見出し画像

「言わないことには伝わらない」の話

つくねはその昔、痩せ過ぎコンプレックスであった。

しっかりご飯を食べても太らない。
お菓子をむさぼっても太らない。
(特に上半身がとても細い)

細い=スタイルが良い

と考える人には羨ましいと思われるかもしれない。

しかし。
私にとっては物心ついた時からの
根深い悩みであった。

「細いなー、もっと食べたら?」
「ガリガリじゃなぁ」

何気なく放たれた言葉に
いちいち傷ついて
反論もしなかった。
出来なかった。

それを気にしなくなったのは
悩みでなくなったのは
いつの日だったのか……

大学に行って
少しずつ少しずつ自分の事を好きになって
痩せ過ぎと思っていた自分の体も好きになっていた。
 
「細いなー✨」

ポジティブ要素を多めに感じた時には

「おーぅ」
 
と良いも悪いもない返しを。

「細過ぎじゃない?もっと食べたら?」
「ガリガリじゃなぁ」

ネガティブ要素を多めに感じた時には

「はぁあっ?」
「えぇえっ?」


覇王色の覇気で応える。

これを会得してから
ネガティブ要素多めに言われる事は皆無になった。


しかし。
数年前の事。

今の会社で仕事を教えてくれた大恩あるHさん。
ご近所の仲良しFさん。

出会って数年すると、夏になり薄着になった頃

「痩せたなー。ちゃんと食べとる?」

と言われるようになった。
その言葉には優しさしかない。
心配してくれてるんだろう。

でも、私はフツーに食べてコレなんだ。
恐らく、腕をや首周りを出すから痩せて見えるのだろう。
もしかしたら、実際痩せてるのかもしれない。
太ろうとしたって、腕にお肉はついてくれない。
どうしようもない。  


二人とも大好きな人だから……
つくねはその時笑って誤魔化した。

次の年も。

その次の年。
Hさんにいつもの様に言われた。
つくねは意を決する。

「薄着になってるからそう見えるだけで、体重変わってないんですよ。仮に痩せてたとしても、食べてるし……食べても太れないので。細いのはどっちかと言うとコンプレックスだったし、すごく傷ついてきたので……言うのやめて欲しいんです。次言ったら、怒ります」  


言いながら泣きそうになった。

Hさんは

「そうだったんじゃ……ごめんなぁ」

と言ってくれ、それ以降は何もない。
Fさんも同様だ。



「そんな事、気にしなくても良いんじゃない?」

と誰かが言ったとしても。  
私がイヤなんだよな。

あの時つくねは頑張って勇気を出した。
私を守れるのは私しかいなかった。
大好きな二人だから、言うのが怖かったけど 
言って良かった。
ますます好きになった。
二人と
自分の事を。


ちなみに。 
かっちゃんにこの話をするじゃろ?
そしたらな?

「えー……つくね、細い、カッコいい!もっと細くてもいい!」

って言うんです。
だから、つくねもこう答えるんです。

「や……あの、コレ、健康的で文化的な……幸せな人生送るための最低限の体重じゃから、これ以上細くはムリよ」











気が向けばサポートして下さると、大層嬉しいです!頂いたサポートは私自身を笑顔にする為に、大事に大事に使わせてもらいますゆえ、以後よしなに(๑•̀ㅂ•́)و✧