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干し芋が出来るまで [Step2] - 蒸し・皮むき -

こんにちは。
干し芋の鶴田商店です。

前回は、さつまいもの芋洗いのご紹介をしました。
今回は、干し芋の製造工程の「蒸し」と「皮むき」についてご紹介します。

1、選別

 まず、選別です。こちらは、蒸す前に必要な大切な作業です。前回の工程で洗って綺麗になったさつまいもを、お芋の大きさ別にコンテナに分けます。いろいろなサイズのさつまいものが混ざった状態で蒸すと蒸し具合にバラつきが発生し、最終的な食感や味に影響がでてしまいます。そのため、しっかりと選別して、サイズを揃えて蒸すことで、可能な限り、味や食感を均一にすることができます。

↑選別したさつまいも

 選別したさつまいもは、洗った直後は、綺麗な赤紫色でしたが、皮の変色やヤラピン※による黒い付着が見られますが、蒸した際に皮は綺麗に向かれますのでご安心ください。

※ヤラピンは、整腸作用が期待できるさつまいもの素晴らしい栄養分です。生のさつまいもから出てくる白い液体がヤラピンで、時間の経過とともに黒くなります。

2,蒸し

 選別されたさつまいもを専用の蒸かし機(ボイラー)を使用して、蒸かします。 蒸す時間は、お芋のサイズによって変動しますが、およそ1時間程度、じっくりとさつまいもの芯まで火が通って、柔らかくなるまで蒸します。蒸し加減は、これまでの干し芋製造の経験により、微妙な調整をしています。

↑蒸し中のさつまいも

蒸し時間が短かったりすると、芯まで蒸かしきれなく中が筋っぽい状態になりますが、これを「シラタ(シロタ)」といいます。お芋によっては、最初からの水分が少ないものもあるため、やむを得ず「シラタ」が発生してしまうこともあります。

↑蒸し終わりのさつまいも

 蒸し終わりの状態は、べにはるかがとろけるように柔らかくなっています。これだけでもとても美味しい状態なのですが、パクッとしたいところですが、ぐっとこらえてガマンです(笑)

3,皮むき

  蒸かしたお芋はすぐに皮をむきます。そうしないと綺麗に素早くむけないのです。すぐにむくということは、お芋が熱々なのです!手袋をした状態で作業をしますが、それでも熱いものは熱いですね。その状況で、熟練の皮むき職人たちが、専用のミニナイフ使用してスピーディーに手際よく皮をむいていきます。

↑熱々のお芋を素早く皮むき
↑あっという間に皮がなくなっていく

 そして、皮をむきながらしっかりと形も整えていきます。形を整えることで次の工程のスライスやすだれに並べる際に、スムーズに作業することができますし、完成時の美しさにも関わってくる大切な作業です。

↑綺麗に皮むきされたお芋

 綺麗に皮むきされたお芋は、とても美しいですね。これこそ、そのままパクッとしてしまいそうですが、ここでまたもぐっとこらえてガマンです(笑)

4,まとめ

 そして、この蒸し作業と皮むき作業は、1日に数回繰り返して、干し芋にするための材料を製造していきます。ベテランの職人さんたちは、大変ではありますが、座りながらの姿勢で1日中、もくもくとお芋と向き合い、皮をむきながら形を整えています。見ていて飽きないくらい気持ち良く、スピーディにそして綺麗な皮むきは、まさに職人技です!本当にいつもありがとうございます。感謝の気持ちでいっぱいです。

今回のご紹介は以上です。
次回は、スライスについてご紹介したいと思います。
ぜひ、お楽しみに。

 


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