【アルツとレビー . 明るいニート】 ~父レビーになる~ part2
その後も父は度々高熱を出すことがあった。
数年前から足もかなり弱くなっていて、この頃はトイレに間に合わず粗相したり失禁することも多くなったので嫌がってはいたがオムツにしてもらった熱が高い時は、何もいない方角を見て
「よーしよーし!おいでおいで!」 と満面の笑みの父。
「何にもいないよ!」 とビビる私。
「ワンちゃんがいるんだよー。可愛いいな~♡」
(うそでしょ。熱からの幻覚だな) と冷静な私。
この頃、私には早く父に元気になってもらいたい理由があった。
9月から息子がフランスに留学していて来月11月中旬から10日程フランスに遊びに行く予定だった。こんな状況じゃ行けない!だからどうしても回復して欲しかった。だから私は看病を頑張った。
でも、本当に頑張っていたのは一緒に暮らしていた弟だった。父が夜中にオムツをしているのにトイレに行こうとして転びその転倒した時の ドーンッ!という音で2階で寝ている弟は飛び起きる。夜中の父のおむつ交換、認知症の母も夜中に何度もトイレに行き粗相もし掃除をする。昼は昼でもともと仲がよろしくなかった両親は大声で痴話げんかを毎日繰り返す。父は耳も遠く、調子が悪くなってからは特にひどかった。いつしか弟は少しの物音にも敏感になり寝れない日が続いた。
父に許可をもらい1階にカメラをつけた。そうしないと弟は近所からの音や少しの振動でもビクビクするようになったからだ。今にして思うと本当に可哀想な事をしたと後悔している。でもその当時、私の心には (して当たり前) 感があった。なぜなら彼、弟は働いていなかった。ニートなのだ。
父は、きっと風邪だろうと思い、かかりつけの内科を受診し点滴や薬も処方してもらったがいっこうに良くならない。内科の先生から血液検査の結果、炎症反応の数値が高いと言われ一度泌尿器科を受診するよう勧められた。この日父は先生が念のためと認知症のテストをしたことに少々ご立腹だった。結果は30点満点中28点。つまり認知症の可能性は低いとの判断だった。
つづく
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