三升漬け 唐辛子とカニの泡
数年前、青唐辛子漬け<三升漬け>の胡瓜を食べた。
これが抜群に美味しくて常備食材に昇格、毎年三升漬けを作る様になった
三升漬け (さんしょうづけ)
青唐辛子、麹(糀)、醤油を各一升ずつ漬け込んだ事から名付けられた辛味調味料。辛いだけじゃなく、色々な料理の味が締まる。
◾️我流レシピ
材料/ 青唐辛子、麹(糀)、醤油 ・・・ 基本は各同量。でも後(3)で大抵調整が入るからアバウトでOK 。
*青唐辛子は夏に出始め、毎年辛くなる9月~10月頃に作る
作り方
1. 洗って水分を拭き、ヘタを取った唐辛子を微塵切りにする
2. 麹(糀)は手でほぐしておく
3. 1、2、醤油を容器に入れて混ぜ、軽く蓋をする。最初のうちは麹(糀)が醤油を吸うので、全体が浸る程度に醤油を足す
4. 毎日かき混ぜ、3週間以上常温発酵させる
5. 麹(糀)の粒が小さくトロトロになれば出来上がり(熟成)
◾️メモ◾️
辛い青唐辛子は刺激物
微塵切り : 素手だと指先痛ッ、目や粘膜、傷についたり吸い込むと一大事→ 手袋必須、ゴーグルとマスクはオプション保存
出来るまで容器は、ステンレス、陶器など不透明な物を使用。出来上がったら瓶などに入れ替えOK、常温保存が心配なら冷蔵庫へ麹(糀)は生きモノ
常温で発酵させ、熟成するまで蓋はきつく閉めないコトカニの泡 (のように)
じきに、砂地に隠れるカニの泡の如し、フツフツ発酵するカニ泡が出てくる様子が見られ、これが楽シ・嬉シの瞬間 ♪(上,真ん中の写真の頃)+α あれば、前年度の三升漬を混ぜると深みが出る
注意 青唐辛子の一部が茶色だったり、傷がついていたら中に虫がいる事があるので、気をつける
◾️何に合う?
シンプルに、蒸し野菜、湯豆腐や鍋物。麻婆豆腐、味の締まらないトマトソース、ラタトゥイユ、カレー、シチュー、焼きそば、豚汁、餃子、ステーキ、野菜炒め・・・など何にでも載せたり、加えて合わせる
◾️辛さと味
実は辛い青唐辛子を探すのは一苦労、買って辛くないと大ショックでまた探し回るハメに・・・ 今年は入荷を控えたと某デパ地下青果部で言われ、え ? 世の中から刺激物がなくなる ?!
≡そんなのツマラナイ、刺激が無い日常がツマラナイのと同じ !! ≡
辛さが足りない→辛い青唐辛子を足す
辛くない→卸し生姜を加えて生姜バージョンにする、など、この辺りは自家製アバウトの気楽さ
青唐辛子は産地や種類、時期違いで7回買い、麹(糀)は3種類、醤油は2銘柄で今年は8パターン作った。これ、1人暮らしの年間消費を遥かに超える量だけど楽しいんだナ、何かを育てるのは
で、青唐辛子の他に、麹(糀)や醤油の銘柄で、仕上がる味や香りが異なる事にもビックリ、組み合わせで味は無限
◾️道具の進化
今回は手動式チョッパーを手に入れ、微塵切りは天国と地獄の差で楽チン。
物は増やさないと決めたけど、某ポイント交換品だから許す、し、正解。
◾️こうじ(麹・糀)
「こうじ」の漢字は2種類。麹=麦辺、糀=米辺があってこれはちょっと置いておいて、今回は使った事のある手に入れやすい「乾燥」と「生」の麹(糀)をピックアップ
(*保存期間はそれぞれで異なるので各社HPを参考に)
< 乾燥>
手に入れやすく、残っても乾燥剤を入れ密閉しておけば日持ちする
◾️伊勢惣「みやここうじ」:website
◾️マルクラ食品(岡山)「乾燥米こうじ」:website
◾️ますやみそ(広島) 「乾燥米こうじ」 :website
◾️河内源一郎商店(鹿児島)「米こうじ」website
個人的にはこれが好み
< 生>
冷蔵か冷凍購入 保存は各々で異なり1週間〜3カ月程度。
それぞれ特徴があり、三升漬にはちょっと勿体ないか気が・・・
【富山】 石黒種麹店「真空米こうじ」 https://www.1496tanekouji.com/
【新潟】 山田屋 新潟コシヒカリ米使用「生糀」 https://www.e-misoya.com/
【東京神田】天野屋「生糀」 http://www.amanoya.jp/
>>独り言<<
友人宅で食べたのが、庭採れ胡瓜だった事もあるけど、
とにかくこの辛さが美味しくて病みつき。
そう言えばうんと昔、母作のそれを持ち帰る際、発酵途中だから蓋はユルくね、爆発するかもと脅され、ビクビクしながら持ち帰ったのを思い出す。
そして、小さい頃の記憶に残る、三升漬がその姿を変えず 今でも販売されていると知り嬉しくなる。
ラベルや瓶の形が変わっていたら、一生再認識は無かった・・・
今度北海道に行ったら、本家本元の山源 山下食品さんを訪ねてみたい。
今後も、ラベルも瓶も変えず作り続けていって欲しいと切に願う。
チョッパーはこれ+ 蓋の中を洗う方法
引っ張る紐が収納されている蓋の内側はたまに洗うのがおすすめ
さて、寒いから湯豆腐に三升漬にしようかな
#フードエッセイ #レシピ #青唐辛子 #三升漬 #糀 #麹