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気になる?電力の値上げ対策?!太陽光発電について相談したいと思ったら?

前回、再生可能エネルギーについて株式会社シェアリングエネルギーの佐野健太氏に伺ってきましたが、今回は実際に太陽光パネルを自宅や施設に設置したいと思った時に、どんなことを検討すれば良いのか、条件や選ぶポイントなどについてお聞きしました。

(聞き手:東芝テックCVC投資担当 吉村)

意外と知られていない?太陽光パネルの導入方法

吉村:太陽光パネルにはいくつか導入のパターンがあると思います。“設置したいけれど何から始めれば良いか分からない”という方々のために導入の仕方について教えていただけますか?

佐野氏:そうですね。導入の仕方でいうと、まず我々は「自己所有型」と呼んでいるのですが、太陽光の発電設備を購入して設置し、所有する方法があります。
次に自己所有ではなく「リース」という形で設置し、定期的にリース代を支払う方法もあります。
そして、当社が提供しているサービス「シェアでんき」のように、事業者が需要家さんの屋根を利用させていただきながら、発電設備自体は事業者が所有する「第三者所有モデル」と言われるものがあります。これらのパターンがあることは意外と知られていないのですが、最初に検討すべきことの一つなのかなと思っています。

吉村:導入の仕方を理解したとしても、商材をどこのメーカーにするのか?やパネルの数など、まだまだ設置までに検討することはありますよね。

佐野氏:もちろん、どこのメーカーの設備を買うのか、どのくらいの量を設置するのかなども検討項目に含まれますが、そこはお客様ご自身で選ぶというよりは、ある程度は事業者の知見やアドバイスをもとに選択していく形になると思うので、どんな導入方法を選び、どこの事業者に依頼するのかを考えるのが最初のポイントになります。

吉村:どこに相談したらいいのかで悩む人も多いのではないでしょうか? 我々のようにシェアリングエネルギーさんを直接知っていれば相談することもできますが。

佐野氏:そうですね、本当におっしゃるとおりだなと思います。
例えば我々は2018年創業の会社ということもあって知名度もまだなく、しかも初期費用0円で導入できるというサービスモデルなので、お客さんからすると怪しさしかないわけです。そこで初期のころは株主でもある大手企業や地銀さんに信用力を補填いただいたということがありました。

なので、どこの事業者に相談すればいいかについては、地域の方々の身近な接点である地銀さんや大手電力会社さんガス会社さんに相談してみると連携しているサービスなどをご紹介いただけるのではないかと思いますし、新築購入の際に導入を検討する場合は、ハウスメーカーさんとかビルダーさんに勧めてもらうのがいいと思います。当社の場合は、初期費用0円で太陽光導入できて電気代も得になるのであれば、ということで導入していただくケースが大半となっています。どちらにしても、どの方にどのタイミングで紹介していただくかになると思います。

吉村:顧客との接点は非常に大切ですね。タイミングとしては新築時の方が導入しやすく、既築物件だと少し導入ハードルが高そうな印象があります。ちなみにシェアリングエネルギーさんは新築メインで対応されていますが、既築物件にも設置できますよね?

佐野氏:はい、既築の場合は築年数等を踏まえて耐震性に問題ないか?屋根に設置できるのか?という面で影響が出てくる場合はありますが、ビジネスモデルとしては基本的に一軒一軒設置可能パネル数や期待する発電量、経済的に成り立つかなどを評価したうえで導入しますので、新築でも既築でも同じプロセスで対応可能です。

吉村:そうですよね。今回我々も静岡県・三島地域に住んでいる当社社員たちに対して福利厚生的な観点で、シェアリングエネルギーさんのサービスを紹介する機会を設けさせていただきました。
特に三島地域は電気代の単価が高いこともあって、設置した場合のコスト効果が非常に出やすい点などから、太陽光パネルの設置に適したエリアだと考えています。もちろん、出資先への支援という目的もあるのですが、こうした活動を通して再生エネルギーに対する理解促進や啓発を行い、企業として持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化する一助となればと思っています。

ちなみに、土地が広い地域で、屋根以外の太陽光パネルを見たことがありますが、屋根だけでなく庭や平地への太陽光設置は効率性等含めてどうなんでしょうか?

