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旅館の夕食で牛肉が出るとき、どうしても気になってしまうこと

肉好きの私がしょんぼりしてしまう瞬間と「なんておいしい肉だ!」と思った宿のご紹介

2食付きで温泉旅館に泊まるとき、夕食のメイン料理として牛肉が出ることがよくある。
漁港が近くにあるような宿なら海産物がメインとなることもあるが、それほど多くはない。海が近くにある魚がおいしい宿であっても、食事の後半では何かしらの肉料理が提供されることがほとんどのように思う。

若い男性など食欲旺盛な人の場合、魚だけでは物足りないと感じることもあるのだろう。口コミで「夕食の量が少なかった」などと書かれても困るし、何らかの肉料理は出しておいたほうが量的な満足度を上げやすい。
旅館に泊まるということは特別な体験なので、普段の食事よりもゴージャスな、いわゆる「ごちそう」が食べたい、と思う人が多いはずだ。それならば牛肉だ!ということで、旅館の夕食では牛肉を使った料理が提供されるのだと思う。

これまで宿泊したさまざまな宿で牛肉をいただいたが
「牛肉をおいしく提供するって難しいんだな……」
と、思ってしまうことがたびたびあった。
食事にこだわりのある宿泊料金もお高めの宿で、その他の料理はすべておいしいのに「牛肉だけ普通だったな」と思うこともよくある。

反面、お安く泊まれる宿なのに牛肉をおいしく食べるための工夫が凝らしてあると
「安いのに食事がおいしい、いい宿だったなあ」
という感想になる。
そんな風に、牛肉が食事全体の印象を決定づけてしまうことはしばしばあるのだが、その割に牛肉料理って多くの宿で同じような感じで出てくるように思うのだ。
和食の板前さんにとっては、あまり工夫し甲斐のない食材なのだろうか?

本稿では、これまで泊まった温泉宿の夕食で提供された肉料理に関して、考えたことをまとめてみたい。並行して、私の思う「おいしい肉料理」の基準を楽々クリアして、おいしい肉を出してくれた宿についても紹介する。

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