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ずっと泊まりたかった北海道の秘湯「銀婚湯」についに連泊してきたのだが

宿は本当にすばらしかったけど、予想外のハプニングに彩られた旅となってしまった

北海道の道南エリアに「銀婚湯」という宿がある。

広い敷地の中に露天風呂が点在し、宿泊客はすべての露天風呂を貸切で利用することができる。
個室でいただける食事の評判もよく、それでいて2食付き1万5千円以下で1人で泊まれる宿だ。ひとり温泉旅をするようになってまもなくその宿の存在を知り、ずっと泊まってみたいと思っていた。

それなのになかなか泊まる機会を得られないまま気がつけば10年以上経っていたのだが、それには理由がある。

全部で5ヶ所あるという宿泊者専用の貸切風呂は、照明がないため日が出ている時間しか入ることができない。となると1泊で5ヶ所を巡るのはかなり難易度が高いのだ。
ただこの宿は「13時チェックイン開始・最終チェックアウト11時」なので、22時間フルで滞在できれば1泊ですべてを巡ることもできるかもしれない。しかし、公共交通機関利用の場合は1番早く着いて14時30分になり、チェックアウトは9時ごろになってしまう。1泊では厳しいのでは……?できれば2泊したい!

しかし、人気の宿なので都合のいいタイミングで2連泊の予約が取れず、気がついたら10年ぐらい経っていたのだ。
それが2024年11月にようやく、土曜と日曜で2泊の予約が取れ、往復の函館空港便も押さえることができた。自然の中にある露天風呂だし夏は虫が多そうだな……と思っていたので、11月という時期も希望通りだった。紅葉はもう終わっているころかもしれないが、構いやしない。

この記事では、函館空港発着の飛行機を利用した(思いがけないハプニングに見舞われた)2泊3日のひとり温泉旅のきろくと、宿泊した体験から銀婚湯という秘湯の宿を最大限に楽しむために覚えておいたほうが良いことをまとめた。

1日目:函館でうにを堪能後、銀婚湯へ向かう

朝一番の便で函館空港に降り立ち、バスで函館駅へ。

バスの窓からは海が間近に見えた。
函館空港は市街地に近い空港なので20分少々で駅につく。

この時点で午前9時15分。
朝市で朝食でも食べるか……と、8時30分から営業しているうにむらかみ函館本店に行ってみることにした。

うにのシーズンではないけれど、うにむらかみでは1年中、ミョウバンを使用しない無添加ウニを食べることができるのだという。朝市にはほかにもたくさんお店はあるのだが、レビューを読んでも違いがよくわからないし、名物だというイカ釣りにも特に興味がないので……。それならば私でも知っている有名店にまずは行ってみようと思った次第だ。

行列のできる店だとは聞いていたが、朝9時20分の時点で10人ほどの列が店外に伸びていた。
今日は天気もいいからそこまで寒くないし、この時間ならそんなに長居する人も少なそうだし……と列の最後尾に並ぶと、25分後に店の中に入ることができた。

店の中にもまだ少し列があったが、店内は暖かい。ホッと一息ついてスマホを開く。宿の最寄り駅に向かうには昼過ぎの電車に乗ればいいから、それまで少し時間がある。この後の予定を決めるためにあれこれと調べ始めたところで……「え?」と小さく声が出た。

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