【事務局長のメモ】森の新陳代謝
この度、農林中央金庫前橋支店様と群馬県森林組合連合会様より
群馬県を代表する各温泉地とコラボレーションした、群馬県産のヒノキ材を使用した木札をご寄贈いただきました!
各温泉地様と下記のようなキャンペーンを実施しておりますので
ぜひ、旅の思い出に、ヒノキの香りもお持ち帰りください。
お家で、ヒノキ風呂の香りが万座温泉の絶景を思い出させてくれますよ。
御湯印やユニクロ様とのコラボレーション商品もお楽しみください。
さて、今日はこの取り組みを実施したことで気づいたことをまとめていきます。
導入(森の新陳代謝)
まず、報道でもこのように取り扱っていただいておりますが
皆様のお話を聞いて、「森の新陳代謝」という言葉が大切だと感じました。
ちょっと前までは、「手つかずの大自然!」として、いい意味でとらわれていましたが、やはり人の手が入っていないような森は「鬱蒼とした」という鬱(うつ)」という言葉が使われた言い方をされます。
つまり、自然がありのままの状態になっているということは、競争がない環境なため、競争力のない弱い木々に育ってしまう、ということかなと思います。
そこで、適度に森を手入れし、新しい小さな芽吹きを促す、つまり木を切る林業がとても大切になってくるわけです。
これが「森の新陳代謝」だということです。
我々、嬬恋村としても間伐材を活用し、そんな林業を推し進めていく事業を実施しております。(オーバーツーリズムもそうですが、需要過多で木を切り過ぎてしまう、なんてことにならないよう、価格調整等が必要になるかと思いますが・・・)
それは、間伐材を使ったアロマオイルを精製し、さまざまに活用することです(邪魔扱いされる庭先や畑の浅間石(浅間山の噴火で出てきた揮発性の高い溶岩石)を活用したアロマストーンとか)。いよいよネタが揃ってきたので、しっかりと発信していこうと準備しているところです(アロマストーンやバスボム(万座温泉では、配管清掃して捨てなくてはならない湯花を使って・・・→温泉の活用についてもまた書きますね)のお土産、そしてそれらをつくり環境問題対策にもなる体験コンテンツなど)。
あー他にも、当協会所属の地域おこし協力隊が木材活用頑張っています。
こちら↓
森林と減災
「森の新陳代謝」を高めることは、実は減災にもつながるとも言われています。
そもそも、山に降った雨が土に沁み込み、やがて沁み出た雨水が集まり川となるわけですが、山がもっているポテンシャル(つまり、雨水を貯水する能力)が低いと、大雨の際に雨水が土に沁み込まなくなり、すぐ洪水になってしまいます。
山のポテンシャルもやはり、雨水を自らの栄養にするために張り巡らせた根から吸収する能力、つまり木々の競争力「森の新陳代謝」が高い森の方がより多くの水を吸収する根と水を留めておく土を醸成していくわけなんだと思います。
嬬恋村に降った雨水は、やがて吾妻川から利根川へと流れていきますが、日本三大暴れ川とも言われた利根川を守るためにも、嬬恋村の山々が一役買っていそうです。
また、利根川水系は東京の水瓶と言われますが、夏場に水不足に陥らないためにも、谷川岳の雪解け水と嬬恋の山々の治水能力がこれまた一役買っていそう。
このような防災の側面からも、嬬恋村は2019年に大きな災害をもたらせた台風19号の教訓として(完成間もない八ッ場ダムが下流には大きな被害を生まなかったと言われますが、きっと嬬恋村の山々も活躍していたのかも)、「森の新陳代謝」向上のためのトレーニングをしていかなくてはなりませんね。
森林とミネラルウォーター
次は、同じ水でも皆さんが口にするミネラルウォーターも森林の恵みだということです(一般的に販売されている飲料水といえば、ミネラルウォーターではない、ボトルドウォーターもあるようですが今回は割愛)。
日本の有名なミネラルウォーターといえば、神戸の六甲山や富士山、そして同じ群馬県の谷川岳などが有名ですが、我が嬬恋村もすごいんです!
四阿山の麓で採水した水を製造販売する嬬恋銘水株式会社様
採水地としている四阿山は、北側に日本3大瀑布である「米子瀑布」の滝を形成し、南山麓から流れる「神川」は干ばつでも豊かな水が流れていたとか。
こういった背景から、江戸時代には信州真田氏の信仰の対象としてこの四阿山を祀っていたようです。
当時から、「森の新陳代謝」が高く、水に恵まれていたことがわかりますね。
そんな嬬恋の水は、絶対に事故を起こすことが許されない、航空会社の機内食にも使われていることもあります。
そのほか、飲料メーカーのキリンや、ロハコでも嬬恋村のお水を取り扱っています。
コーヒーやお味噌汁などにオススメの、素晴らしい軟水で、出汁文化のある日本人好みのお水だと思います。
素晴らしい水資源をつくり、守っていくためにも森林の手入れは必要不可欠なようです。
森林と余談
余談ですが
「モミの木」といえばクリスマスツリーの定番ですが
嬬恋村は「モミの木」の一大生産地でもあるんです。
昨年も東京駅前の商業ビル「KITTE」で、1階アトリウムに本物の「モミの木」を使用した全長約13mのメインツリー「White Layer Tree」として登場したのが嬬恋さんの「モミの木」でした。
嬬恋村内にキャンプ場を展開している「無印良品店」さん(あの無印がキャンプ場?という方はこちらをチェック→https://www.muji.net/camp/tsumagoi/)
でも『森から届くもみの木』という商品で、嬬恋産「モミの木」が大人気でしたね。
やはり、人工的なクリスマスツリーよりも、生木のクリスマスツリーの方がさまざまな想いが生まれ、環境にもいいなんてとてもいいですね。
ついでに、クリスマスツリーといえば、ツリーの頂上に飾るスターはキリストが生誕した時に空に輝いていたベツレヘムの星、ボールはアダムとイヴの禁断の木になる知識の実りんごを表し、ベルはキリストの生誕を知らせる天使の喜びのベル、といわれています。
なんか、こーゆーロマンチックなのも「愛妻家の聖地」嬬恋村らしくていいですね。
他にもさまざまな種類の木をアロマオイルとして精製しています。
木の種類ごとに異なる香りを楽しむのもいいですね。
こういったさまざまな想いを抱かせる木札をよろしくお願いいたします。