非農家から新規就農への道。農地・機械・経験・知識ゼロから農業を志した理由
香川県さぬき市を舞台に夫婦で新規就農を目指す『つむぐfarm』です。
わたしたち夫婦は、非農家出身(実家が農家でない人)のため、農地・機械・経験・知識もほぼゼロの状態からスタート。
そんな非農家出身のわたしたちがなぜ新規就農を目指したのか。その理由を綴っていきたいと思います。
食べるのが好きという想いがはじまり
小さな頃から食べることが好きだったわたしは、食に対しての興味・関心が人よりも少し強く、調理の仕事をしたり、
趣味で料理をつくったりするなかで、
「普段食べている野菜はどのように育てられているのか」
「どのような過程で自分たちの元に届いているのか」
ふと疑問に思い、そのルーツを辿ろうと北海道、広島、鹿児島、沖縄などで農作業のお手伝いを経験してきました。
楽しいことだけではなく、大変なこともあったものの、太陽の光を浴びながら自然のなかで過ごすゆったりした時間や些細なコミュニケーションに満たされ、「農業っていいな」と思い始めます。
当時、東京に住んでいた私は、どこに行くにもアクセスがよく、少し足を伸ばせば何でも手に入る東京の便利さを感じながらも、
自然が少なく満員電車や人混みの多さにストレスを抱えていました。
また、時間の流れるスピードが早く、
そのペースに巻き込まれて疲労感が少しずつ蓄積されているのを感じるようになります。
コロナをきっかけに生活の基盤を見直す
そんなとき、新型コロナウイルスの感染が拡大し、リモートワークに切り替わったことでどこでも住めるようになりました。
東京に住むメリットがなくなり、自然に囲まれて暮らしたいという想いから生活の基盤を見直します。
半農半Xという生き方を実践するため、短期間だけ地方の農家さんの元にアルバイトに行くなかで、わたしが求めているのは自然の中で自分や周りと向き合いながらゆっくり過ごす時間だと気づきました。
自然の中にいると心地が良くて、
自然体のわたしでいてもいいんだという安心感がありました。
地元の香川で開催されていた瀬戸内国際芸術祭の仕事をきっかけに、思い切って香川にUターン。
そのとき、自分たちの手で食べるものや暮らしを創る生活をしている人と出会い、その生き方に感化されたわたしは、
とれたての野菜で作った料理を提供する農園カフェを作りたい
という夢を持ちます。
そんなタイミングで夢を応援してくれるパートナー(夫)と出会います。
・自然に囲まれた暮らしをしたい
・自分たちの手で食べるものや暮らしを創りたい
わたしの想いに共感してくれたパートナーと共に農業への道を歩み始めました。
農地・機械・経験・知識ゼロ。さてどうしよう
一緒に農業を始めようと思い立ったものの、両親や親戚が農家ではないので、農地、機械、経験、知識、コネもほぼゼロ。
わたしは農作業のお手伝いはしていたものの、野菜の栽培に関する技術や知識は持っておらず、夫は農業に携わったこともない状態からのスタートでした。
まずは香川の農家さんにアポを取って話を聞こうと思い、SNSで見つけたさぬき市の有機農家さんの元に訪れました。それがいま農業研修でお世話になっている『TAGATAME』です。
自然にも体にも心にも優しい野菜作りをしたいという想いがあり、有機栽培を目指していたわたしたち。
TAGATAMEの取り組みやコンセプトに共感したり、右も左もわからないような状態のわたしたちに親身になって話を聞いてくれたり、真摯に向き合ってくれたり。
その姿勢がとても素敵だなと感じ、ここで研修を受けたいと思い、話を聞きに行った1ヶ月後くらいには、お互いに仕事を辞めていました。
今思えば、行き当たりばったり感があったので、もう少し農業のビジョンを考えてから始めてもよかったし、全国各地の農家さんに話を聞きに行ったり、準備をしっかりしてから仕事を辞めてもよかったな〜という思いもあります……。
でも、過去の選択があるから今のわたしたちがいるし、出会えた人もたくさんいるので、すべてはいまに繋がっているのかなと感じています。
新規就農に向けて
TAGATAMEと関わりを持ってから就農に向けての準備が少しずつ進み、2024年4月から本格的に農業研修を始め、わたしは就農準備支援資金の補助金を目指すため、農業大学校で研修を開始しました。
いま日本の食を支えている農家さんの平均年齢は68歳。
これから数年のうちに農業従事者の高齢化が進み、後継者不足はどんどん深刻化するでしょう。
令和の米騒動と騒がれていますが、そのうちスーパーに野菜が並ばない未来もやってくるのかもしれません。
そんな時代に備えて、自分たちで野菜を栽培できる技術を身につけておきたいという想いもありますが、
自然の恵みを浴びながら四季のうつろいを感じたり、人間本来の生き方を学んだり、
「農業ってとても魅力的な生き方」
と思えるようなわたしたちでありたいなと。
そして、野菜を手に取ってくれた人たちに笑顔や幸せを届けられるよう、
これから精進していきたいと思います。
もし興味を持っていただけたら、スキーやフォローしてもらえると嬉しいです!
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