【読書記録】てのひら怪談 こっちへおいで 見てはいけない
2023年63、64冊目。
てのひら怪談は800字という制限の中で書かれた怪談掌編で、15年ほど前からポプラ社で刊行されていたシリーズ。その後MF文庫ダ・ヴィンチに場を移していました。長らく音沙汰がありませんでしたが、今回再びポプラ社に戻り、児童書であるキミノベルの作品として刊行されることになりました。
児童書レーベルではありますが怪談文芸の第一線で活躍している本格派の作家陣を揃えたことが特徴で、澤村伊智や平山夢明などが参加しています。平山夢明の児童書などだれが想像したでしょうか……。
800字なのでサクサクと読めます。細かい描写は割愛されることが多いですが、その分オチを含めて読者に想像をさせる作品が多く、落ち着いてじっと考えると怖かったり嫌な気持ちになったりします。
怖い話だけでなく不思議な話や切ない話も含まれているのですが、ここら辺はかつててのひら怪談を牽引されていた東雅夫の取り組みが引き継がれているなと感じました。