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詩|月夜の逢瀬
静かに部屋の窓を開けて
今どんな夜を纏っているのか
確かめてみたくなった
たった一日だけ、あの人と会った
お互いに手放せないものがあったから
たった一日だけ、という約束で
ほんのり太陽の匂いが残るシーツの波間で
わたし達はゆらゆらと海月のように漂った
真っ白なコットンは銀色の砂浜のように
ふたりの呼吸にあわせてキラキラ光った
それは満月の夜で
夜空には虹がかかっていた
わたしは軽い眩暈を感じながらも
全身がふるえるほど満ち足りていて
細胞のひとつひとつが
あの人の温度に溶けていった
朝を迎えたばかりの空にはまだ星がでていた
月夜の逢瀬 / 月乃
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心おだやかな満月の夜をお過ごしください