見出し画像

【読書記録】冥途・旅順入城式

https://amzn.to/3Vol2ej

2024年238冊目。

岡本綺堂を大体読み終わったので次は内田百閒を読み進めていきます。旺文社文庫でほぼ全部読めると下のnote で知ったのと、たまたま全巻揃いが安く日本の古本屋で手に入ったので旺文社文庫でいきます。全39巻と関連本5冊の44冊で24000円でした。状態も悪くなく、運がよかったです。

刊行順ということでまずはデビュー作の『冥途』を含む本巻から。私は怪奇小説のファンなので「冥途」はアンソロジーで何回も読んでますが、これがデビュー作というのがすごいですね。

全体として師匠の夏目漱石の夢十夜の系譜ですが、印象はだいぶ違います。夢十夜はどう読んでも漱石の小説ですが、冥途は百鬼園の夢を文字に起こしたって感じ。そう考えると夢をそのまま書いたというホワイトの『ルクンドオ』なんかと比べると面白いのかもしれません。

漱石に比べると百閒の物悲しく、寂しい感じがしますね。「冥途」をはじめとして土手をトボトボと歩く作品が多いです。「件」はとぼけたところのある作品ですが、それでも広い野原でひとりぼっちという寂しさも感じます。

「盡頭子」も好き。これは悲しいというよりは悪夢、ホラー的な雰囲気があります。最後さっと終わるのが小泉八雲の「むじな」を彷彿とさせます。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集