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番外編➋アホ親とタロウの卒業

第2章【離婚と私。ときどきタロジロ

愛息子タロジロの「なんで?」回答ラブレターです。 

アホ親をもった宿命として、どうか逞しく育ってね。
 
親に会えない子どもや子どもに会えない親は、親の愛は深く、子はたくましいと忘れないで。 
 
子どもの人生の節目には、離れていても子の心にはきっと親がよぎってる。 


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2021年3月23日。 
12歳タロウが小学校を卒業した。 
 
抜けるような青空が私を6年前にタイムスリップさせる。 
 
 
小さくなったランドセルは成長の証。
でも笑うとへこむエクボは6年前と一緒だ。 
 
 
アホな両親のもとで逞しく育つタロウ。
 
 
 
どうか覚えていて。
ジロウとともに、タロウはお母ちゃんの誇りです。
  
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「お母ちゃん卒業式くるやんな?」 
 
こっそり私と逢引き中のタロウ。
少々不安げにお母ちゃんの顔を覗き込む。 
 
 
私はコトコト動かすキーボードの指を移動。 
タロウのほっぺをムニっとつまんで答える。 
 
 
 
「行くに決まっとるがな」 
 
 
 
タロウはつままれたままの頬に、可愛いエクボをペコッとつくった。 
 
 
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タロウが園児の頃から、私と離れる3年生まで、行事ゴトはお母ちゃんがフル参加。 
 
通常行事以外へも私はもれなく足を運んだ。 
 
参加目的の大半は子どもたちとのふれあいだ。
 
 
 
私がタロウの同級生や知人と仲良しであれば、タロウの社会生活はきっとスムーズ。 
 
ジロウも園や学校へ連れて行くので、もれなくジロウの認知もでて、上級生に可愛がってもらえる。
 
 
 
引越しなどがない限り、学校という超閉鎖空間で、子どもたちは10年以上をともに過ごす。 
 
タロジロから透けて見える私の顔は、多少なりともリスクヘッジになるかもしれない。 
 
 
 
 
私はできる限りで子どもたちに声をかけ遊んだ。 
 
 
 
「タロウくんのお母さん!」とお友達にたびたび呼びとめられるアホ親の私を、タロウはいつもニコニコして眺めていたな。 
 
 
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のんきに子どもたちと遊んだ結果。
 
タロウの同級生はほぼ全員私を知っている。 
 
今でも会えば挨拶してくれるし、会話してくれる子もいる。 
 
なんなら、学校でのタロウの様子を教えてくれる子までいる。 
 
 
 
 
 
多くの同級生はタロウの家庭事情をなんとなく察知。 
 
 
 
全家庭に配布される保護者名簿からは、親権者であっても早々に私の氏名がなくなっていた。 
 
おかげで3年間毎学期に渡り、児童と保護者へ家庭事情を大公表。
 
 
 
離婚後の今、当然のように私が社会から「親」として排斥されるのも頷ける。

 
 
 
社会が寛容なら子どもはきっと伸び伸びと育つ。 
 
 
小さな小さな世界で暮らすタロジロ。
もう傍で守ってあげられないお母ちゃん。 
 
 
 
だけど。
 
3年生から6年生までの3年間、タロウは家庭のことで対外的に一度も困らなかった。 
 
多感な時期に入った現在もだ。 
   
 
 
 
 
タロウはお友達に恵まれたみたい。
ただただありがたいな。 
 
 
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式典が終わり、校庭にて記念撮影や談笑をする子どもたち。 
 
まだまだ、解散しそうにない空気が充満。 
 
 
 
そんな中。
いくつもの人の輪をすり抜けるタロウ。  
 
両腕を広げて迎えるお母ちゃんをクスっと笑う。 
 
タロウは私の脇を潜り抜け、くるりと回ってまた正面へ。
 
 

「お母ちゃん」
 
 

とはにかむ笑顔にはくっきりエクボが健在だ。
 
 
 
 
同級生の中でヒトキワ小さい背丈の彼。  
でもお母ちゃんにはヒトキワ輝いてみえるんだ。 
 
 
  
  
アホ親を持つ子どもは勝手に逞しくなる。

大きくなったね。
 
タロウ、卒業おめでとう!
 
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ーーーー➍につづく
 
FB番外編➋:アホ親とタロウの卒業・FB投稿(2021.03.25記)
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▼「子育て改革のための共同親権プロジェクト」で副代表中

▼子どもたちに優しい世界を拡げる活動を仲間と楽しんでいます

▼離婚にまつわる子育てや裁判所についてPodcastとSpotifyでインタビュー受けてます(#2-1~3)

▼タロジロラブレター第2章は黒まどかで執筆!

タロジロがいつか読んでくれるといいな。


きっと大丈夫。
あなたもがんばって。


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