「つくね、静かなる怒りの鉄拳を炸裂させたい時もあるけれども」の話
つくねは静かに怒っていた。
(何故……こんな事が出来ると言うのか……)
色んな出来事が頭の中を駆け巡る。
私はまあまあ疲れていた。
昨日は5時まで働いた。
今日は6時半まで働いた。
この数年で……
私の体は2時位までしか働けない様に出来上がってしまっていた。
ライフはほぼ0になっていたのだ。
疲れて帰ってくると、かっちゃんがハンバーグを作ってくれていた。
それはとても美味しく、疲れも吹っ飛んだ(気になった)。
かっちゃんは
「あと、コンソメパンチもあるよ」
「わーい」
そう言い残して出かけた。
私は……
ポテトチップスの中でコンソメパンチが一番好きなので……
何より好きなので……
(わーい!ポテトチップス久しぶり!)
そっと、食べかけのコンソメパンチの袋を開けた。
……えっ?
おっきいサイズのコンソメパンチやぞ。
この残量……
いやいやいやいや……
えっ!!?
内からふつふつと湧き上がるこの感情は割とすぐ瞬時に頂点に達した。
疲労は怒りを加速させるのに充分であった。
「あのさあ!これ!酷くない!?」
隣の部屋でYou Tubeを見ながらゲームする子供に問い詰める。
「えっ?」
「これ……おっきいサイズのコンソメパンチ……残してるから食べてねって量じゃないじゃろ!わーい!コンソメパンチ〜って開けた瞬間の喜びから悲しみへの落差……分かるかな!?自分がされたらさあ……悲しくない?」
「ごめん!ゲームしながら食べてたら美味しくて止まらんくて……気づいたらほとんどなくなってた……」
「分かるけど……こんだけの量残すんならさ……それなら全部食べてた方がいっそ良いんじゃねぇかな……」
「確かに……」
「まあ、しゃーないけどさ」
全然しゃーなくない感じで言ってしまう私。
そんなこんなのやり取りをしているとかっちゃんが帰ってきた。
「かっちゃん……あの残し方は酷くない?あんなちょっと残すならさ……全部食べときゃいいのに……」
「既に結構な量を息子が食べてたから、えぇ~って感じだったんじゃけど、残りを食べてたら、つくねが帰ってきたから……『やべっ!食べてたらアレかな?感じ悪いかな?食いしんぼって思われるかな?……ちょっとだけど……残しとこう!』ってなったんよ〜。ごめんね」
「……ふーん」
まあいいけど?
コンソメパンチくらいいつでも買えますし?
何なら
「買ってきてくれ〜」
と一言唱えればな?
すぐに買ってきてくれよう。
なのに……
何でかな……
こんなに……
こんなにモヤモヤするのは。
疲れてたんだろうね。
さて。
話は変わるが、ある日帰宅するや息子がこう言った。
「お母さん!ポゥテイトゥチ〜ップス一緒に作ろう!」
「ポゥテイトゥチ〜ップス?作る?」
「You Tubeで見た!」
「マジか」
①じゃがいもをスライサーで薄切りにする
②揚げる
③塩をふる
「すげぇ簡単に出来たな……」
「食べよ!」
「うわぁ……うまっ!」
「めちゃくちゃ美味しいな!」
これにコンソメを足すと……
マジでコンソメパンチ。
これがビビる程にウマい。
何より、手作りポテトチップスは……
罪悪感が少ないな?
サツマイモで作っても美味しいよ。
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