『日本車は生き残れるか』そのメッセージ性の強いタイトル、勉強になりました。
おはようございます。 大橋です。 がんばって毎週投稿つづけているんですが(現在23週)ここのリード文というか、リンクするとサムネイル表示される部分って、どう書いたほうが読み手にとってありがたいのかな、って考えさせられますよね。 読書レビュ的な投稿だと、やっぱりアブストラクト的な部分がサムネイル表示されていると、お、これは読んでみよう、という気持ちにもなると思いながらも、やっぱり毎週投稿の記事を書いていると、本編に入る前のつかみというか雑談というか、そういうところも書きたくなってしまっていて、うーん、と思いながら、つかみを書く週と書かない週があります。
わたしはNTTコミュニケーションズという会社で現在は自動車産業をお客様として担当する営業であって、お客様がおられる業界の動向や方向性を学ぶことは、当たり前ですけどビジネスの世界において必須です。今更そんなレベルかよ、と言われると平身低頭申し訳ございません!としか言えませんが、それでも勉強を重ねれば少しでも成長できると、自分なりには努力していて、書店で 『日本車は生き残れるか』そのメッセージ性の強いタイトルの本を見つけましたので勉強のために読んでみました。 それではいってみましょう!
日本車は生き残れるか
桑島 浩彰 川端 由美
2021年 5月の本
業界関連のメルマガも購読しているので、なんとなくの会社名やキーワードレベルでは接することが出来ていた、というところではあるけれど、まだまだ自分の不勉強が痛感された、というところと、238ページの文庫本サイズにまとめてくださった著者のお二人に感謝だなと思った書籍でした。
ほんと、このような読書レビュを記載することは、はなはだお恥ずかしいレベルでして、機械工学科出身ではあるもののクルマに関しては、申し訳ないですがほとんど興味なく、とにかく仕事のために勉強しております。(ほんと最後の謝辞の部分の川端さんのクルマ愛がすごくて申し訳なくなるレベルです…。 そうなんですよね、どの業界もそうだとは思うんですけど自動車産業の方々特にこのクルマ愛がすごすぎて僕にはつらいという事実もあります…。)
本の概要としては、はじめにの記載で川端さんが今の日本の車産業の危機感およびCASEに関して概要を述べていただいたのち、桑島さんが欧米中国の状況をそれぞれ端的にリポートしていただいた後、最終章で「日本車は生き残れるか」の観点にて川端さんからの課題提起と提言がある、という構成。不勉強な私でもなんとかついていけるレベルにまとめていただいており、はなはだ感謝です。
それとともに、以下のメッセージが、やはり本書の中で重要な位置づけだと思いますので、この部分は先に抜粋引用しておきます。
これだけは誤解のないように最初に申し添えておくが、本書の執筆は、「欧米では… それに比べて日本では…」という、欧米に比べていかに日本が駄目なのかということを語るような、いわゆる「出羽守(でわのかみ)」が目的では断じてない。そうではなく、日本の自動車産業も一刻も早く、垂直統合のモノづくり至上主義から脱却し、水平分業まで視野に入れた上で、モノづくり以上の付加価値を生み出すことで“日本経済の大黒柱”であり続けてほしいからこそ、書いておきたいと思ったものだ。
日本の自動車産業にはまだまだ戦える素地が残っている。
垂直統合のモノづくり至上主義から脱却し、水平分業まで視野に入れた体制を整備していくこと ⇒ モノづくり以上の付加価値を生み出すこと
こちらの点がこの本のキーメッセージなんだと思います。とてもとてもクルマ好きなお二方が、クルマが好きすぎるからの課題認識、問題提起。すばらしい熱量のほとばしりを感じました。感じたととともに、僕も、なんとかこの動きに貢献していかねばな、とエネルギーをもらえた気がしました。
さて、改めまして、抜粋引用となります。(自分が勉強のために抜粋するということもあり、皆様にとって有益かどうかは不明です)
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P47
結論めいたことを言えば、これからの時代に日本の自動車産業が目指すべきなのは、「スケーラブル(拡張可能性=ユーザーや仕事の増大に適応できる能力)、かつ、サステナブル(持続可能性のある)な事業の創出」だろう。具体的には「社会の課題を起点とし、事業のあるべき姿や目指すべき方向性を考える」、「社会に必要とされる、意味のある、欲しいと思われるサービスを作り出す」といったことだ。そのためには、自社の技術や製品にこだわらず、買収合併を含めた外部との連携を積極的に推し進めるという選択肢も重要になってくるだろう。
たぶん著者もこの言葉に至るまでには、多種多様な言葉を当てはめようとしたりしたのではないかと考えたりもしてしまいます。そうです社会課題を起点としたサービスを考える、昨今、ほぼ毎日のように言われています。確かにイーロン・マスクは、その観点での動きは強い。 社会課題を解決するような観点、僕も日々気にしているところではありますが、僕が最近で気づいて動けてることって、それこそ「オレのゴミ拾い」をやったり、「カタリバ」に貧困支援での寄付を申し込んだり、といったぐらいです。(カタリバへの振り込みは、「護られなかった者たちへ」からの影響も大きい。
