![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/162740333/rectangle_large_type_2_7915a17aa28ad8896d7238947d9f7913.jpeg?width=1200)
詩|蠍座の夜に
そよ風のような毎日ばかりは望まない
突風や竜巻や木枯らしの日があるから
人生はおもしろいのだと風や星が笑う
木は風に揺らされるたびに強くなって
太くなり枝をつくり葉を散らしながら
その根っこは大地へと深く深く伸びて
クリスタルの地底世界へ繋がっていく
個であり全であることを知ってもなお
自信をもてずに燻ってるわたしなんて
星にまぎれて流れてしまえばいいのに
自分の不甲斐なさと添い寝をしながら
うすくなっていく部屋の空気を集めて
自分の思い込みだけでつくった檻の中
蠍座の夜に引いたカードはワンドの2
コンフォートゾーンを超えていく暗示
カーテン越しから伸びてくる光の指先
瞼に触れたような気がして目を醒ます
夢の中で夢をみて夢を見ながら夢にいる
涙さえも上手に扱えない不器用さに笑い
これがわたしだというならそれがすべて
蠍座の夜に / 月乃
![](https://assets.st-note.com/img/1732197965-LOA3rnxEu1gywX6JUTsjYfI0.png)
深い深い海の底からきらめく水面へ
そしてそこから自由を求めて飛び出していく
自分自身の海の中へ深く潜ったからこそ
どこまでも空高く遠くまで飛んでいける