佐野氏:そうですね、地面に設置する場合はパネルを設置するときにある程度の傾斜を付けないと太陽光の日射を全部取れなかったり、雨が溜まって発電量が低下してしまうので、傾斜をつけるための架台を追加で設置する必要があります。なので、やはり一定の傾きがある屋根に設置をするほうが雨や積雪が流れる形での設置が、コスト面でもメリットがある形でできます。

補助金の有効活用が導入の後押しに

吉村:国は2030年に新築で6割導入したいと言っていますが、なかなか進んでいないのが現状ではないかと感じています。今までは初期費用を自ら出して設置する方法しかなかったので購入できる人が限られていたと思いますが、シェアリングエネルギーさんのようなサービスが出てきたことで、もっと導入の接点が増えることを期待したいですね。

佐野氏:そうですね、吉村さんにおっしゃっていただいたとおり、最初は自己所有型でないと太陽光を導入できない状態だったところが、初期費用がかからず、かつ電気代も安くなるという点にメリットを感じて導入したという声は多くいただいています。

吉村:導入拡大においては、政府が目標を掲げていることもあって、補助金も整備されてきている印象があります。そういった情報も導入の後押しになると思うのですが、実際にどのような補助金があるのか、最近の動きも含めて簡単に教えてください。

佐野氏:例えば、再生可能エネルギーから生まれた電気を、電力会社が一定の期間において一定の金額で買い取ることを国が約束する「固定価格買取制度」があります。エネルギーの種類や規模によって金額は異なるのですが、太陽光発電も対象でして、これは地域に関係なく一律で適用される制度となっています。
ちなみに、買い取る単価が年々下がっているので、早く導入いただいた方がメリットはあるかなと思います。

それ以外に、環境省が推進している「脱炭素先行地域」という制度がありまして、地域資源を活用しながら脱炭素と地域課題の解決を同時に実現してく地域を段階的に選考し、採択を受けた地域の計画に基づいて太陽光を含む再生可能エネルギーの導入を一部支援するような動きがあります。あとは、東京都もそうですけど、各地方自治体で独自の補助金を設けていることもあります。

吉村:やはり経済的なメリットがないと導入も進みにくいと思いますので、そういった補助金をうまく活用することも大切ですよね。

エネルギーシステムを変革し、持続可能な社会の実現に寄与する

吉村:東芝テックはシェアリングエネルギーさんに投資し、さまざまな業界の脱炭素化を支援する環境に配慮した事業展開をともに目指しています。特に当社が向き合っている小売企業様では、倉庫や広い面積を持っている店舗では太陽光パネルの導入が進んできているのですが、小・中規模の店舗ではなかなか難しいのが現状です。
しかし、サステナビリティやESGの観点から見ても一部の大きいところだけでなくそういった小さな店舗まで導入が進まないと本当の意味でのサステナビリティにはならないと思うので、小規模店舗向けにも経済合理性の見合うような形でサービスを提供していくことが大切だと思っていて、そこを一緒に取り組んでくれるパートナーとして、住宅向けのノウハウが豊富なシェアリングエネルギーさんに期待しております。

佐野氏:ありがとうございます。我々は新築で培ってきたノウハウやシステムが強みだと思いますので、既築住宅もそうですし、大型の店舗や倉庫、工場だけでなく小規模店舗向けの導入についても、実績を生かした形でサービス拡大を進めています。また、蓄電池や給湯器のような経済的メリットのある付加価値の創出など、工夫の余地はまだまだありますのでそこにも注力していきたいです。

吉村:この度はありがとうございました。最後に一言いただけますか?

佐野氏:当社は冒頭でご説明した導入方法のうち第三者所有モデルとして、初期費用・月額費用無料で太陽光発電を設置していただき、電気代がおトクになるサービス「シェアでんき」や、法人向けサービス「シェアでんき for Biz」などの提供を通じて、エネルギーシステムを変革し、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいます。これまでに培ってきたノウハウやシステムを活かしながら、東芝テックさんの知見やネットワークの力もお借りすることで、地域や企業の皆さまの課題解決に貢献してまいりたいと思います。

吉村:ぜひいろいろと連携していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします!

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