親になるのをやめると親子関係はうまくいく
思春期になって(その前から徐々にだけど)
親子関係が悪化してしまう親御さんには共通する特徴があります。
実はこれ,
学校で「嫌われる先生」にも共通しています。
共通点はどちらも「親」「先生」という
立場で子どもに話をしている
ということ。
実はこれが子どもに気持ちが伝わらない一つの要因だったりします。
というか子どもに限らず,全ての人に対して言えること。
大切なことを伝えたい時ほど
素の自分,一人の人間として話さなければ相手の心には響きません。
子どもにお説教する場面で
「親として今から大切なこと話すから💢」
とか,そんなマクラがつこうものなら
子どもは親の言葉をこんな風に聞いてます。
「親として○△※■△××…💢」
(なんか言ってるわ。とりあえず怒ってんのね。はいはい)
そんな訳で親子関係を悪くさせない一番の秘訣は
親になることをやめること。
親であることはやめられないので
せめて,親になろうとするのはやめましょう。
お母さんたちからのお悩みを聞いていても
「特定の場面で(大体はトラブルになった時)親として子どもになんて声をかけたらいいか分からないんです」
と相談を受けることがとても多いです。
「子どもにこんな言い方はダメ!!」みたいな
情報が世の中に氾濫しているからですよね…
分かります。。
だから本当は迷ってるというよりも
情報によって迷わされている,の方が正しいかもしれません。
私からのアドバイスとしては,
そんな時は素直に
「なんも言えねー!」
でもいいんです。
あ,子どもには通じないか…(笑)
だって分かんないんだもん。
親になればなんでも分かるようになるなんて大間違い。
大人にも答えの出せないことなんかいくらでもあります。
お母さんだって迷います!わかりません!
って堂々と言ってもいいんです。
お母さんが考えて子どもにかけた言葉が正解。
そして言葉が出ないくらいに分からないなら,
そのまま「わかんない」って子どもに伝えることもまた教育です。
親が自分の正しさを疑ったり
人間として迷い葛藤する姿を子どもに見せることで
子どもの考える力が育っていきます。
だからそのままお子さんに伝えていいんです。
逆に,どんな場面でもなんの迷いもなく,澱みなく話すような親御さんに育てられたお子さんは,思春期になると結構危うい感じになります。
(その感じで大丈夫か?この先もっと人生難しくなるぞ…って。)
でもこうやって書くと
「親なのに,分からないなんて子どもに言っていいんでしょうか」
って心配する人が必ずいます。
気持ちは分かります。
実はそのお母さんの心配には
いくつかのマインドブロック(思考のクセ)があって
「親は子供よりも優位な立場でいなければいけない」
「親は子供に尊敬されるべき」
という感じの無意識の思い込みを持っていることが分かります。
そしてそのマインドブロックこそが
思春期の親子関係を悪化させる大元になります。
子どもが反抗的な態度をとった時
「親に向かってその口の聞き方はなんだ!」
「親のいうことが聞けないのか!」
と怒る親御さんは結構多いです。
(ちょっと昭和っぽいか…)
親と子どもは常に上下の関係性でなければいけない。
そう思いながらお子さんと向き合えば
子どもは当然全力で反発してきます。
子どもの立場を捨てて大人になろうとするのが反抗期。
不毛な戦いがこれでもか,と続くことになります。
そしてそんな状況で親の立場で怒り続けるということは
燃え盛る子どもの反抗心にガソリンを注いでいるようなもの。
だからね,もう親になろうとするのをやめましょう。
そして一人の人間に戻って(!)我が子に向き合ってください。
もちろん怒るときは怒っていいんです。
ブチギレたっていいんです。
人間だもの。
子どもの機嫌を伺ったり
こんなことは言わない方がいいのかな
なんて迷い始めたら
あ,ほらまた親になろうとしてますよ〜!!!ブッブー⚠️
ってアラートが鳴るくらいになるといいですよね。
余談で,もう10年以上前のことですが
教員時代,定期テストの答案用紙に「しね」と書かれた先生がいました。
運の悪いことに親御さんは結構有名なクレーマーだったので,こりゃぁこの後の対応が大変そうだな…なんて思っていたら,ブチギレたその先生は即座に答案用紙をFAXでお子さんの自宅に送りつけ,そのまま親を学校に呼んで親子共々ガチ説教という出来事がありました。
(怒声が校長室の外まで響き渡るほど怒り狂っておいででした。わかる。)
そしてその後どうなったかというと,
なんとその親子,その日を境にその先生の熱烈なファンになりました。
それ以降はどんなトラブルやクレームがあっても,その先生が話せば「先生がそうおっしゃるなら!!」と丸くおさまるようになったのでした。
その先生はどんな時にも決して「先生」にならない人でした。
いつも一人の人間として正面から全力で子どもと向き合う人。
ゆえに子ども達からも絶大な信頼を寄せられていていましたし,「しね」と書いてしまった子もその先生に対して言いたかったわけではなく,
朝親と喧嘩してムシャクシャした末の犯行だったとのこと。
親御さんは
「人として,ここまで我が子を叱ってくれる先生の思いに感激しました!!」と試合後インタビューに答えていました。
そして当の本人は
「オレ完全に書く相手ミスりましたわ…」としょんぼり(笑)
めでたしめでたし。
子どもに言うことを聞かせたいと強く思えば思うほど
「立場」を利用して権威づけしたくなるのが大人なのですが,
親が「親」の立場でい続けると
今度は子どもも「立場」を利用して
「自分は子どもなんだから何をやっても許される」
と思って勝手なことをするようになります。
だから早く人間対人間にならなければいけないんです。
これは親子間に限りません。
私たちは日頃から膨大な「思い込み」の中で生きています。
親なんだからこうあるべき,先生なんだから…。
そんな風に誰もがその人なりの親や先生像を持っている。
自分がその立場になる時には無意識に
自分の中の「イメージ」に寄せようとしますし,
話を聞いている相手もまた同じように
「自分のイメージ」の中で話を聞こうとします。
「先生」という立場で生徒に話そうとするから聞いてもらえない。
相手は「先生の話なんてつまんない」って思ってるから(笑)
「妻」という立場で夫と関わるから家事育児背負わされる。
相手は「家事育児は妻がやるもの」って思ってるから(怒)
「立場」にこだわって,そのポジションにい続ける限り
人間対人間のコミュニケーションからは遠くなっていきます。
コミュニケーションの基本は
お互いを一人の人間として尊重すること。
一方で「立場」や「役職」なんて
人間同士の面倒なことを処理する時に
当事者に負荷をかけないことを目的に社会が勝手に作ったシステム。
そのシステムが心地よければいいのですが
窮屈で自分を苦しめるものならばわざわざ進んでハマりに行く必要ありません。
お母さんだから我慢しなきゃいけない
親だから子どもに言うこと聞かせなきゃいけない
もうやめませんか?
そして
子どもなんだから親の言うこと聞きなさい
もおしまいにする。
それが親子円満の秘訣です。
もしも
どうしても子どもをコントロールしたい気持ちが無くならない,
という場合には
ご自分の中にあるマインドブロックを外すことが先かもしれません。
今日も子育てお疲れ様です😊
また明日も頑張りましょう!!
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