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口コミ評価最高だけど、なんだか合わなかった宿の思い出

温泉宿の部屋で深夜に目が覚めたので、この記事を書いている。

滞在中の温泉地には、約1年ぶりに足を運んだ。
近隣にインバウンドに人気の温泉地があるので、温泉地に向かう座席予約制のバスは満席だったが、この地で降りたのは私だけ。1年前も、今回もそうだった。
インバウンドの熱狂に取り残された、静かで雰囲気のある温泉地。そこが気に入って1年ぶりに足を運んだのだ。

実は1年前は、今日泊まっているのとは別の宿に宿泊していた。
土曜日も1人で泊まれる小規模な温泉宿で、女性に人気があると評判の宿。口コミ評価がものすごく高くて、宿泊した当時は総合評価の平均点が「5.0」だった。
「ここまで評価が高いのなら、まあ、いい宿なんだろう」
と思い、土曜日の1人泊なのでやや割高ではあったものの、びっくりするような値段ではなかったので、迷わず予約を入れた。

しかし、泊まってみて「ううむ」となった。
けして悪い宿ではない。がんばっている宿だとも思う。
だが、すごく大事なポイントで私の「好み」から大きくずれているのだ。それも1つのポイントだけではなく、いくつかで。
これはちょっと、これまでなかった珍しい経験だった。基本的には「温泉宿、みんな違ってみんないい」と思うタイプで、そこまではっきりと「好みに合わない」と思うことはあまりなかったのだ。それが複数重なるなんて……。

「好みではない」ので再訪することはないが、がんばっている宿だとわかるし、じゃらんなどの予約サイトの口コミにわざわざ「私には合わなかった」などと書くことはないだろう。
ブログには「再訪したい宿」だけを載せるようにしているので、こちらにも書けない。

でも、この「悪い宿ではないけどなんだか合わない宿があった!」という感覚をなんとか言語化したい!
そう思ったことがきっかけとなって昨年「温泉宿の宿泊レビュー考」という記事を書いた。

温泉宿の良し悪しを判断するポイントはさまざまだが、その中で「自分にとって重要なポイント」が何か、「どういうところが気になってしまうか、合わないと感じるか」を自覚しておいたうえで宿泊レビューを参考にすれば、自分の好みに合わない宿に泊まってしまうミスマッチが減るはずだ、という内容の記事である。
直接的にではないが、好みに合わない宿に泊まってしまったときのもやもやした気持ちをなんとなく消化できたので書いてよかったと思っている。この記事を書いて以来、たとえ評価の平均点が非常に高い宿であっても、詳細までレビューを読んでから予約するようになった。

1年経ってまた同じ温泉地に足を運んだのは「宿泊した宿が自分にとっては好みに合わない宿だった」のままで終わってしまうと、その印象を抱いたまま、この地から足が遠のいてしまいそうだなと思ったからだった。同じ温泉地の別の宿に泊まって「この宿は良かった!」「やはりいい温泉地だ」と思いたかったのだ。

計画は功を奏して、今回泊まった宿は好みに合う宿だった。

湯使いも食事も好みだったし、部屋も快適。
良かった。これでまたこの温泉地に来ることができそうだ。

そう思えたところで最後に「合わなかった宿」のどんなところを「合わない」と感じたのか、まだ記憶が鮮明なうちに書き残しておこうという気になった。これまでどこにも書いたことのない話だが、自分の中では貴重な経験だったと思っているので、このまま忘れてしまうのはなんだか惜しい気持ちもある。

この先の有料部分では1年前に泊まった宿の思い出を綴るが、はっきり言ってやや愚痴っぽい内容だなと思う。それゆえ、宿の名前や温泉地については最後まで掲載しない。
同じ宿に泊まったことがある人なら「もしかしてあの宿か?」と思うかもしれないが「この宿わかりました!○○旅館ですね?」と確認されても答えることはできないので、ご了承いただければと思う。

1年前に宿泊したその宿は、もともとは全6室の、恐らくご家族で運営されている小規模な旅館だった。

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