ちょっと話がそれてしまいましたが、つづけます。
P120
アプティブの場合で言えば、正解かどうかはわからずとも、急速にデジタル化が進行する中で自動車産業の未来を予測し、将来的な自社の立ち位置と付加価値の源となるプロダクトを自ら考え抜き、実現のための必要な能力を身につけるため、必要ならば外部からの技術調達も厭わない――そのプロセスと姿勢こそが重要なのだ。 答えが見つからない中でも、複数のシナリオを予測し、通るべき失敗は早めにクリアし、スピードでは負けないことが彼らにとっての最優先事項なのだ。 「失敗しないこと」が最優先である時代は終わったのである。
昨今の時代の流れで、すごく言われていることであるし、自分としてはこの時代の変革は極めて前向きに受け止めている。そのためには心理的安全性が必要で、ということになるので前回はこちらの本を読んでレビューをアップしておいた。
とにかく数多く失敗して、そこから学んで、どれだけ高速にお客様に期待に応えられていくか、This is Lean も みんなでアジャイル も、本当に多くの書籍でこのような話を言われており、ぼくも数多く勉強してきている。
P184
コネクテッドカーの本質は自動車と通信インフラ等との接続であり(略)すべてのアプリはOSにより実行される。したがってOSシステムの健全性、安全性はコネクテッドカーの運命を決定するカギである。ゆえに自動車メーカー自身で責任をもって開発すべきである
かなり明快な主張ですね。はい、つながる車なんだから、IoTでいうところのクルマはoTの一つでしかなくなる、だからこそ制御するOSは自社開発すべきだ、ごもっともな主張です。強い意志を感じました。通信インフラを担っている会社だけに、いろんな観点からこれからも車社会を支えていきたいという想いはあります(が、まだ至っていないので、こうして勉強を続けています)。
P209
このまま独立路線を貫くのはやはり得策ではない。現状の中規模なポジションからの脱却を検討すべきだ。
それがプラスと判断するならば、思い切って四輪事業を資本提携先のGMに売却するくらいのオプションがあってもいい。過去のコアコンピタンスだったエンジン開発部門は、ホンダの開発を引き受ける前提で独立させ、他の自動車メーカーや船舶などのエンジン開発も請け負う。投資回収はあと20年のうちに行い、2030年に究極の高効率エンジンを開発して幕引きをはかる。四輪部門の売却で得た原資をもとに日本の二輪メーカーを束ねて事業を絶対的に強化する――というドラスティックなシナリオを描くほど思い切った改革も視野に入れるくらいの気概がほしい。
ホンダさんに対するドラスティックな提案です。すごいですよね、言論の自由ですよね。世界的に見たホンダの位置づけを踏まえて、かなり踏み込んだ提案をされている。これだけ言い切れるのには、それなりの知識と経験とそれを判断するだけの根拠情報がないといけないわけで、新書の書籍の中でこういうメッセージ性が強い表現はたまに見かけますが、すごいインパクトだと思ったので抜粋しておきました。
P231
デジタルの時代、コネクテッドの時代には、データをオープンに管理し、他社との連携を行うことでデータを共有し、適宜フィードバックを行うことで、よりユーザーが使いやすいプラットフォームに改良し、エコシステム全体の価値を高めていく――というビジネスモデルが一般化する。自動車産業にとっては、その一つの形態がコネクテッドになった時代のモビリティサービスなのだ。
「形のないもの」への偏見を捨てなければ、このエコシステムの中で激化する生存競争にはついていけなくなるだろう。
情報は21世紀の石油とも言われ、データを利活用する検討は多種多様な業界で行われており、弊社もそうした企業様に対してデータ利活用するためのプラットフォームをサービスの形でご提供はしている。他社とのデータ共有のための連携からエコシステム全体の価値を高めていくようなご提案も、引き続き検討していかねばならない。 どうしても本を読みながら自分事として考えてしまうわけで、ブログなのだからそれもいいかなと思いながらも、私の理解力が低いせいで、上記の文章は本質をとらえているんだなとは思いながら、どうも言葉がすべってる感じがして、腹落ちできない自分がいる。業界ど真ん中にいる位置づけなのだから、もっと手触り感をもって言い換えが出来ていったりするようにならなきゃいけないと思う。 また、勉強していこう、と思う。
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以上です。 最後まで読んでいただいて、いつもいつもありがとうございます。自分の不勉強をさらす形になってしまって、読みにくいブログの中、読んでいただいてありがとうございました。 いつものブクログ引用で〆たいと思います。