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【実名報道】本当に必要? VS 慎重になるべき?|犯罪学 教授が解説

立正大学教授 丸山泰弘(犯罪学・刑事政策)が、ニュースでは聞けない犯罪学、刑事政策の話について、分かりやすく解説します。過去に配信した回をアップしていきます。今回のテーマは「実名報道」です。
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少年法の改正により18歳、19歳の「特定少年」も実名報道が可能となりました。実名報道は必要か、慎重になるべきか。両方の立場から犯罪学教授が解説します。


スタッフからひとこと

 自分が大きな事故や事件を起こしてしまった時、この写真だけは使わないでほしいと思う写真はありますか?(例えば免許証のとか)私はあります。なぜ嫌なのかというと、「指名手配写真のようだ」と思うからです。…?「指名手配写真のようだ」とは…?そんな写真ジャンル、本来はないですよね。でも、きっとわかってもらえると思います。指名手配写真だけではなく、テレビや新聞に掲載される被疑者・被告人の写真って、どうしてあんなに人相が悪いのか…わざと選んでるんと違うの、と思うことも多いですよね。今の時代、あれがずーーーっと残ることになります。
 犯罪を行ったとされる時、被害を受けたとされる時、それが報道されるような大きな出来事であると、多くの場合、名前や顔写真を公開されます。職業とか、仕事以外の時間をどのように過ごしていたか等も。ここまでしなくても…といたたまれない気持ちになることがあります。あまり人には知られたくないこともありますし、墓場まで持って行きたい出来事だってあるのではないでしょうか。
 もちろん、事件の捏造等を防ぐために、何が起こったかというのを明らかにするという考え方は理解できます。でも本当に、今のような実名報道が必要なのか、ちょっと立ち止まって考えてみた方がいいのではないかと思っています。
 この時ご紹介した「リチャード・ジュエル」は、私は実は違う映画を観に行ったつもりで、なぜかチケットを買い間違い、間違いに気が付かないまま映画館のシートに座っていて…なんかこう、思っているのと違う映画が始まったような…と思っていたら「リチャード・ジュエル」とタイトルが出て、椅子から立ち上がりそうになるほど驚愕したのでした(笑)。映画自体はとてもおもしろく、観れて良かった大満足!だったのですが、この映画の話をするたびに、あの時の驚愕を思い出しています。ツミナハナシで紹介できて、間違えた甲斐もあったというものです♪(み)

こんな話をしています

・オープニング:好きなことでも実名で報道されるのは…
・なぜ 実名報道が必要か?
・逮捕の先にも人生がある
・少年法における実名報道
・「特定少年」で実名報道は変わる?
・犯罪学の視点から語るエンタメ作品:リチャード・ジュエル

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犯罪学の視点から語るエンタメ作品

『リチャード・ジュエル』
監督:クリント・イーストウッド
出演:ポール・ウォルター・ハウザー
2019年/アメリカ/カラー

ツミナハナシを話すヒトたち

丸山泰弘:立正大学法学部 教授/知的エンターテインメント・クリエイター
南口芙美:合同会社 黒子サポート 代表
※2人とも、一般社団法人 刑事司法未来 理事

でてきた用語・人物

  • 推知報道

  • 特定少年

  • 検察官送致

  • 公判請求

もっと知りたい

  • 「特定少年」について

なかなか説明が難しい、少年なようで、成人でもあるような「特定少年」についてはこちらの回から。冒頭のミルクボーイ調の漫才と一緒にお聞きください。

  • 少年法の理念を知りたいなら

匿名報道を原則とする少年法の根本には「要保護性」という考え方があります。少年法の基盤となる理念についてはこのエピソードから。

  • ラベリング論について

社会の側がある行為を逸脱と判定し、その行為者を「逸脱者」とみなすことで、逸脱者が生みだされるということを「ラベリング論」といいます。実名を報道することでラベリングに拍車がかかってしまうおそれがあるのではないでしょうか? ラベリング論についてはこのエピソードから。

(※ 「#020 実名報道は本当に必要?〜デジタルタトゥーが奪う未来〜」 2023年10月24日配信)

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