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農家は野菜の個性を輝かせるマネージャー
大事に丁寧に育てた野菜たちが畑から旅立つとき、嬉しくもあり寂しくもなる複雑な感情を抱きます。
野菜は思っているよりも強くてたくましくて、根性があります。
少し目を離していても自分の力で成長しようと生き抜く野菜たちを見てると、自分も頑張ろうと思えてくるのです。
そんなことをふと思いながら、今日は農大の圃場で育てている「ガーデンレタスミックス」「かつお菜」を収穫し、校内販売へと出荷しました。
種を蒔いたのは11月中旬ごろ。
種を蒔くタイミングが遅れたため生育もゆっくりだったのですが、先週の暖かさも影響し、収穫できる大きさまで育ちました。
種まきから約2ヶ月半。野菜が育つのには時間がかかりますが、日々大きくなる姿を見守っていると親心が湧いてくるものです。
農大では、学生や研修科が育てた野菜を校内で販売しており、季節の野菜が並んでいます。
私はレタスミックス6袋、かつお菜4袋を出荷。1時間もかからないうちに完売したそうです。
何cmで収穫するか
どんな状態で袋詰めするか
数量はどれくらい入れるのか
何を売りにするか
それをイメージしながらシュミレーションしていき、収穫、出荷調整する経験は今までなかったので今回とてもいい機会をいただきました。
私たちはJAに出荷しないので、野菜を作るだけではなく、価格設定や数量、出荷形態を決めるところから、営業、広報、マネジメント、ブランディングまで全部自分たちで決めていかないといけません。
これを考えるのがなかなか難しい。
農家は百姓とも言いますが、さまざまなことを平行しながら仕事をしていくので、やるべきことの多さに頭がパンクしそうになります。
それでも、難しさのなかに楽しさがあるから農業に惹かれたんだと思います。
どれくらいの大きさに成長したら収穫するのか、どれくらいの量を袋に入れるか、出荷する際の袋詰めの仕方はどうするか、商品ポップには何を書くか。
どの選択をしても正解も間違いもないですが、大事に育てた野菜たちの身だしなみを整えて出荷する過程を学ぶことができ、いい経験になりました。
野菜の個性を理解し、野菜たちの強みをどうPRするのかも農家の役目。
ときに手を差し伸べて、大事な場面ではあたたかく見守る。農家は、野菜のマネージャーなのかもしれませんね。
これから出荷デビューを迎える野菜たちがいるので、成長を見守りつつ、必要なときに手を差し伸べていきたいと思います。