは東北芸術工科大学デザイン工学部映像学科の柏倉琉生さん。彼はカメラマンとして多種多様な写真を撮ることや、ミュージックビデオ(以降MVと記)の作成などを手がけている。コロナ禍となり映像メディア表現が世の中に溢れかえった。その中で目まぐるしく活躍し、今もなお納得のいく一枚を求めて活動を続ける彼に迫ろうと思った。

柏倉さんとカメ

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