うつ病を克服することは、もとの自分に戻ることではない
「○○ちゃんが、前みたいにまた元気になったら・・・」。
先日、友人と話していて、そう言われたことがありました。そこで私はハッとしました。私の中では「うつ病を克服すること=以前と同じように暮らすこと」ではないためです。しかし、周りにはそう思う人もいるのかもしれません。むしろ、そう思う人の方が多いのかもしれないとも思いました。
私は、たしかに元気にはなりたい。でも、「以前と同じように」という気はさらさらありません。だからこそ復職することを選ばず退職し、思い切って「なにもしない」暮らしを選んだのです。
私にとって「以前と同じように暮らす」というのは、精神を削って働いて、本当は性に合わない場面でも明るくキラキラした人のように振る舞って、辛い出来事があってもポジティブに、鎧を被って生きていく・・・そんなイメージです。ずっとそうやって生きていました。
でもそんな生き方に限界が訪れて、楽になりたいと思ったのです。
楽になりたい・・・そんな想いを抱えていたため、人生を終わらせることも何度も何度も脳裏をよぎりました。でも、私はひとまず、治療することと休むことを選ぶことができた。今振り返れば、この点については心から自分を褒めてあげたいです。
そして休むことで自分と向き合い、「うつ病を克服すること=生き方を変えること」だと気が付きました。以前の暮らしに戻ることではありません。
再発を恐れているのももちろんですし、もう生き方を変えるしか私が生き延びる方法はないとすら思います。月並みな言葉だけれど、ありのままの自分で生きることしか考えられません。
そうやって生き方を変えることが、周りの人からはどう見えるのかは分かりません。でも、もう気にしないようにしたいのです。そして、どう見えるか気にしないのと同じように、理解を求めすぎないようにもしたい。精神疾患のことは、当事者にならないと分からないことがあまりにも多いと思うので・・・。
友人からの何気ない言葉にハッとさせられ、自分の中にある「生き方を変える」という強い意志に気が付くことができました。休むことに大きな意義があったと言えるのではないでしょうか。